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23.水源地の近くで除草剤を撒いても大丈夫?


参政党の正義は、法律をも超えるのか

2023年10月頭のことですが、参政党愛媛県連代表者の八木氏と同党所属の宇和島市議山本氏が、イーキウイの園地近くの公共上水道汲上施設「丹原地区簡易水道長野第3水源地」付近を訪れ、動画を撮影し次のようなフェイスブックを投稿しています。

二人は、(おそらく)イーキウイの関係者が自社の農園敷地(ネットの外側)の農道脇の雑草が伸びているため、除草剤を散布して雑草を枯らしただろう痕跡を発見し、勝手に問題視しています。

山本定彦宇和島市議会議員が西条市に来られ、 水源地に除草剤が大量に撒かれて草が枯れている現場をともに視察。 私たちの生活用水の取水地に、除草剤を撒くなどありえません。 誰が撒いたのか、責任を負うのか、保障はどうなのか因果関係不明になる可能性があります。 外国資本の企業は、他の事例を見ても分かる通り、優先するのは地域住民ではなく自分の利益。 その事をよく理解しなければなりませんね。

Posted by 八木 邦靖 on Monday, October 2, 2023

山本定彦宇和島市議会議員が西条市に来られ、
水源地に除草剤が大量に撒かれて草が枯れている現場をともに視察。
私たちの生活用水の取水地に、除草剤を撒くなどありえません。
誰が撒いたのか、責任を負うのか、保障はどうなのか因果関係不明になる可能性があります。
外国資本の企業は、他の事例を見ても分かる通り、優先するのは地域住民ではなく自分の利益。
その事をよく理解しなければなりませんね。

八木邦靖氏のFacebook投稿(2023年10月2日 21:52)より

山本議員、遠路ありがとうございました🙇 水源地脇での除草剤散布については、住民の健康に対する多大なる影響が懸念されます。 当該企業について、地域住民からはかねてから「何を、どれだけ撒くかわからない」という不安の声がありました。 現実私...

Posted by 八木 邦靖 on Monday, October 2, 2023

八木さんと
西条市丹原町へ
長野地区の水源地の周辺が
昨年までのは様子が違うと
地域住民のお声があり
現地確認へ
これまでは
周辺の雑草が枯れた様子がなかったとので
外資の大規模園地周辺の変化に
取水地間近であるので
心配の声
西条市役所へ向かい
農業委員会、水道業務課へ相談したところ
取水地周辺についての
決まりごとはないのでは
との見解で
私達も、もう少し調査研究しないと

地元議員さんにも相談させていただきました

山本定彦氏のFacebook投稿(2023年10月3日 0:04 )より

山本議員、遠路ありがとうございました

水源地脇での除草剤散布については、住民の健康に対する多大なる影響が懸念されます。
当該企業について、地域住民からはかねてから「何を、どれだけ撒くかわからない」という不安の声がありました。
現実私たちの生活用水になる水源地脇に除草剤が撒かれました。
法的な縛りがない以上、私たちの健康を守るために行動を起こさなければなりません

八木邦靖氏のFacebook投稿(2023年10月3日 8:01 )より

除草剤散布が行われていた箇所を、Google mapsから推測してみました。

赤い四角で囲まれた所が公共上水道汲上施設、赤いラインが推測された散布箇所(農地と農道との境目)です。

Google mapsより
Googleストリートビューより

西条市の農業委員会と水道課に確認に行き「水源地の付近の自分の農地に除草剤を散布することに違法性はない」「地元の間でも取り決まりはないのでは」と、法的にも何も問題ないことを教えてもらっているにも関わらず、法的な縛りがないならしょうがない、自分たちで行動を起こすぞとついにいい始めました。
なにも違法なことをしているわけでもないのに、どうしてここまで憎悪を浴びせられ、業務妨害をされないといけないのか? 理解できません。


水源地の近くで除草剤を撒くと、地下水に影響があるのか

今回、水源地近くで散布された除草剤がなんの薬剤なのかは、正確には私にもわかりませんが、農家の勘として普通に最もポピュラー且つ使いやすいラウンドアップじゃないかと考えます(あくまで個人の想像ですよ)。

ここで使われたのがラウンドアップ=グリホサートだと仮定して、話を進めます。

ラウンドアップの成分であるグリホサートは、液がかかった植物を枯らしますが、土壌にかかると微生物によって水や炭酸ガス等に分解されます。

参考資料:
【グリホサートファクトシート】グリホサート分解の仕組みは?

ですから、地面に染み込んで地下水脈に到達し、農薬成分が地下水を汚染するということは、可能性としては限りなく0に近いと思います。

参考資料:
【グリホサートファクトシート】グリホサートは土壌から地下水に浸出するのか?

この「丹原地区簡易水道長野第3水源地」の井戸は、浅井戸・深井戸の区別で言えば深井戸に当たるそうです。一般的に浅井戸は10mほど、深井戸は30m以上と言われます。西条市の地下水年報によると、長野地区にある地下水観測井戸(この水源地ではなく、近くの別の場所に設置してある水質調査用の井戸です)は46mの深さですので、この水源地が汲み上げている帯水層もそれくらいの深度だと思います。
上記資料で、グリホサート成分は土壌表面から15cmより下ではほとんど検出されないくらい、表面にとどまるとされているので、参政党の方々が懸念するような地下水の汚染の可能性はないだろうと思います。

それに、この水源地で汲み上げた地下水ですが、直接各家庭に配水されるのではなく、一度別のところにある配水池というタンク施設に送られ、そこで塩素消毒をされます。
何の薬品も含まれない天然水が各家庭に送られるのではありません。
水道法により消毒の有効性のため、残留塩素濃度が0.1mg/L(ppm)以上あることと定められています。一般的には平均0.4ppm程度らしいです。
なお、我が国で過去に水道から検出されたことのあるグリホサート成分濃度の最大値は0.02ppmだそうです。塩素の影に隠れるくらい微小です。
(検出された水道の水源が地下水か、河川等の地上水かは不明です)

「日本では水道水に残留するグリホサートの基準値がなく、目標値だけ」さらにその数値も他の農薬や他国と比べて高く、農薬に汚染された水を飲んでいるという記述※が『週刊新潮(2020年4月23日号)にあります。水道水は飲んではいけないということですか。 | AGRI FACT「日本では水道水に残留するグリホサートの基準値がなく、目標値だけ」さらにその数値も他の農薬や他国と比べて高く、農薬に汚染された水を飲んでいるという記述※が『週刊新潮(2020年4月23日号)にあります。水道水は飲んではいけないということですか。 | AGRI FACT 「農薬に汚染された水」というのは完全な誤りです。日本の水道水は100%安全です。この筆者の言説には、読者を不安にさせる多く agrifact.jp

それに、もともとこの場所の周辺には、イーキウイの園地以外にも地域の農家の所有する農地があり、それこそ何十年も前から農薬を使って農業をしてきています。それであっても地下水が汚染され水が飲めなくなったなどという問題は起こっていません。


参政党への提案

イーキウイ社は、園地の周辺の雑草が伸びて対処が必要です。
もし参政党が「除草剤を撒くな」というなら、あなた方が「参政党ファーム」と称して丹原の数カ所の耕作放棄地でやっているように、草刈りをしてあげればいい。
刈った雑草は、発酵堆肥化して自然農法で使えますから、どうぞ持ち帰って活用してください。堆肥の原材料がもらえるんだから、草刈りも無料でOKですよね。
これでイーキウイも参政党もWin-WInですよ。

参政党ファームえひめ丹原 雨が心配されましたが草刈り決行‼️ 耕作放棄地を有効利用。 しかし昼食が充実しすぎ。🤣 草刈りの合間にご飯を食べるのか、ご飯を食べる合間に草を刈っているのか。笑笑 また、私たちの活動を見て、自然栽培に取組...

Posted by 八木 邦靖 on Sunday, October 9, 2022

参政党ファームえひめ丹原 草刈り隊 ミッションコンプリート‼️ 一日でこの状態‼️ お元氣さまでした。😀

Posted by 八木 邦靖 on Sunday, September 25, 2022


まとめ

今回の参政党の二人の言いがかりは、まさに「IAEAも安全と認める国際基準内の低ベクレルのALPS処理水を、広大な太平洋に放出したことを『核水で海が汚染された』と騒ぎ立てる中国共産党政府」と同レベルだと思います。

それに、参政党は最初「中国で水不足、水質汚染が問題だから、中国資本が日本の水資源を求めてやってきた」という設定で批判していたはずです。
なんで水資源を求めに来たはずの「外国資本が(自国民に飲ませるための)地下水を除草剤で汚染している」という、意味不明なハナシになるんですか?

参政党のシナリオライターはアホですか???
設定くらい一貫性を持たせたシナリオ書いてください!!!


追記

「食政策センター ビジョン21」主宰の安田節子氏が、「グリホサートが分解されずに土壌に浸透し、地下水を汚染している」ことを示す論文を見つけたという資料がネット上にありますが、これについて「問題がない」ことを説明する記事もありますので、添付しておきます。