サヨナラ、2021年。

 なんの告知もできないまま過ぎてしまった2021年、私にとっては人生とは? を、考えさせられた一年でした。

 家族が病気で入退院を繰り返すようになり、しかも、親友よりももっと家族に近い人がステージ4の癌だと……。

 頭が真っ白になる。まさにそんな感じで自分の感情が右往左往しているのに、どうしようもできず、ただ口を開けて一点を見つめるだけでした。私にとってはとても大事な人。それは確認するまでもなかったけれど、改めて彼女なしでどうやって生きていけるのだろう? と、不安でいっぱいになった。この状況になるまで、私の方が先に死ぬのだと確信してたのに、彼女が癌だなんてと、ショックが大きすぎて……。

 風邪も殆どひかないくらい元気でポジティブな人なんです。それなのに……なんで? なんで彼女なの? 

 癌だと聞いた数週間後、私は彼女の元に飛びました。

 フランス国内でも飛行機で1時間ほどの距離に彼女は住んでいます。

 顔を見てやっと胸のつかえを下ろすことができました。彼女は明るく、現状を受け止め闘病している。そんな姿を見て、私の方が励まされました。

 三年が過ぎれば、五年。寿命がいつまで続くかわからない。でも私はあと、十年生きてくれることを願って、ただ祈るばかり。

 これからは、できる限り会いに行って支えていきたい。一緒に楽しい時間を過ごしたい。

 大事な人を亡くしてしまったら、私はどうやって生きていけばいいんだろう? 仕事も何も手につかなかったけれど、今はもう覚悟を決めて、運命を受け止めました。

 だから、衝撃の2021年にサヨナラを言います。

 せいせいするわ。早く去ってくれ、2021のクソッタレ!

 2022年、もっと前を向いて生きていくからな!