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私たちに与えられた試練③


大学病院受診

2016.8.10 30週5日

前回の別の医療機関での受診を含めると、4回目の診察となりました。
赤ちゃんは相変わらず元気で、1,500gまで成長していました。
それまでは何ともなかったエコー検査ですが、お腹が大きくなってきたこともあり、長い時間仰向けになっていると圧迫感で何度も気分が悪くなりました。
早く終わらせたくてギリギリまで頑張ってはみるものの、我慢できず何度も姿勢を変えながら、休みなく検査しました。
その結果、この日はエコーに2時間かかってしまいました。

そして検査が終わり前回の不安な予想が的中し、先生から今後についてのお話がありました。
なんとなく予想していた私は、大きく動揺することはありませんでしたが、やっぱりか…
という残念な気持ちと、その一方で覚悟を決めなければならないという複雑な気持ちになりました。

この日の検査結果をもって、1週間後各方面の先生方が集まりカンファレンスが行われるとのことでした。
今の段階では、大学病院での出産も0ではないが、おそらく県外の病院で出産することになる可能性が高いという内容のお話でした。

先生は選択肢として2つの県をあげられました。

  1. 県内に親戚はいないが車で4時間半で行ける場所

  2. 県内に親戚はいるが飛行機で行けなければならない場所

長男の学校のことや、その後の通院のことを考えると選択肢1は現実的ではありませんでした。

私たちは、先生方の話し合いの結果を待つことになりました。

2016.8.17 31週5日

この日も赤ちゃんは順調でした、いつも通り1時間半ほどエコー検査を行いました。
前回、気分が悪くなったこともあり携帯用クッションを腰に挟んでみたところ、負担が軽減されなんとか最後まで検査の手を止めることなく、終えることが出来ました。(赤ちゃん=1,800g)

そしてお昼休憩をとり、午後から今後のことについての面談がありました。
その席には、前回お話したN先生も同席されました。

結果はやはり、大学病院での出産は難しいとのことでした。

ここで、これまでのことを少し振り返ります。
今回の妊娠までの7年間の間、悲しい経験を3度しました。
私の年齢的にもタイムリミットがやってきて、これからは前を向いて長男と3人家族でハッピーに生きていこう♪
と決めたすぐあとに、赤ちゃんはやってきました。

それまでの経緯もあり、お腹の中で大きくなってくれるか不安もありましたが、順調に育ってくれてこれまでのつらい経験がようやく報われる…
そう思っていました。

パートを辞め、幸せいっぱいの妊婦生活を送るはずだったのに、なぜこんなことになってしまったのか…
私が、赤ちゃんが欲しいと強く願ったばかりに、大きな荷物を背負ってやってくることになったのか…
私はなにか悪いことをしたのだろうか…

いくら考えても、答えは出ません。
でもそうまでして、私たちのもとにやってきてくれた赤ちゃんの命を守るためには、その道のプロである先生方が最善と決めた方針を受け入れるしかありませんでした。

自分たちが出来る限りのことをしてやりたい

もう一度覚悟を決め腹をくくりなおし、わが家に訪れた最大のピンチにみんなで立ち向かう決心をしました。
自宅に帰り、母に話すと動揺を隠せない様子でした。
無理もありません。

私も最初聞いたときは、これからどうすればよいのか…
小学校にあがったばかりの長男を思うと、不安で胸が押しつぶされそうでした。

でも、私たちはやるしかない!
前に進むしか道はない!!

そう思ったら、今後先生に何を言われてももう驚かないという謎の自信がわいてきました。

今思うとあまりに一度にいろんなことがありすぎて、頭の中がショートしていたのかもしれません。

2016.8.24 32週5日


次回は出産予定の病院を受診する予定でしたが、予約が取れたのが少し先だったので、別れの挨拶を交わしたばかりでしたが、その間赤ちゃんの状態が心配だということで、もう一度大学病院を受診しました。

赤ちゃんは2,000gに少し足りないくらいで、変わらず元気であるとのことでした。
これまでの健診は、すべて夫が休みをとって付き添ってくれていましたが、この日だけは、追加で入った受診だったので、初めて一人で病院へ行きました。
最後に私は、主治医に握手を求めました。
赤ちゃんを想ってくれる人たちのパワーをたくさん集めたら、奇跡が起きるような気がしたからです。
先生の手はとてもあたたかかったのを覚えています。

紹介状を受け取り、準備が整いました。
いよいよ次回は県外の病院での診察です!

まとめ

地元の産婦人科を受診した翌日地域の中核病院へ、そして3日目には大学病院まで行ったかと思ったら、今度は県外の病院へ…
いったい自分たちに何が起きているのか。
目まぐるしく変わる状況に、ついていくのがやっとでしたが、それでも赤ちゃんが私たちを選んでやってきてくれたことは、とても嬉しいことで自分が望んでいたことです。

4ケ月に入った頃、私たちは赤ちゃんのことを長男に伝えました。
その時の様子をビデオにおさめていますが、嬉しい報告が出来ることの喜びと、聞いた瞬間の息子の喜ぶ姿は今でも鮮明に覚えています。
幸せな瞬間でした。

翌日クラスのみんなの前で、『発表があります!』
と報告し、行く先々で『ぼく、お兄ちゃんになるの!!』
と赤ちゃんを心待ちにしている長男のためにも、無事に出産することだけを考えていました。

良くない方向にばかり考えることは、お腹の赤ちゃんにとって決して良いことではありません。
思いつめず、出来る限り笑って過ごすことを心掛けました。
長男がいたからこそ、強くあることが出来ました。
これから先も、幾度となく長男の存在に支えられることになります。

そんな長男も4月から中学3年生です。
苦労をかけてしまった分、幸せになってほしいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。


つづく(●'◡'●)





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