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私たちに与えられた試練①


前回のつづき

まずは、はじめての投稿を見て頂きありがとうございました☻

テーマが命にかかわることなので、深刻なことのように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、今書いている私は決して深刻ではなく、とても穏やかな気持ちです。
ずっと、これまで頑張ってきたことを記録に残したい。
そう考えていましたが、こんなにも時間がかかってしまったその訳から、まずはお話しようと思います。

自分が知らなかった世界に一歩足を踏み入れると、そこには想像もしていなかった世界が広がっていました。
大変なのは自分たちだけだではないのだと、すぐに感じとることが出来ました。
はかり知れない苦しみを抱え、家族で乗り越え奇跡を起こしてきた人たちを、たくさん見てきました。

同じ心臓病でも、病状は人それぞれ、家庭環境も様々…
のちに出産をすることになった病院は、心臓外科手術においては全国でも有名な病院でした。
そこには心臓病だけでなく、様々な病気を持つ子供たちがたくさん通っていました。
次男の病気のことがなければ、知らなかった世界。
つらい経験も多かったけれど、それと同時にこの地球上には、病気を抱え闘っている人とその家族がたくさんいる。

大切な家族が病気となれば、不安にならない人はいません。
病名や病気の重さにかかわらず、その大変さを誰かと比べることはしたくない。
と思うようになり、記録を残すことで今頑張っている誰かを傷つけてしまうのではないかと、怖かったのです。

それでも今回noteに書いてみようという思いに至ったのは、在宅ワーク講座を受講した際、ライティングについて学んだからです。
昔から文章を書くことが好きでした。
でもただ好きというだけで、なにか形にしたことはなかったけれど、今なら書ける気がしました。

決して上手な文章ではなくても、経験してきたからこそ書ける文章があると思えたからです。
でも行動できたいちばんの理由は、一緒に学んだ仲間の後押しでした。

はじめての大学病院

2016.7.14 20週6日目

大学病院へ向かう車のなか、私はこれからのことを考え無意識にポロポロと涙が溢れました。
ふと隣を見ると、夫も涙を流していました。
その時の光景は、今も鮮明に覚えていて思い出すと胸が苦しくなります。

夫は滅多なことがない限り、涙を流す人ではありません。
一度だけ涙を見たのは、結婚する時のうれし涙。
今回は悲しい涙です。
私はとても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

はじめて行った大学病院は、市街地から少し離れた坂の上にありました。
受付を済ませて、まずは3階の外来へあがりました。
大学病院ということで、おそらく病状としては重いであろう患者さん達で溢れていました。
自分の不安な気持ちものっかり、私の目にはなんともいえない異様な光景に映りました。
これからここへ通うのだと思うと、とても気が重くなりました。

いよいよ診察

診察をするために通されたのは、外来ではなく入院病棟でした。
しばらくして現れたのは、当時の周産母子センター産科部長でした。
おそらく自分たちより若いであろう先生は、まず一言目にこうおっしゃいました。

『今驚きと不安でいっぱいだと思いますが、決してお母さんのせいではありません。』

胎児に異常があることが分かると、たいていの母親は自分を責めるそうです。私もそうでした。
でもその一言で、張りつめていた気持ちが一瞬フッと緩み、私は救われた気がしました。
私のせいじゃなかったんだ…

問診をしながら、エコーで1時間半くらいかけて診てくださいました。
同じところを何度も何度も、繰り返し診ていました。

診察が終わり、結果をまとめる時間が欲しいと言われ、私たちは食堂で食事をとったと記憶していますが、何を食べたかまでは思い出せませんでした^^;

診察の結果

約束の時間になり病棟へ上がると、別室に案内され5枚に渡る報告書の説明を受けました。

私たちは大学病院へ行く前に、地元の病院で先生に言われたワードをもとに、検索しひとつの病名にたどり着いていました。
でも私たちがたどり着いた病名は、調べれば調べるほど怖ろしいもので、先生の口からこの病名が出ることだけは避けたいと願っていました。

説明はみっちり2時間。
とても丁寧な説明で、色鉛筆を使い分かりやすく心臓の状態を絵に描き、誠意をもって伝えてくださいました。
そして先生の口からは、私たちなりに調べてたどり着いたあの病名が出てきました。私たちはショックを隠せませんでしたが、あくまでも可能性で、まだはっきりと診断はくだされませんでした。

長男を産んだ時は、特に問題なく過ごしていたので、妊婦健診へ行ってもエコー検査は5分程度。
毎回もうちょっと赤ちゃんの様子をみたいなぁと、物足りなさを感じていました。
ですが今回の妊娠では、毎回1時間半かけてのエコー検査を、1週間から10日に1回のペースで受けることになりました。

診察を終えた私たちは、無事に終わった安堵感と同時に、告げられた病気の重さにドーンと肩になにかがのったような気持ちになりました。エコー検査にかける時間、説明にかける時間だけをとってみても、ただ事ではないことが分かります。

会計を終えたのは、16時半…
帰り着くのは18時ごろになるので、近くに住む友人に長男のお迎えを頼みました。

長い長い一日となりました。



つづく(●'◡'●)




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