231227 あなたは完璧で究極のアイドル

12/24、QuizKnockのイベントに参戦してきた。
イベント現地はTDC以来二度目、自分でチケを掴んだのは初めてのイベントになる。
イベント会場で見た内容については備忘録としてまた別で自分用に書こうと思うのだが、何よりも先に人に伝えたい出来事があった。

2部、いわゆる夜の部の会場入りした私は、自分の席に驚愕した。一階席、9列、28番。きっと一生忘れることのない奇跡の番号だ。まず前すぎる、座席が。「近すぎかも……!?」って声に出して七回くらい言ったし、Twitter見返したら三回ツイートしてた。しかも真ん中あたりのめちゃくちゃ見やすい位置。チケットの引きが強すぎる、サンタさんありがとうと存在しない偶像に感謝を述べていた。一人で。不審者かもしれない。
1部の参加時点で、登壇時の客降りがあることは把握していた。まさかの、彼らが通る通路のすぐ近くの座席なわけだ、私は心を躍らせていた。私は推しに認知されたいわけではないが、推しに「推されてるんだぞ」という気持ちを受け止めて欲しい気持ちがすごくあったから。
通路席でメンバーが通るのを眺めながら楽しみにしていたけど、残念ながら時間の都合で最推し須貝駿貴が私の近くを通ることはなかった。私は割とこの時点ですっぱりと、諦めの感情が湧いていた。
客降りやファンサに過度な期待は御法度だと思っている。期待しすぎて過激ファンになってはいけないと思うし、私としても絶対になりたくないので、大人しく楽しもうと席に座り直した。通りかかった河村さんの遠目でわかる顔の良さに感動したりもした。

QuizKnockの有観客イベントでは応援ボードが許可されていて、周りの観客は大人しく見ているものもいれば応援うちわ、ボード、サイリウムと様々なグッズを掲げているものもいた。「ファンサして」「ハートして」といった類のものだ。私は応援ボードやうちわの文化のあるジャンルにいたことがなかったので、私に出せるものは愛と情熱を込めた痛バだけだなと思い、ずっと膝に抱えていた。
前回のTDCのイベントにド被りしたコラボカフェに何度も趣き、グッズを買い漁りランダムガチャを回し、数えきれないほどの交換をしてようやく作ったものだ。缶バッチ5×3の、本当にささやかなものだが、私が生まれて初めて作った痛バというやつだった。これを作るに至ったのも、最推しである須貝駿貴の発言によるものだった。「俺の缶バッチで痛バとか作ってください」、その言葉を真に受けて、ここまで頑張って作った。お金も時間もたくさん使った、私の彼への愛の結晶だ。けれど、真剣にイベントを楽しんでいる推したちの邪魔をしたくない気持ちが強く、公演中に掲げることはほとんどしなかった。

問題はここからだ(ここで言う問題はproblemでなくmatter)
2部の最後、伊沢拓司の代表ご挨拶も終わりメンバーを見送る時間になった。ここまで須貝さんは1部から通してず〜っとファンサをしていて、私の目にはまるでアイドルか何かのように映っていた。須貝さんはアイドルオタクだから、ファンサを受け慣れているのもあって「何をすればオタクが喜ぶのか」をしっかりと理解しているように思えた。何も気にする必要がなくなったので、痛バを必死に掲げて須貝さんを見ていた。楽しませてくれてありがとうと笑顔になりながら、じっと見つめていた。
その時、彼と目があった。
マジ?と思った。別の人を見ているはずだとも思った。けれど、度々フォロワーと「ファンサは受けたと信じ得」と話していたので、私のだ!と思い直した。のだが、須貝さんは更に、片手で丸を作って、すっと横にスライドさせるような動作をした。缶バッチのことだ、とすぐにわかった。そのうえ、私の確認範囲で、私の席の縦列に痛バ持ちはいなかったように思う。あればきっと、私の痛バのことを指していて、とぐるぐる考え始めた瞬間、須貝さんは私を指差して「ほお〜」みたいなことを言った。
こんなにも最大級のファンサービス、ある?と信じられなくなり、正直退場するまで混乱が止まらなかった。須貝さんが信じられないほど目がいいのは、過去の動画やイベントで知っている。見ていた。見ていなくても、見ていたことにする。私を見ていたと信じることは、私の自由だ。
私はツイートもしたし、フォロワーさんに会った途端に泣いたし、めちゃくちゃになった。ただ私は須貝駿貴そのひとの事が好きなだけなのに、勝手に愛を返された気分になった。

フォロワーさんに迷惑なくらい、2部の最後で起きた話を繰り返しながら翌日になった。感想会やオタ活をしようとフォロワーさん数名で集まり話していた時、最推しからの追撃を喰らった。
QuizKnockは最近、有料会員コミュニティを作った。そこで毎日のようにメンバーがブログを更新してくれていてオタクとしてはありがたい限りだったのだが、須貝さんの更新があって同担で集まっていた我々は湧いた。
そこに書かれていたのは、須貝さんのイベントの感想と、応援グッズを作ってきた人々への感謝と、そして、創作することに対しての思慮深い考えだった。
私は、読んで『マジ』で泣いた。マジで涙を流した。ボロボロ泣いた。

ただ、演者が「後ろまで見てるよ〜!」と言うのは簡単だ。「見る」ことは視力のある人間であれば誰でも言える。遠くの方に何かいるな〜とかだけで「見た」ことになるし、口だけで見たことにできてしまう。
須貝さんは凄かった。本当に見ていた。「この辺にいたこのボード」と別のオタクの応援アイテムについて言及した。そんなことしていいの?と驚いたよ。本当にええんか?
しかもそれだけでなく、「応援グッズを作ることの大変さや難しさ」にまで言及した。しかも結構リアリティを持った言葉で、彼の思いが語られていた。これは、簡単にできることではない。
ただありがとうだけじゃなかった。有料記事だから流石に引用はしないけど、相手の立場に立って、評価して、創作を完遂する難しさを考えた上で、ブログという誰にでも(有料会員限定だが)見れる場所に掲載してくれた。「相手の立場になって考える」というのは口だけではとても簡単だが、実際すごく難しい。自分の知らないことは知らないから、すごく考えてくださったんだなというのが簡単に分かった。
全ての人間が同じ意見になることは不可能だから、きっとこの須貝さんのブログ記事も批判があったと思う。応援アイテム作ってない人が可哀想とか言及されなかった人がとか羨む声も出ると思う。それでも、須貝さんがこうして感謝を述べてくれたことは変わりない事実だ。彼は見ていた。全部見ていた。

実際この一連の流れで、「(QuizKnockとは全く関係ないものだが)創作をしていて良かった」と本心から思った。何かを作ることの狂気じみたその感覚を、認められたような気がした。それで、「これから先も創作をする」と決めたし、「我々からの愛情を受け止めて、その上で返してくれる須貝駿貴という男を心の底から推していこう」と思った。
未来は不確定だが、彼を心の底から愛したという事実は変わらない。いつか彼を推さなくなっても、彼が大好きだって思った気持ちと過去は消えるはずがないのだ。

私はあの弾けるような笑顔でいて、知性にあふれたナイスガイの須貝が大好きだ。

須貝駿貴をQuizKnockに誘ってくれてありがとう、田村正資

持って行った痛バ

有料記事に言及しているため、何か問題があればすぐに削除いたします。

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