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歌ヲ聞キ乍樗堂一茶両吟/降雪にの巻

En écoutant la chanson......
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 蓑干すおとこ躑躅おり焚
五六俵茶を積下す春の霜        一茶

名オ一句、俵茶を仕入れ、これより名残りの懐紙に。

     〇

五六 ご・ろく、これはまた豪気。(語呂合わせですから、、、)

俵 たはら。一二、五六俵。

茶を ちゃ・を、俵に詰めた茶、俵茶を。

積下ろす つみおろす、荷車積んだ荷を下ろす。(=商品を卸す)

春の霜 はる・の・しも、季は春、(こいつは春から縁起がいい)

     〇

 みのほす をとこ つゝじおりたく

ごろくひやうちやをつみおろす/ はるのしも

前句を茶店と見定め「茶を積下ろす」と付け、商機の到来を告げ、名残り懐紙一句が詠まれていたのです。

     〇

俳諧の連句に

紫陽草や藪を小庭の別座鋪       芭蕉
 よき雨あひに作る茶俵        子珊

「別座鋪」発句、脇。

と。

     〇

俵茶は、今では碁石茶などの運搬用として残るくらいで、多くは茶箱に代わりました。それでも、縁起物として干菓子などに形が残されているようです。

31.10.2023.Masafumi.

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