NHK「WDRプロジェクト」落選後のひとり反省会②

※「これまで公募に比べ、このプロジェクトが何を求めているかが明確だと思い、心に火がついた」からの続きです。

WDRのオフィシャルサイトやこのプロジェクトに関するインタビュー記事を読むにつれ、今回は作家性や独創的なアイディアを求めているというよりかは、いくつものヒントが明示されているのだから、若干クライアントワーク寄りのアプローチで、その条件・要素を満たすものを書き下ろせれば、とりあえず第一次選考は突破出来るのではないかと思った。

また、

・「海外ドラマを見て、何が日本のドラマと違うのかをしっかり分析した上で書いてほしい」
・「意識しているのは『ブレイキング・バッド』」

というインタビュー記事を読んで、「これは暗にこれまでの日本のドラマの文脈からは外れたものを作りたいのではないか?」と推測しつつ、また、自分も『ブレイキング・バッド』が大好きだったし、どちらかと言えば海外ドラマを見ることが多い自分のような人間の方が、(脳内視聴履歴も似ているだろうし)有利なのではないか、と都合よく勝手に思ってしまった。

そして

「オリジナル作品を求めているので、台詞、構成力、キャラクター(を重視する)」
「イッキ見したくなるほど夢中になる、そんなシリーズドラマの脚本開発を目指す」
「純粋に続きが気になる中毒性を強化したものを作りたい」

という記載もあったことから、課題の15ページの中に入れ込むべき要素・条件を整理してリストアップした。

1・冒頭から掴みを入れつつ、続きが気になるところで終わらせる「構成力」を見せること
2・メッセージ性(テーマ性)がありつつも「続きが気になる!」と思わせるエンタメ性を両立させること
3・ステイクを高めるために、登場人物を次々にさらなる危機的状況へと追い込んでいくこと
 →そのためには、やはり”命のやり取り”があるような状況を設定した方がいいのではないか?
4・ステイクとは異なる「もう一つの物語のエンジン」である、主人公たちの目標設定を明示すること
5・キャラクターの魅力(プラスorマイナス)を説得力をもって描くこと
6・さらに、キャラクター造形においてはステレオタイプからの脱却を心がけること
7・極力、”説明セリフ”を排除すること(こちらについては後述)

そして、何よりも「これをこのままシリーズ化したい!」と彼らに思ってもらえれば、更に選抜される可能性が高まるのではないかと思ったので、15ページとはいえスケールを感じさせる「大きな主題」「壮大な野望」「異常な力を持った敵(を予想させるもの)」をストーリーに入れ込もうと思った。

(続く)

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