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ライブとは盆踊りのようなものかも知れない

ライブに行ってきた

推しYouTuberのおるたなchannelでも活躍するTiga氏がメンバーであり、KEY-K氏がDJを務めるMiiakiisのワンマンライブに行ってきたので、ちょっとその感想を。

このワンマンライブはツアーの一環で、唯一参戦できたのが大阪公演でした。
ちなみにMiiakiisのライブは2023年夏に続いて2度目で、私はライブ慣れしていないタイプの人間です。

最近「推し」コンテンツと身体性について考えることが多かったので、本記事は主にその視点からの感想になります。


自分と周囲の身体に注目してみた

私がいたのはVIP席のほぼ最後方、上手側の端。
ライブハウスにおいて隅っこってあまりいい場所じゃないようにも思えるかも知れませんが、個人的にはこの位置取りが今回の体験の重要なキーになっていたように思います。
フロアがよく見えるのです。

私を含め、端にいる人はどちらかというとライブ慣れしていないタイプの人が多かったように感じます。
ライブ序盤は何となく動きも固く、声を出すのにも躊躇があったように感じます。(私も……)

それが徐々に柔らかくなっていって、中盤以降はみんな気持ちよく揺れていたように見えました。
「みんなお金を払って楽しみに来ているんだから、初めての人も常連の人も平等に楽しんでいって」というような呼びかけ(それを言ったのはTigaさんだったかな?)が一つのきっかけになっていたのでは。

不思議な没入感があって細かいことを全然覚えていないのですが、ライブの気持ち良さは自分が音に乗っていれば得られるものではなくて、周囲との一体感にあるのだなというのを、身をもって体感したライブでした。


なんか輪踊りと似ていた

こういう没入感や一体感は前にも体験したことがありますが、それはライブやコンサートではなく、一度だけとある輪踊りに参加した経験でした。
詳しいことを話すと脱線しまくるので、ひとまず盆踊りみたいなものと思っていただければ良いかと。

もちろん今回はライブなので輪になっているわけではないのですが、ステージを中心とした円形構造に錯覚するような瞬間がありました。

それは位置取りのせいもあって、私が端っこにいたために会場全体が円形を分割した扇型のようにも見えていたのだと思います。

けれどそれだけではなく、しなやかに盛り上がっていく感覚が円形運動を思わせるものがあったようにも感じます。

そう、まるで渦みたいな盛り上がり方をしていたんです。
これって言葉で説明するのは難しいのですが、現場にいた方は頷ける方もいるのでは。


何を中心に踊っていたのか

いわずもがな、盆踊りとは宗教行事なわけですが、輪になって踊るようになったのは古神道の影響があるそうです。
真ん中に神の依り代である柱を立てていた名残りだとか。

「聖地巡礼」「信者」といった表現に代表される通り、推し活を宗教に例える言い方がいろいろありますが、少なくともこのライブにおける柱は演者さん自身ではないと思っています。
演者さんたちはむしろ盆踊りにおける音頭取りに近いのでは。

なぜそう思うかは今回のツアーのテーマである「ERROR」も関係しています。
これについてはまた別の記事で語れたらと思っていますが……

上で引用した記事にも生者同士の魂の交流としての「生き盆」への言及がありますが、むしろそっちに近かったのではないかと思います。


ハレの日

半ば強引にライブを盆踊りに例えてきましたが、そういう印象があったのは日常から切り離された時間としての非日常、つまりはハレであるという印象からも来ています。

これもうろ覚えなのですが、TigaさんのMCの中で「仕事も家事も育児も忘れて楽しもう」という言葉や、ライブをファンに提供する「非日常」とするような発言がありました。

ハレとケという概念があったかはともかく、かなり意識的に日常から隔絶された時間が演出されていたとも言えます。
まさに祭りだったわけです。


妄言なので

以上は私個人の経験やら主観から語っているので、これから参加する人の先入観になってほしくはないと思います。当たり前だけどそんなことを考えなくても没入して楽しめるので。

それから、こういう印象というのは「非日常」と「日常」の対比がよく計算されたライブであればおそらく喚起されうるもので、それほど特別なものではないのかも知れません。ライブ慣れしていない人間の妄言だと思って、「そんな見方もあるのかー」くらいに読み流していただければ嬉しいです。



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