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JOPT 2023 Tokyo #02 NLH Main Event / Day 1C Tokyo

【手負いの獣編】
如何にしてJOPTメインとタッグ戦を両立するかという難題を自ら背負ってしまい苦悩した前夜、穢れなき心で「19時迄に40万点貯めればいいんでしょ作戦」を着想し、鼻息荒く竹芝に着いた7/16のDay 1C

40万点なんてそう簡単に貯まるもんじゃないがスプリンター賞が成り立っている以上、40万点は不可能じゃない。やるしかない。
いつもの大型大会向けの安定感モードじゃダメだ。ここは狩って狩って狩りまくるビーストモードに設定変更して臨むべきだ。
ビーストモードである以上、アドオンなんか不要だ。欲しいチップは卓の奴から奪えばいい。逆にアドオンなんかしちゃったらハングリーさが減る。という脳筋思考により、2チケットを使って20,000点スタート。

1stブレイクの時点では32,700点で、成長率は160%と悪くない。

この頃、運営の人に声を掛けられ、近くの卓に座ってるゲンガー帽子を被ってるヤギ君と一緒に、ベストドレッサー賞を授与したいのだが、受けて貰えるか?との打診。
おお、それ来るんだ?と正直驚いた。毎回同じミミッキュ戦闘服の僕には与えづらいだろうけど、複数のポケモンコスプレの集合体で合わせ技ならいけるらしい笑
ヤギ君と記念撮影などしながら、一時和やかなビースト。特典でGGのオリジナルTシャツをいただきました!ありがとうございます!

そんなこんなで45,000点程まで増やしていた14時26分、重要ハンド(No.1)が配られた。
UTGからJJでオープンすると、BTNから歴古そうなナイスミドルから3betが来た。これまでの分析から、彼はガチ系だ。僕のUTGオープンの意味を分かった上でレイズしてる。JJより上のポケットか、AxだとしてもAQ+だろう。だが、ここで日和ったらビーストモードの意味がない。ぶつかろう!AKだとしたら勝ち目はある。
そう腹をくくって、4betレイズ。相手はちょっと考えて、5betのオールイン。
来るね、ざわざわ来るね。
僕もオールインして、お互いのハンドをショウ。
案の定、QQが出てきた。

勝率通りのJJ < QQによって、残りスタックは11,000点まで減った。それはビースト的にやむなし。時刻はまだ14時半だ。19時まで4.5時間。まだまだイケる。

直後にKKが来てダブルアップを期待するも、オープンにBBがコールするのみ。フロップセット引いて嵌めチェック。ターンでフルるも、ベットにコールもらえず。収穫は微々たるものだっだ。

それから1時間が過ぎた辺り、UTGオープンがいる時に重要ハンド(No.2)のTTが来て3betレイズ。相手は僕のスタックが1万数千点であることを確認すると、レイズオールイン。僕もコール。
TT > AQo
にてダブルアップをして、4万点弱まで増やした。時刻は15時30分、残り時間3.5時間。

しかしそうそう都合よくスタック激増の場面は訪れず、2ndブレイク時には38,600点。時刻は16時20分ころ。時間は経つがスタックは増えていかないのがとてもよろしくない。

そう言えば、14時すぎ頃だったかな。1番シートに他テーブルから移動してきたのが若いイケメンの兄ちゃん。僕のイメージする牛若丸みたいな感じだったな。牛若丸と呼ぼう。
牛若丸は15万点以上を持って移動してきた。弾けてるね。
だが、この時間帯での大量スタックにはそれなりの根拠があったようで、アグレッションが異常に高い。やっぱこの時点で3万点前後のプレイヤーにとっては、テーブルチップリから頻繁にレイズされると飛びを恐れて縮こまっちゃうよね。
刈りたい放題に牛若丸は刈り始めた。

また、3番シートには中南米系の外国プレイヤーが着座。眼光の鋭いマイケル・ペーニャな感じ。よし、お前は今からペーニャだ。
ペーニャはこのタイミングでのエントリーで、20,000点スタート。
意外にペーニャは結構上手くて、さりげなくチップを増やしていき、減らす時もサッと降りてあんまり減らさない。
厄介な奴らが揃ってきて、ビーストモードも空転してて、夢の40万点プランも雲行きが怪しくなってきていた。

牛若丸は一時20万点超えてんなってくらいに増やしてはいたものの、当然そんなにハンド入るのか疑惑もあり、周りも機会を狙っていたんだろうな。
牛若丸はリバーでオールイン要求のベットをよく打ってたが、ある時、7番シート辺りのプレイヤーがAのワンペア(だったかな?)で決意のオールインコール。案の定、牛若丸のハンドはドブラフで、それを機に他のプレイヤーも牛若丸のベットやレイズにコールするようになっていった。
牛若丸はみるみるチップを減らしていき、気がつくと6万点位。再び誰かが牛若丸からチップを奪い、遂には3万点弱程まで減ってしまった。
「彼は今どんな精神状態かな。あの減ったスタック量で今からプレイスタイル取り戻せんのかな」なんて思っていた矢先、重要ハンド(No.3)がやって来た。

僕自身の時系列でいうと、2ndブレイク後、AQを潜ってトリップス引いて大量チップ奪ったりして、16時55分の時点では75,000点にまで増えていた。

その後、17時に86oでUTGのKKとなぜか対決してて(今ここでやることじゃないだろ!笑) 、20,000点程を失って17時20分ころには57,000点位のスタック量。

Level.8で、BBは1,000点。
3番シートのペーニャがUTG+1から2,200点にオープンレイズ。他は降りて、SBの僕のハンドは重要ハンド(No.3)のAKoだった。
「いい勝負ハンドが来てくれた。ぱっと見、ペーニャと僕は同じくらいのスタック量っぽい。ぶつかりたい!でも57BBもあると、いきなりのプリフロオールインは逃げられるに決まってる。どうやってオールインまで引き摺り込むか。
そう言えば、BBの牛若丸はついさっき3万点弱まで減らしてる。きっと内心焼けてる部分もあるだろう。もうこのトーナメントへの興味も失せて、投げやりになってるんじゃないかな?あり得るよね。ここで僕が強さを見せなければ、これまでの彼のスタイルからすると被せオールインしてくるかも。するんじゃないかな。いきなりの30BB弱PFAIとか気にしないでしょ。するとペーニャはどうするか。UTG+1というポジション的にも強そうな感じするし、3万弱はコールするでしょ。そこに57,000点のオールインならサイズ的にも普通だし、降りられんじゃろ。よし、このシナリオなら具現化しそうだ」というストーリーをまとめ上げるのに1200㍉秒を費やし、SBから渋々コールのていで2,200点を出す。
直後、牛若丸が想定通りのオールイン!
「いいぞいいぞ。ペーニャ降りるなよ」と思いながら、「うわマジかよ」みたいなうんざりした表情でペーニャを視界の端に残しつつ、顔は牛若丸に向ける。チップ量を数えている風。するとペーニャはいきなりのオールイン!
「ウホ、ワンステップ省略してくれたのね!いいよそーゆーの!」って思いながら、元気良くオールイン!
他の同卓者もまさか一寸先は闇とばかりの突然の3wayオールインにざわつく。
牛若丸のハンドは87o。まぁエニハンで入れてるんだもんな。そんな感じが来ると思ったよ。
ペーニャのハンドはKJoか。99くらい持ってるかと思ったけど、それで58BBオールインかますとか冗談だろ?
結果はQ5454でAハイの勝ち。
ペーニャは僕より数百点多いだけで同程度のスタック量。
ダブルアップ+3万点弱くらいに成長!
よし!ギリギリ間に合う可能性が出てきた!
その次のハンド、数百点残ったチップをペーニャがUTGオールインしてきて、僕にはQQが配られていた。
ちょびレイズしても誰もコール得られず。
ペーニャも飛ばして、この時点でのスタックは14.5万点くらいになっていた。時刻は17時23分で、残り1.5時間。あと25万点稼げば目標までいける。弾けるか飛ぶかのビーストモードが本領発揮するのはこっからだぜ!


【配信卓編】
と、一気に戦闘モードに突入した直後、フロアから呼びかけられ、まさかまさかのフィーチャーテーブルへの移動を指示される。。
「え?え?え?」と狼狽。
い:「配信してる?」
べ:「してます」

どうしよう。
ビーストモードは、普段なら捨てるようなゴミハンドも積極的に活用して、見えないツーペアやストレートを作ってプレミアハンドを割るのも含まれる穢れた闇仕事だ。毎回相手がプレミア持ってる訳じゃないし、分母としてゴミハンドでの参加回数は大前提として高くならざるを得ない。絡まない時は遠慮なくゴミハンドをマックすればよいが、そんなので参加していることは相手には分からない。ハンドが分かるのはショウした時だけだ。そのショウの時はオールインまで持ち込んでいるので、相手からすれば一期一会のゴミハンドだ。だから成り立つ。
その一部始終を、配信卓でやれと?
しかもYouTubeの配信アーカイブで後々まで残るぞ?
JOPTというブランドの品格に傷をつけないか?
そんなことが頭をぐるぐるしてる困惑状態で、配信卓へと移動した。

見られても今後に影響しないという制約の中で1.5時間以内に「夢の40万点到達する」か「分かりみのあるハンドで綺麗に飛ぶ」かという新たな問題が発生。辛すぎる。

カタカタ震えながら配信卓で同卓者に挨拶をして平静を装う。
自分に取れる選択肢は何だろう?
 No.1 起こりうるすべてを受け入れてビーストモード徹底継続案
 No.2 19時にさも当然のように離席して、置きスタックで実質的に放棄案
 No.3 今から会場で知り合いの単独プレイヤーを探して、パートナーと代理でタッグを組んでもらう案
 No.4 毒をあおってタヒぬ
辺りだろうか。
No.3は絶対に無い。これだけは無い。パートナーは浴衣姿で参戦するんだぞ。それをその辺のモブがタッグだと?あり得る訳ねー!
No.4も微妙な案だ。浴衣姿を見る前にタヒんだら自分だけ得るもの無しじゃねーか!タヒねない!俺は生きるぞ!
No.2はどうだろう?ポーカープレイヤーとしての何か大切なものを失う気がする。国内最大ブランドのJOPTメインだぞ?いつか優勝トロフィーという忘れ物を取りに行かなきゃいけないのに、14万点をチップ放棄?本末転倒だろ!今後、どの面下げてサテライトに出るよ?これも無い。
となると、結局ビーストモード継続しかないんだろうな。。
17時30分からしばらくの間、何をしてたかよく覚えていない。
パートナーは18時過ぎに会場に到達するとのこと。時間が無い。それまでに方針を決めねば。
この時点では既に配信されていたので後でアーカイブを振り返れるのだが、何やらぶつぶつ独り言を呟いたり、しかめ面してるのが散見される。明らかに困惑している笑

あっという間に30分は過ぎ、とうとう会場にやってきたパートナーの姿が配信卓から遠目に見えた。
「あれが浴衣姿の現物か。神々しい…」
本来ならこれくらいの時間帯には40万点か飛んだかがはっきりして、2階で一緒にご飯食べながらタッグ戦の相談とかしてるはずなのに、今はどうしていいかウジウジ悩んでいる。情けない。
パートナーと会って、やむなく事情を話し、とりあえず2階で独りで腹ごしらえをしてもらうことに。本当に最低だ。

天啓か?19時までのどこかのタイミングでふと着想が湧いた。
昔はともかく、今のタッグ戦のルールは、パートナーとの交代のタイミングは自由だったはず。レベル毎にメンバーが変わったのは初回開催の時だ。今は違う。
ということは、エントリー時は二人一緒が必要だが、実際に卓に着座したら最初の2時間半を片方のメンバーがプレイし続けてもルール的には問題無いはず。最終的にどこかでもう一人がプレイする実績があればいいんだろう。
パートナーもポーカーが好きでやりたくて来てるのだから2時間半のソロプレイも許容してもらえるのでは?寧ろキモいおっさんと交代しながらよりも長く専念できて喜んでくれるかも?

 No.5 最初の2時間半はソロプレイで頑張ってもらう。飛ぶかday1通過し次第、僕が合流する案
は悪くない気がしてきた。最高に美しくはないが、意外とベターかも。
ご飯食べて戻って来たパートナーにこの案を打診し、ご承諾をいただく。女神や。
ということで、急ぎ一緒にエントリーを済ませ、タッグ戦の卓に着座。同卓者を見回して不審者がいないことを確認してから、僕は配信卓に戻る。幸い配信卓から見える場所だ。いいぞいいぞ。

この精神的な混乱を乗り越え、19時30分頃からは落ち着いてメインのトーナメントに集中することができた。
障害が解消されれば思いっきり集中できる。ポーカーが楽しい!
ビーストモード設定は解除して、21時30分頃のはずのday1通過タイミングまで慎重に慎重にプレイをする。
変なドローなんか追いかけない。正統派のプレイで安定的にスタックを増やしていくぞ。

配信卓での話を少ししよう。何人かプレイヤーの入れ替わりはありつつも、下記のメンツでの時間がそこそこ長かった。
1:アンノウン(KIM)
2:アンノウン(FUKU)
3:ちゃまさん
4:yuta君
5:beef君
6:いずも
7:アンノウン(ゴルおじさん)
8:ぷりんちゃん
という顔ぶれ。まさか配信卓でyuta君と同卓するとは思わなかった笑
僕は4席、5席、8席のプレイヤーとは同卓経験があって、それなりにプレイスタイルの情報はある。この3人も僕についてはある程度のイメージは持ってるはず。

テーブル着座時はぷりんちゃんがチップリだったけど、その後伸び悩み傾向。対して、beef君、yuta君、ゴルおじさんがスタックを増やしていく展開。僕は15万点弱で着座し、このテーブルでは3番目位。大きく増やすこともないが、大きく減らすこともない感じで、終始3番目〜4番目辺りに位置していた。
プレミアが頻繁に入らなかったこともあるが、プレミアハンドが来ても、ある程度僕の通常スタイルを把握している人がいるので、レイズすると逃げられてスチールで終わってしまう感じ。この辺はイメージコントロールでバリューの為の種蒔きをしたい気もあるが、Day 1通過まで残り2時間で、卓内上位3位に入ってる状況ですることでは無いと判断して、そのイメージのままプレイをしていた。タッグ戦の件がこうやって成立した以上、今は寧ろDay 1を安定的に通過することこそ最優先事項。その方が絶対にカッコいいじゃん!

前にメイン準優勝だった時は会場が竹芝に移って1回目だったせいか、確かRFIDを使った配信はしてなかったんだよね。なので、今回は実況と解説付きでハンド履歴が残るのはとても嬉しい。まだ所詮Day 1なのでそんなにシリアスな判断を求められる場面も少なかったけど、自分的にこれはナイスプレーかなと思っていたやり取りを後になって振り返り答え合わせができるのは嬉しかった。憑き物が取れて落ち着きを取り戻した僕は、129,000点で、無事にDay 1Cを通過した。

一年ぶりのメインDay 1通過。スタック量は増えなかったけど、飛ぶよりは全然良い。
一つ目の大仕事を終えて、僕はパートナーの元へ走りゆく。
今日の二つ目の大仕事は、パートナーと一緒にタッグ戦を思い切り楽しむことだ!

タッグ戦に続く

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