RPGに役立つ・背負い袋にこの一冊!第四回

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※2003~2006年に雑誌『RPGemer』に掲載された記事です。


第四回:「『密偵ファルコ』シリーズ 白銀の誓い」

 ~色々な雰囲気【ノリ】を使いこなそう~

(本のデーター)
「白銀の誓い」(原題:THE SILVER PIGS)
リンゼイ・ディヴィス 著 / 伊藤和子 訳
光文社 発行 文庫版648円+税
(※データは掲載当時のものです)

ガメラとゴジラ――どっちが好き?

 こんにちは、謎のメカ侍・伊豆平成です。
 またしても唐突な冒頭の質問ですが、私は今(平成版)も昔(昭和版)も、断然ガメラ好きです。なぜかって? それはあいつ(特に平成版)がハードボイルドだから――。
 「己の信念に基づいて宿敵を追いつめようとした結果、官憲を敵に回してしまう」とか「唯一心を許した女を守ろうと命をかける」とか「別れた女のため、たった一人、不敵な笑みを浮かべて強大な敵に挑んでいく――その背中のカッコ良さ」などなど……端々に、ハードボイルドな雰囲気を感じるのです。
 歴とした怪獣映画なのに、なぜかあの巨大なガメラが、ニューヨークかどこかのタフな私立探偵に見えてきてしまう。それが私の錯覚なのか、作り手側の意図したことなのかは定かではありませんが……。
 てなわけで今回は、RPGにおいて非常に大事な「雰囲気の作り方」のお手本になる、歴史ミステリーの傑作、『密偵ファルコ 白銀の誓い』です。


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