嬉しい感想文

 森とーまさんが拙著『PATRONE』と続刊『仮面の少女』を読んでいると聞いてドキドキしていたのだが、昨日、感想が投稿されていたので恐る恐る読み進んでみました。
 あ、これです。

 面白いと言ってくれるだけでありがたいのですが、感想のところどころに「そうなんですよ! そういうこと考えてたんです! 読むときに全員にわかってもらう必要はないけど、こだわってたとこなんです」というポイントを色々と楽しんでもらえたようで、それがもう嬉しくて。

 私も『指輪物語』は物凄く好きなんだけど、パイプ草について延々と語られても「そこがいいんじゃん」とは言いにくくて「薦めるとき辛いよなあ~」と思うタイプなので、基本方針は「たとえ世界設定で決めてあっても、お話に関係ない(もしくは物語を楽しんでもらう助けにならない)ものは書かない」として書いていました。まあ、面倒くさがりなのでどこまでもきっちりと決めているわけではないのですが、後付けするときには矛盾しないように頑張る――というのにも注意しています。
 プロットやシノプシスに関しても似ていて、かなりきっちり詰めておくけれど、もっといい手が見つかったら書きながら変更する――というスタイルで書いていました。全く決めずに書くのは私には無理です(超時空薄幸児童救済基金は、わりと細かいことはその場で決めていきますが)。だけど、決めておいたことを変えるのは平気でします。この辺は、森さんが指摘しているTRPGにとても近く、長年この遊びをしていたところが出ているのかなあと自分でも思います。

 キャラクターに関しては、負けないし失敗もしない、他の登場人物が誰も太刀打ち出来ない――みたいなのがどうも苦手で、悩みながらなんとかかんとか勝ちをもぎ取るタイプが好きです。もちろん秀でたところがないと悲しいから、ここは人に負けないっ、という部分をどううまく使いこなすか……みたいなとこに凝りたいわけですが。

 それと、このお話でまずやりたかったことはまさに「ファンタジーで、その世界のルールを説明した上で、その範囲でミステリーをやる」ということでした。まあ、ミステリーというよりファンタジーで捕物帖をやりたかったわけですけれど。捕物帖も、江戸時代のルールがわかってないと推理できないですよね、あの感覚。
 ですので、森さんがそこを楽しんで読んでくれているのが、やたら嬉しかったわけです。しかも、「あと3作くらい続けば」の部分もまさにおっしゃる通り。「推理ものをやるためのキャラクター登場話」を書いて、ようやく「彼らが活躍する話」をひとつ書いて、それで終わってしまったので……。

 だから未練たらたらで、「続きは無理だけどワイリーのお話ならいいよ」ということで書かせてもらった『怪盗ワイリーと砂漠の国の王女』には、先の二冊を読んでいる人だけがわかるネタが満載だったりします。あれだけを読んだ人は、ちょっと不満に思うかも……。

 というわけで……。
 とりとめもなく、ただただ「感想嬉しいよ~」ということをダダ漏れしただけなので、とりとめもなく終了します。


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