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イーデスブックス誕生前夜の思い出

※下書き状態で一年も忘れていた記事です。スミマセン。一年分遡って読んでください。

一年経って振り返ると、本当にイーデスブックスは立派になったなあ。夜食さんすごく頑張ったなあ、とアツがムネムネですわ。


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そろそろ当事者がこぞって忘れそうになってるので記録しておく。
自慢でもなんでもないが、僕は現在飛ぶ鳥を落とす勢いの新興電書レーベル「イーデスブックス」の誕生に立ち会ったと言える。


事の始まりは今年の春まだ浅い頃。
まだイーデスブックスが生まれる前。

主宰の夜食さんがある日、アルファポリスのインセンティブが少ないとボヤいているのを僕が見かけて、

東雲「夜食さん、あんなに実弾(作品数)あるんだから、電書出しちゃえばいいじゃん」

的な事を言ったんです。たしか。
その頃僕は、周囲に電書を出している人もいくらかいて、自分自身も既に電書を出していて、その手軽さを知ってました。

だから、気軽に出して多少なりとも印税稼げば、ミジンコの涙程度かつ日々目減りしていくアルファポリスのインセンティブなんかよりは、いくぶんマシだと思ったのです。

あんた、ミジンコの涙を気に病むぐらいなら、手元の大量の作品群を電書化してもうちょっと稼げるぜ、娘さんマンガ家でしょ、アルファの表紙とか書いてもらってたやん、と悪魔のささやきならぬ、海産物のささやきをしてしまったのです。

それもそうかと気軽に着手してしまった夜食さん。
さすがです。このフットワークの軽さこそ、彼が脳味噌トロけただけのおっさんではなく、昔超優秀だったおっさんがトロけた状態だと感じさせるものがあるのです。

さて、気の毒な話だが、当時5000円で表紙描いてと言われて、僕は断ったんですよ。さすがに当時はまだ書籍のジャケに幻想を抱いていたので、雑な仕事をしたくなかったんですね。

その直前に僕は、寝る犬先生の出世作「転移世界のトラック神と、ひかれたようじょ」の膨大な作業を終えたばかりで、クオリティ重視のスタンスだったからです。

だけど僕も言い出しっぺですから、放置プレイとはいきません。
初期ラインナップを少しでも早く増やそうと、すぐに作ってお出し出来る作品をイーデスブックス作品としてご提供したのです。
それがこちら。

画像1

少し怖い短編集 (イーデスブックス) Kindle版
東雲飛鶴 (著, 序論)

せめてレーベルらしい体裁づくりに寄与しよう、となけなしのデザインスキルを駆使して、それっぽい表紙を作ってみました。
それこそ、中身よりがんばりました。中身はスカスカです。
紙の本も作りましたので、背表紙と裏表紙もあります。

画像2

紙の本(インプレス製POD)と、BOOK☆WALKER版は自レーベルのグリフォンBOOKSから出しています。

さて、こんなカンジで表紙を作っておりますと、どうも娘さんの協力を取り付けられなかったのか、夜食さんが表紙作成でとても苦戦している様子が覗えました。

すると、なんということでしょう。
夜食さんは、フリー素材をコラージュして、表紙をガンガン錬成しているではありませんか。
中には合体事故なのか悪魔合体なのか、とてつもないカオスを感じるものもありました。

さすがに放置するのはヤバい、レーベルの未来にかかわる、と危惧した僕は、自分用にこさえたイーデスブックスのロゴ(既存のフォントを組んで適当に字詰めして縦横比をいじっただけのもの)を、夜食さんに差し上げました。
せめてロゴぐらいあれば、レーベルっぽく見えるので。

というか、コンテスト作品を出版したのに企業ロゴをつけずに本を出す版元なんて狂っている。作家を何だと思ってんだ。
(ブッ●ウォーカーさん、あんたのことだよ)
とか思ってた時期でしたし。

早速夜食さんがロゴを使ってくれたので、まあ良かったと。それからも、夜食さんは手探り状態でコラージュ表紙を作り続けました。

ここで面白い事態が発生しました。

素人が適当にコラージュして作った電書が、バンバン売れてしまったのです。これは驚愕に値する事態です。

電書界隈の人らの常識では、表紙はプロデザイナー作成が至高、しかし金がかかるので各々が苦労を重ねている、その結果行き着いたのがノベルジャム、ではないかと僕は思ってるんだけど、多分そうだと思ってる。

というのも、昨今の電書のインディーズとは素人のことではなく、ほぼほぼノンプロの世界。電書界隈は、出版社を通さずにプロやセミプロが作っているガチ勢だったのです。
独立作家同盟とか、ノベルジャムのメンツを見ればわかるでしょ、と。

僕もちょっぴりお世話になったりならなんだりな界隈を先に見てきたせいで、目の前で展開される夜食ワールドをすんなり信じることは難しいことでした。

「あの表紙で売れるのか!」と。

そんでもリアリストな僕は現実を受け入れました。
買う人は表紙をあんま気にしてないということを。

さすがに、綺麗な方がいいとは思いますが、なにせ電書はサムネ勝負。
あまりにも細かい部分は頑張ってもしょうがないのです。
サムネをタップさせなければ何も始まらない。
タップさせてしまえば、こまけえことはいいんだよ。
というね。

以前、寝る犬さんの本を作ってる際、担当さん曰く、

「電書スタンドでは青系が目立つ」

との言葉を信じて青系をふんだんに使った表紙を描きました。
それがこちら。

画像3

ロゴのおざなり感は否めませんが、厚塗りもして、それなりに密度を出せたと思います。

おかげさまをもちまして、こちらの作品は、2018年度BOOK☆WALKER同人誌売り上げTOP20に入ることが出来ました。寝る犬さんおめでとう!

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一年ほったらかしていた内容は以上です。
一年経過した今、思いがけず状況は大きく変化しています。
また続きを書かないといけないかな。

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