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多様なライフスタイルを実現させていくために

去年は石川で楽しく過ごしたゼミの夏合宿。今年はこんなご時世ということもあってオンラインで行われた。オンラインで行うものを合宿というのかはわからないが、秋学期に向けて気持ちを切り替えるにはいい機会だった。その中で先生が”Zoom under the Sky”なるものにチャレンジしようと言い出した。要するに、今までは家の中という安定した環境でzoomしてきたが、家の外でもzoomをしてみようということだ。何故そういうことをしようと言い出したのか、その真意はその時にはわからなかったが、引きこもり防止にはちょうどいいと思い、とりあえずやってみることにした。週に1回のサブゼミやそれ以外の授業などでも、積極的に外に出てzoomをした。最初は、まわりの雑音が想像以上にはいってしまうなど苦労したが、回数を重ねるうちに外でzoomをする上での要領を何となく掴んでいった。そして何より、外でも普通にzoomすることに気づけ、かつ抵抗もなくなっていった。ほんの些細なことかもしれないが、また自分がアップデートされた気がしていた。

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12月の初週から一週間ほど、地元で用事があり帰省していた。そのある日、これから関わる予定のプロジェクトの舞台になる能登のある場所に視察もかねて車で行ってみる計画をたてた。そして当日の朝、そろそろ出発しようと思っていた矢先、母が午前中は車を使うと言い出した。しかしそれは僕にとってはあまりにも都合が悪かった。何故なら、15時からzoomをする予定がわかったからだ。当初の予定では、朝に出て昼過ぎには帰り、家でzoomをする予定だった。目的の場所までは片道で2時間以上、往復4時間半はかかる。かといって他の日に行くことも別の予定の関係で難しい。八方塞がりだと思っていたそんな時、ふと冷静になりこんなことを思いついた。


「そうだ、能登でzoomすればいいじゃん」


帰省して気持ち的に落ち着いていたからか、家の中でしかzoomができないと思っていたアップデート前の自分に戻ってしまったいた。しかし、今の自分はアップデートされた自分。外でzoomをするなんて何の造作もないことだ。アップデートされた自分に戻った瞬間、全ての問題が一気に解決した。自分の予定が狂わされた怒りで母に八つ当たりする寸前だったが、怒りはなくなり母が帰ってくるのを待つことにした。


そして母が予定通り12時頃に戻ってきてから軽くお昼を食べてすく、僕は車で能登に向かった。僕の家から能登に行くには、のと里山海道を通る。羽咋市のあたりまでは海の景色を、そこから目的の珠洲市までは山の景色を楽しみながら運転していると、あっという間に2時間たち、14時半頃に目的地に到着した。そして15時になると、携帯のデザリングでパソコンにWiFiを繋げ、車の中で一時間弱ほどzoomをした。綺麗な海を目の前にするzoomは、都会では感じることができないような清々しさと新鮮さがあった。

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大げさかもしれないが、能登でzoomをしている間、Tokyo Work Design Week2020でお話を聞いたような多拠点生活をしているような気分になった。東京での仕事(授業)はオンライン中心でやりつつ、地方(能登)にいる時はその場でしかできないことをする。普段東京にいる大学生が帰省しただけと言えばそれまでかもしれないが、僕は新しい働き方の一端に触れた気がした。


能登でzoomをするという選択肢を思いつき、多拠点生活をしているような気分を味わえたのは他でもなく"Zoom under the Sky"に挑戦していたからだと思う。既にある状態で満足せず、小さな変化を起こしたからこそ、今まではできるとは思われなかったことができるようになったのだ。そして今、リモートワークの普及によって僕が味わった多拠点生活以外にも、地方への移住やワーケーションなど、様々な働き方が注目されている。しかし、そのような働き方はまだ多くの人にとっては現実的ではないと思う。しかし、いずれこのような働き方をそれぞれが実現させていくために必要なのは、先にもでたように小さな変化・挑戦を起こし続けることではないだろうか。例え小さなことであっても、その変化・挑戦が今まではできなかったようなことが可能になったり、今までにはなかったような選択肢が生まれたりする。この繰り返しが、これから多様なライフスタイルを実現させていくのだと思う。

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