Jリーグを去る理由


クラブからは、今年以降も Jリーグでプレーする機会を頂きましたが、24歳で プロを引退することに決めました。

色々と説明不足で申し訳ありません。

一切、書き溜めはしていないのですが、何度かに分けて書きたいなと思っています。よろしければ、お付き合い下さい。


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小さい頃から身体が弱くて、運動神経が悪くて、大してサッカーも上手くもなくて、そんな自分が、まさか Jリーガー になれるとは思っていませんでした。

誰よりも練習したかと聞かれれば、そんなことはなくて、僕がとにかく繰り返してきたのは、ここでは内面(ないめん)という言葉を使いますが、この内面の追求です。

周りが何を必要とし、自分には何ができるか、思考し 行動に変換していく。その営みが、努力とかタスクとか呼ばれているうちは結果は出なくて、いかに楽しみ、没頭できるかが問われる。だから どんな挑戦に情熱を、どんな物事に好奇心を感じるのか、そういった自分の価値観を理解するために 更に内面に潜っていく。こういうことを頑張ってきたし、その重要性を体験しています。


組織についても同じです。リリースのコメントにも書きましたが、良い選手が揃えば勝てるか?と聞かれれば、半分はイエスですが、半分はノーです。それは外面(がいめん)の話です。

お金を使って勝つことができるのであれば、それはマネーゲームです。選手に表面上の能力しかなければ、いずれ AIとアンドロイドに、もしくは eスポーツに取って代わられます。しかし、スポーツがそんなに単純なものでないことは 周知の事実です。

本気で 勝利への道を探索するのであれば、僕は もっと内面に目を向けるべきだと思っています。「マネジメント」のような薄っぺらい話ではなく、ひとりひとりの人間の想いと、それぞれの関係性と、チームの存在意義に向き合い続けるということです。

そして、本気で 敗北を悔いるのであれば、選手を替えたり、監督を切ったり、戦術を語ったり、トレーニング環境に投資したり、給料をリッチにしたり、確かにそういう外面も大事ですが、それがすべてではないことに いいかげん気づくべきです。

特定のクラブを否定するつもりも、Jリーグに喧嘩を売るつもりもありません。ただ僕は、この外面を着飾るだけの競い合いと、そして内面を見ようともしないマインドに相容れないというか、もう少しはっきり言えば虚しさを感じます。

内面の是非で、チームがいかようにも変化することを痛いほど感じてきたからこそ、この必要性を説明したいのです。綺麗事が言いたいわけではなく、どうすれば勝てるかを真剣に考えたいのです。


何より、勝敗は プレイヤーの人生を大きく左右します。

勝つことができれば、もう少しだけ競技を続けられるかもしれない、次の道が開けるかもしれない、もっともっと成長して 誰かに影響を与えることができるかもしれない。

他方、何かが上手くいかなければ、その可能性を閉ざしたり、スポーツに費やしてきた時間を後悔したりする、そういう人たちを実際にたくさん見てきました。

「結果がすべては大嘘」ですが、結果を欲する姿勢が不十分であれば、そこに残るものも少なくなってしまう。そして、その不十分さとは多くの場合、外面ではなく内面に対してのものです。自分が、あるいはチームが、目に見えることばかりに興味を示し、そうして負けた原因をまた自分(たち)以外に求める、これの繰り返しです。

不幸になるのは自分の責任で、そして自由ですが、フットボールはチームスポーツです。それは良いチームに出会えなければ、抗いようのない不幸が待っていることを意味します。良いチームとは、内面に勝利のエッセンスがあるとを信じているということです。

しかし 残念ながら、幸福になれる確率のほうが低いのです、それが現状です。別にやらなくてもいいスポーツを、他の多くのことを犠牲にして続けてきて、それでも幸せになることができない人はたくさんいるのです。

だからこそ、僕は良いチームを増やしたいし、内面についての研究をもっとしたいと思っています。

もしかすると Jリーグで10年プレーすれば、日本代表になれば それらを実現できるかもしれない。けれど、実現できないかもしれない。どっちにしろ同じことです。今回は新しい挑戦の中に その実現を賭けた、これが一番の理由です。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

僕も好きです。
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井筒 陸也

敗北のスポーツ学

スポーツとその周辺について

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