スポーツ選手的 すべての人のためのメディア戦略論 (1)質問箱


自分の考えを発信する人間が増えるに越したことはないと思っています。

スポーツ選手も、チームメートとの食事をブログに書くだけでは少し勿体なく感じます(サポーターに対するファンサービスとしては十分なのですが)。


「物語のあるプレーが、誰かの生活必需品になるまで」の中でも書いた通り、競技という限られた部分だけを切り取って観せるのではなく、その背後にある物語ごと伝えていくことで 仕事の魅力に厚みが出ます。

しかし、すべての立場には「こういうもの」という一般化されたイメージがあります。その中で没個性化した THE・アスリートみたいな連中が22人集まってサッカーをしても、そこに物語は見えないわけです。

実際にそこにいるのは、一般化できるはずもない超強烈な想いと人生を持った生身の人間たちです。そういう自分たちのことを知ってもらう必要があります。


ビジネスの世界で活躍する人たちにも 同じことが言えるかと思います。

これが、なぜ(Why)発信をするのかに対する答えです。


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次に、どのように(How)・何を(What)発信するかです。

具体的な障壁は二つあります。

①どのように文章を書くのか
②何を伝えるか



それらの解決策として、今回は Peing -質問箱 -(以降 質問箱)というサービスを提案します。

Peing-質問箱-は、Twitterプラットフォームを活用した匿名質問サービスです。質問箱を作った人に聞いてみたい質問を匿名で行うことができます。自分が質問箱を作れば、誰かわからない人から質問を受けることができます。 (株式会社ジラフ コーポレートサイトより引用)




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①どのように文章を書くか

ここが最初にして最大の難関のように思います。

よく「文章を書くセンスがない」という自己評価をする人がいますが、これは恐らく仕事の性質上の問題です。

例えばスポーツは 言語化しにくい身体的パフォーマンスに評価基準があり、自分の感覚を他者と共有可能なフェーズにまで抽象化せずに はっきりと個性とか分業にしてしまいます。

つまり、慣れていないだけです。小説家のように 流麗で趣深い文章は書けないとしても、すべての人にとって 発信のための文章とは 書ける書けないというより、書くか書かないかの問題です。

ただ、伝えることを苦手にしているという事実には向き合う必要があります。



そういう我々が初めから ゼロベースでターゲットを設定し、テーマを決め、構成を考えるのは大変です。そこで 質問箱を使います。


ターゲットですが、まず目指すのは「質問をくれた一人に喜んでもらう」ことです。

まさにこれです。これさえ意識すれば、失敗はないのです。


次にテーマですが、これは質問者が置かれている状況を想像して「自分ならどう考え行動するか」を素直に書くだけです。

自分がこれまで人間関係に悩んでいたとき・そうでないときを比較すると、後者には常に夢中になれる何かがあったことに気づきました。

言葉にできない/考えたことがない(と思っている)ことでも、これまでの色々な経験を通して 自分の中に伝えられることはインプットされています。質問箱によってそれが引き出され、そのままアウトプットできます。


そして構成は、どうあがいても Twitterの文字数制限の影響を受けるので、感動巨編を作りたくても作れない。シンプルに言葉を紡ぐしかありません。


「質問に答える」は「文章を書く」よりもユーザーフレンドリーな行為です。



②何を伝えるか

「聞かれたことにただ答える」から 次の段階へ移行していきます。「何を伝えるか」発信者側が意図を持つことです。

最初はこんな感じで 身内ネタ的なもの、もしくはプライベートに関する質問(好きなカフェはどこですか?など)が多く集まります(こういうのも楽しいので、今でも定期的にお答えするようにしています)。


続けていると「いちサッカー選手に対して」から「井筒陸也に対して」の質問が多くなっていく実感があります。つまり自分自身に興味を持ってもらえるようになります。

その中で自分は「何を伝える」か、もっと言えば「自分が伝えたいこと」「自分にしか伝えられないこと」を選択していくことができます。


質問箱の秘匿性はそこに価値があります。どのような質問がストックされていて、どのように選んでいるのかがクローズドで、コントロールすることができます。




noteを始める前に 質問箱を設置したので、徐々に自分の伝えたいことの方へと 領域をズラしていく感覚で質問と答えを選んできました。

僕の場合は、プライベートに関する質問 → 個人の意志決定とキャリア→ 組織のマネジメント → スポーツの価値 という風にだいたいの順番、全体像で進めてきました。


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そして「何を伝えるか」とは「何を伝える人になるか」という選択でもあります。ブランディングみたいな話です。

人為的に自分のキャラクターを創作するわけではありません。ただ 自分が他者と置き換え不可能な自分であることを発信するだけです。


左利きのディフェンダーなら誰でもいいのか、井筒陸也でないとダメなのか。

セカンドキャリアというものがあるとすれば、元プロサッカー選手と仕事がしたいのか、それとも 井筒陸也と仕事がしたいと思ってもらえるのか。


何を伝えるか、何を伝える人になるのかは、自分がどういう人間かを知ってもらうための一歩目です。

全員がそれぞれ違う唯一無二ですが、それが 他者にとっての自分という文脈でも唯一無二な存在になれれば、自分の仕事の影響は最大化し 自分という人間の価値は輝きを放つはずです。


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まずは色々な質問をもらって、そして真摯に一つ一つ答えていけばいいと思います。

すべての人が、自分というものを確立し そして仲間を増やすべきです。代わりのない存在であることを、声を大にして叫ぶべきです。



(最近 質問箱サボっていますが、質問募集中です。ここまで手の内明かしてから言うのも何ですが、どんなものでも大歓迎です。楽しく読んで、楽しく返事を考えています。質問をくれる皆様、いつもありがとうございます)





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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

僕も好きです。
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井筒 陸也

(株) Criacao / Criacao Shinjuku フットボールをしています。でも「フットボールとは何か?」が、まだ分からないので、Jリーグにサヨナラして考えることにしました。

敗北のスポーツ学

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