勝手に電力ビジネス分析【2章】①(発電戦略の変化/ベースロード電源市場)

2章は主に、最近の環境変化について書きたいと思います。

新電力を例にすると

ベース電源→主に常時BUで、時々相対電源
ミドル電源、ピーク電源→市場調達

が多いと思われます。実は、ベース電源は、原子力発電、石炭火力発電、水力発電がメインで、新電力が原子力、石炭はほぼ持ってないですし、水力発電も自治体と大手電力が昔から相対契約をしている関係で中々アクセスできないのが現状です!

それでは新電力が競争上不利なので、大手電力が新電力に常時BUとして、ベース電源相当の提供をほぼ義務づけたに近い状態になっです。

下記適正取引ガイドラインに書かれてます。
http://www.meti.go.jp/press/2016/02/20170206006/20170206006-1.pdf

まあこれで、ベース電源がないという不安は新電力からなくなったのですが、大手電力だけに依存する状況ではなかなか競争も進みません。

そこでもっと新電力などにベース電源についても多様な選択肢を、ということでベースロード電源市場が検討されて、2019年度から運用される予定です。

http://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/seido_kento/pdf/022_05_00.pdf

ベースロード電源市場が出来ても供給側は結局大手電力だけでは?との疑問も出てくると思います。

ただ、大手電力以外が運営している石炭火力や水力発電所も多く、発電事業者にとっても、新電力との与信などの不安から相対契約なら大手電力と契約せざるを得ない状況だったものが、少し変化するかもしれません。

少なくとも、理論上だけでも選択肢を、増やす意義は大きいと思います。

このように発電戦略のベース電源の部分でも新規参入のハードルを下げる取り組みがされつつあります!
(もちろん常時BUがなくなる心配は別にありますが、端折ります。)

ミドル電源、ピーク電源については、卸電力市場の活性化に焦点を当てて環境変化が起こっているので次回はそこを説明したいと思います!

もし取り上げてほしい制度があればツイッター@j20364 まで遠慮なく教えてください!

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