勝手に電力ビジネス分析②(発電戦略)

第1回の投稿を読んでくださった方、コメントをいただいた方ありがとうごさいました!

より興味が持てる内容になるよう工夫していきます。

さて、電力ビジネスでは、発電、送配電、小売のフェーズがありましたがそれに合わせて

①発電戦略
②送配電戦略
③小売戦略

に分けて考えてみます。

今回は①発電戦略に焦点を当ててみます。

コストの半分以上を占める発電コストは競争戦略上かなり重要です。

普通のビジネスと同様「安く調達」すれば差別化できるのですが、大量購入で安く買って在庫しながら販売すればよい、、というわけにはいきません。

ここで「30分同時同量」ルールが影響してきます。「需要家が使っているまさにその時間帯に、同じ量の発電を、しかも安く」調達できて初めて差別化ができます。

では、いったいどうやって発電、調達するのか?ざっくり言うと選択肢は

①自社発電
②常時バックアップ(地域電力会社と契約)
https://pps-net.org/glossary/43505
③相対契約
④卸市場調達
http://www.jepx.org/
⑤インバランス(ペナルティ)
https://pps-net.org/glossary/54170

の5択です。⑤も最近意図的にやってる事業者もいそうなので入れてみました。①以外は自分以外から調達する方法になります。

ベース電源、ミドル電源、ピーク電源から調達をする考え方がスタンダードだと思いますが今回は思い切って端折ります。

端的にいうと、将来の需要を予測したら、一日48コマ(30分単位のため)のそれぞれの需要について①〜⑤で1番安い電源を当てはめていくことになります。

ただ、、、
需要予測の難しさは置いておくとしても、

例えば、自社発電が高いからといってずっと使わないと不良資産になるだけになりますし、常時バックアップも電力会社との契約なので相対契約と同様に契約上の制限があります。④の卸市場調達は比較的柔軟にできますが、乱高下する可能性もあり、価格の安定という面ではマイナスです。

上記からも、ある程度遠い将来の需要を見越して、①〜④のバランスをイメージしつつ、直近の需要を微調整していくことは発電戦略では重要になります。

少し前は卸市場価格やなんとインバランス価格まで安かったので、ほぼ④だけみたいな新電力もあったと思いますが、2017年度の冬や2018年度の夏に痛い目に合ってると思います。

「結局どう調達したらいいの?」との声が聞こえてきそうですが、残念ながら私のようなニワカ業界人では概要の説明しかできないのが現状です。

この道のプロの方は、長期予測→中期予測→短期予測で、電源獲得戦略を地道にされてますし、今後電力先物市場ができてそれをリスクヘッジに利用したり、連系線の通告変更などを利用して他のエリアの電源を持ってきたりと、常に多様な選択肢をとれるよう配慮されてるように見えます。

発電戦略は奥が深すぎて十分解説できませんが、ご質問などいただければ、ご回答させていただきます。

次回は「送配電戦略」を書きたいと思います。託送料の見直しや屋根上太陽光などが出てきてこの戦略にも多様性が出てきましたので、ご期待ください。

電力関連を中心にほぼ毎日気づきを書いてます!少しでもお時間があれば立ち寄ってご一読いただけると嬉しいです!