勝手に電力ビジネス分析⑦(Looop)

アップが不定期ですみません!
最近、老舗の新電力を取り上げてきて、「ビジネスモデル似てるからマンネリ化」したなあと感じたので、順番を変えて、業務の異端児Looopを取り上げたいと思います!

https://looop.co.jp/sp.html

この会社は、東日本大震災を契機に、再エネの普及の理念から太陽光発電システムの販売を開始し、電力に事業を拡大して来ました。

ここはなんといっても

大胆かつスピードが速い

しかも、チャーリーさんのビジネスモデル図解的な

逆説の構造

https://note.mu/tck/n/n590483b4ae22

を電力(低圧)で使って、

基本料0円プラン

を実現した企業でもあります。詳しくは後ほど。

では、発電戦略から。
これまで老舗新電力は、自社発電や相対電源を持っての事業がメインでしたが、そんなものは新規参入組にはありません。

じつは、そんなベース電源で困る新電力向けに、規制の圧力があって、地域電力会社が合理的な価格でベース電源相当の電気を新電力に販売しています。これを

常時バックアップ(常時BU)
https://pps-net.org/glossary/43505

と言ってます。
Looopは、

常時BU→ベース電源相当
卸市場(JEPX)→ミドル、ピーク電源相当

で事業をしていると思われます。
身軽ではあるものの、自社のコントロールが効きづらいという面があります。

実は少し前まで、市場価格が安いころはこのスキームがコストミニマムでした。

ただ皮肉なもので、太陽光が急激に普及したため、夕方の火力需要がかえって高まって、市場価格は急激に上がる時間帯が出てきました。しかも家庭用のピーク時間帯の価格が高騰し、市場調達メインの企業はかなりのコスト増に苦しんでると思います。

まさに同時同量ルールのため需要があれば調達を拒否できない電力特有のジレンマです!

次に送配電戦略。
基本的は系統電力を利用する通常モデルですが、太陽光発電システムや蓄電池を販売しており、上記利用者には電気代を割り引いてます。

もちろん物売りの粗利を電気代の割引とバンドルしているのですが、太陽光の自家消費を、増やす観点ではいつもの

送配電コスト0円戦略

が垣間見えるように見えます。太陽光発電システムも蓄電池もLooopのビジネスなので、送配電からLooopに売上が移るイメージでしょうか。

最後に小売戦略。

なんといってもこの会社の小売戦略は逆説的です。

起点 電力ビジネス
定説 固定費がかかるので基本料は設定
逆説 固定費はかかっても基本はなし

なんと、常時BUも基本料があり固定費がかかりますし、託送料も基本料があり固定費が、かかる中で小売の基本料0円は、かなり大胆な戦略です!

もちろん、分かりやすい料金なので業界関係者が誰もがやりたいのですがなかなか踏み込めなかった領域。

もし、単身で電力量が少ないユーザーばかりだと赤字が継続

という恐怖がありました。

ただ、結果は戸建や家族持ちの家庭も分かりやすさから加入したようで、ビジネスとして成り立っているみたいですね。

あとは、WEBチャネルの獲得が多いのも特徴かと、これも同じ業界の革命児エネチェンジさんと連携しつつうまくやっているようです。

https://enechange.jp/utilities/looop?area=tepco

以上です。

ザ・ベンチャーって感じです。ただ、ゼロから立ち上げた小嶋本部長は面識はありませんが優秀な方なんだと思います。
https://looop.co.jp/looopway/people/people03.html

実はマニアなネタでは、蓄電池やvpp戦略など多様なビジネスも手がけているのですがこちらは追い追いご紹介させていただきたいと思います。


電力関連を中心にほぼ毎日気づきを書いてます!少しでもお時間があれば立ち寄ってご一読いただけると嬉しいです!