J2 第1節を終えて

2月18日に開幕節を迎えたJ2リーグ。
近年天皇杯でJ1クラブを破るJ2クラブが増加傾向にあるほど、J2のレベルは上昇している。
2023年のJ2のレギュレーションは上位2チームの自動昇格、3位~6位で1枠を争うJ1昇格プレーオフ、2チーム降格となっている。昨シーズンとの相違点は昇格プレーオフの勝者がJ1の16位のチームとの入れ替え戦を行わないことだ。つまり、通常のレギュレーションよりも昇格しやすい。

そんな2023年シーズンの第1節結果について特に印象的だった数試合をまとめる。


山形の新戦力躍動(甲府vs山形)

昨シーズンに引き続き、クラモフスキー監督が指揮を執る山形は持ち前のポゼッションサッカーを披露。完成度の高い後方のビルドアップから甲府のプレスを崩し、新加入のイサカゼインが抜群のスピードで甲府の右サイドを決壊させたところから先制点が生まれた。大宮から加入の小野も左SBながら中盤の繋ぎに参加し、高い技術力を見せつけた。
一方の甲府は後半から高い位置でボールを奪うシーンが増えたものの一歩及ばなかった。

注目の昇格組対決(いわきvs藤枝)

昨年J3を席巻したいわきは同じく昇格組の藤枝とのJ2開幕戦となった。無尽蔵のスタミナで試合終了まで走り続けるいわきと「究極のエンターテイメントサッカー」(須藤大輔監督)を目指す藤枝の独自のカラーを持ったチーム同士の対決は藤枝に軍配が上がった。
藤枝はセカンドボールを拾い多くのチャンスを創出。なかでもJ3通算20点の渡邉りょうがJ2の舞台でも2得点と輝きを放った。
一方のいわきは青森山田出身の嵯峨理久を中心に後半、怒涛の追い上げを見せるも前半の3失点が響き敗北。

若手の躍動(磐田vs岡山)

昨年のJ2降格からオフシーズンの補強禁止と厳しい時期を過ごした磐田と昨年J2の3位ながらプレーオフで山形に敗れ、昇格を逃した岡山の注目の一戦は日本の若き才能が躍動する試合となった。

セットプレーから21歳櫻川ソロモンが押し込み、岡山が先制点を奪取。また櫻川のシュートのこぼれ球を19歳佐野航大のパスを19歳坂本一彩が豪快に蹴りこみ追加点。そして、後半の序盤にも佐野、坂本、櫻川と繋ぎ、櫻川のシュートのこぼれ球を佐野が得点。岡山の若きスターが今年のJ2を席巻する可能性を示した。
一方、磐田は1トップ杉本に代わって後半19分から出場した17歳後藤啓介が驚愕の2得点。「日本の未来」となり得る191㎝の天才高校生のデビュー戦は大きな伝説となった。

次節の注目カード

岡山vs清水

開幕戦の磐田に引き続き、J2降格勢の清水と対戦の岡山は、佐野、櫻川、坂本の若手の活躍に注目。
圧倒的戦力を誇る清水は水戸との開幕戦、決定力不足が響き、勝ち点1という結果に終わった。試合後にはサポーターからブーイングが響いたように今の清水の戦力からすれば勝利が絶対条件とされている。



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