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神は脳が作った

『神は脳が作った』、このテーマは理屈抜き、直感で理解できる。それを合理的に、どの様に説明するか興味がある。

生命が発生して、『固体の維持のために食餌』、『種の保存のために繁殖』が必要になった。

この二つの行為の効率的に遂行するために脳が発生した。
脳が先にあったのではなく、副次的に発生したものだ。

植物は、自生定位置で水分、栄養補給ができる。比較的簡単に食餌ができるので脳の発達はあまり進まなかった。
生存競争の中で、機能が制限された動物は移動して餌を確保しなければならなくなった。
食事を要求する腸の命令に従って、効率よく目的を達成するために脳の働きが重要になってきた。

脳の機能が複雑化するにつれて、事故、病気などでトラブルが起こり得るが、コンピューターとよく似た機能を持つ脳は通常運転中に異常を起こすこともある。

どうして良いか判断に迷った時など、無条件に脳の働きを止めるか、脳を強制リセットする方法があるが、宗教は強力に脳を支配する力を有している。

『神は脳が作った』の著者 E・フラー・トリー は子供の頃、地元のカトリック教会で司祭に付き添う待者を務めおり、大学では宗教学を学び神々について学んだそうだ。

この著書では、全ての神々は人間を監視しており、人間と対立した位置に置かれている。人間の脳についてキリスト教的視点に立って述べられている。

著者は世界の文化圏をメソポタミア、エジプト、パキスタン、南東ヨーロッパ、西ヨーロッパ、中国、ペルーの7箇所に特定して、神々の発生の歴史を述べているのだが、日本に言及していないのが残念だ。
ここまで深く追求されるなら、日本についても研究してほしかった。

日本人は独特の発想をしていて、死んだのち神仏(この時代はインド発生の仏教がまだ伝わっていなかった)に帰ると考えているので先祖を大事にしている。

日本には『神道』が存在するが教義はなくコーラン、トーラー、リグベーダ、バイブル等の指導書はない。全ては自然にうまくいく様にできていて、うまくいかないのは自分のせいだと考え、神社でお祓いをする。

農業革命をきっかけに人口が増え、都市化が進むにつれて、世俗の権力者たちが規則や法律を作り出し、それを人々に守らせるために神々と手を結んだ。こうして最初の宗教が誕生し、宗教は地域社会の司法的、社会的、経済的なニーズに神という権威で箔をつけた。

神は脳が作った E・フラー・トリー

このように、脳の進化理論では、なぜ神々が現れたのかと、なぜ神々が、実際のそのときに現れたのかの両方を説明できる。

神は脳が作った E・フラー・トリー

教義がないので宗教とは別格の『神道』についての言及があると奥深い研究になると思われる。

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