深圳のマーケットを歩いていると道端に乞食がいた。側には鼠色のモゾモゾと動いているなんだか分からない動物みたいなものがいる。　

人間だとわかるのに数秒掛かった。手足が切り取られ、目は潰されている。舌も抜かれているので話もできない。一度も風呂に入ってないと思われる。鼠色をしている。

祖母から『ダルマ』という乞食が中国にいるよ。と聞いていたので、これが実物であると確信が持てた。

側には管理している女がいた。あまりの惨たらしさに、他人のことには関心のない中国人でもお金を恵んでいる。

同行していた板前の W は気が付いてないようなので説明した。「あれ、人間だよ。」

W は、それからものを言わなくなった。衝撃が大きすぎて絶句してしまっている。

中国では子供の誘拐が流行っていると聞いた。こういうところに使われているのかと思うとやりきれない。