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円山公園から奥越高原牧場へ

 六呂師高原スキー場(*)のすぐ近くに円山公園がある。夏場は遊歩道やサイクリングロードがあって、ブランコなどの遊具や小動物園が配置されている子供向けの公園だが、冬になれば歩くスキーの良いコースになるのではないかと目をつけていた。雪が降ったので、ちょっと様子を見に行くと、予想に違わずなかなか良さそうだ。次の土曜日の午後、妻を誘って行ってみた。
 車で越前大野から南六呂師への道を行き、奥越青少年の森、六呂師高原スキー場や奥越高原牧場のそれぞれの入口を通り越して、勝山への市域へ入る直前、右側に公園がある。何本も立ち並んでいる「スノーモービル」の旗が少し気になるが、歩くスキーとスノーモービルは楽しむ場所が似ている。ぶつからない限り問題はないだろう。
 駐車場に車を入れ、スキーを履く。雪に覆われているが遊歩道と思われるところを歩いて公園の中に入って行くと、緩い登りになっていくつかの遊具が左手に見えてくる。そしてまもなく右手に展望台のような休憩所があって、そこが一番高い場所のようだ。その脇をかすめて斜面を滑って下ると小動物園。冬季はもちろん動物はいない。ポニーが子供を乗せて歩くのだろうか、細い道が柵に囲われている。さらにその向こうにスノーモービルが走っているのが見える。サイクリングロードだ。
 サイクリングロードを右に折れて離れ、斜面を登ると平坦な広場のようなところへ出た。ダイアゴナルやスケーティングなどの練習にはちょうど良い場所だ。今日は場所を見に来ただけなので、そのまま横切ると、林を通してスキー場のゲレンデが見えてきて、公園の端に至る。
 そこでUターンして展望台を目指そうとすると、われわれのとは違うスキーの跡がある。それも比較的新しい。誰かXCスキーをやっている人がいるようだ。同好者がいると思うと、なんだかうれしくなる。
 展望台を通り過ぎ、小さい斜面を滑り降りて、来たときのスキーの跡を反対方向へたどり、一たん入口に戻る。これで公園をほぼ一周。初心者コースとして悪くはないが、短すぎて物足りない。
 別の道を歩いてみようと、今度はスノーモービルの跡を歩く。公園の外側をぐるっと回っているサイクリングロードだ。ほとんどアップダウンがないまま小動物園の外側に出ると、柵の外には牧場が広がっている。柵と言っても今は細い支柱があるだけなので、スノーモービルはその間を通って牧場の方へ出ている。われわれも同じように牧場へ出た。ところどころに林があるだけで、広々としている。これがスキー場の中腹と同じくらいのところまで続いているのだ。なだらかな斜面の情報にXCスキーをしている人が見える。公園内にあったスキーの跡をつけた人だろうか。
 斜面を登りきると、スキー場のロッジやホテルが見え、何人かがXCスキーをしている。われわれのような歩くスキーではなく、距離競技の選手のようだ。スピードが全く違う。道路をはさんでスキー場の駐車場と反対側に練習場があることは知っていたが、その延長に違いない。しばらく歩いていると、小学生のグループが追い越して行く。学校のクラブ活動だろうか。男の子も女の子もいる。先生らしい人も走っている。じゃまをしてはいけないので、コースを離れて公園の方へ戻るために、広い斜面をゆっくり滑る。斜面が緩いので、スピードが出ない。ダイアゴナルやスケーティングで滑走しても良さそうだ。
 公園の小動物園から展望台まで登り、最初に歩いた道を歩いて公園の入り口に戻る。スキーを履いてから約一時間半だった。牧場をさらに上の方まで行けば、もっと楽しめそうだ。途中でコーヒーでも淹れても良い。
 牧場に接する六呂師高原温泉でひと風呂浴びて帰る。この温泉は含有成分が多く、身体に良いとのこと。岩風呂もあってなかなか快適。風呂上がりに飲んだ牧場の牛乳もうまかった。

* 六呂師高原スキー場は一時営業を停止し、2017年1月に六呂師高原スキーパークとして再開した。しかし、利用者の低迷で2021年度からの営業を停止している。

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