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けもフレ3イベントシナリオ振り返り:ウサギコウモリのしゅーがくりょこー

…最初はダルいってちょっと思った
でも…サイコーに楽しい旅行だ
んでもって、最高の演奏だ
来て良かった
誘ってくれて、ありがとな

テングコウモリ

3周年を機に、これまでイベント系のサブシナリオで、
「思った事を書き留めた事が無かった」と思い立ったので書く。

他の記事よりはあっさり目の予定

1.三人の主人公

このシナリオは「一組」と「もう一人」で主人公が構成される。

ウサギコウモウリリュウキュウイノシシ
テングコウモリ

  1. シナリオ本筋の主人公

  2. 「修学旅行に行く気はない」から始まるもう一つの視点

※ トリビアだが、5人ともネクソン版からリデザインされたメンバー

テングコウモリにスポットが多く当たるのを感じた人は多いと思う。
むしろ、ウサギコウモリがはぐれるまではそっちの方が目立つまである。

①イベントシナリオ基本の「誰かと何かをする」の流れを初手で断る
②各人の「修学旅行で何を楽しみにするか」の中で「特に目的は無い

当然、有り体に言ってしまえばシナリオの趣旨から浮く。
逆に、その視点から始まる事で他4人が気づかない事に気付く役割を持つ。

①テングコウモリは他人に興味が無いどころか、むしろ人情に厚い
②旅行を楽しむ感覚の意識が薄い分、旅行中も意識が仲間へ向く

  1. テングコウモリ登場時のイベントシナリオを読めば一発で分かる

  2. 他メンバーが純粋に旅行を楽しむ中で、最も早く状況変化に気づく

✔ シナリオ趣旨から浮いており、起承転結の「転」を担うため、目立つ配役

テングコウモリが「修学旅行に気乗りしない」態度を見せながらも、
その実「旅行を楽しむ4人を常に気遣っていた」のがよく表れており、
「旅行よりそれを楽しむ4人を見るのが楽しい」という感情が汲み取れる。

2.行きたくない訳じゃない

テングコウモリは誘いに「ツルむのはガラじゃない」と初めは断る。
当然4人が嫌いな訳ではなく、旅行そのものも嫌がっている訳ではない。

テングコウモリの性格と考え方としては

①普段の素行から「物事は一人でこなす方が気楽」
②他人が苦手ではなく「他人と何かをする事が苦手(の意識がある)」

  1. なので、旅行の具体的なイメージが無い段階ではハッキリと断っている

  2. ①を思いながらも「4人が居なくなるとつまらない」という想いはある

初め嫌がっていた子をちょっと強引に旅行へ引き込んだように見えるが、
チラシと4人を通じて、テングコウモリの気持ちに折り合いが付いた形。

✔ 他人が嫌いではないが他人が苦手、という子は見えないだけで意外に多い

この感覚はウサギコウモリ視点でのリュウキュウイノシシにも共通する。

3.苦手意識

中盤にウサギコウモリへ視点が移ってからは「苦手」がテーマとなる。

①ウサギコウモリは速く飛ぶのが苦手
②リュウキュウイノシシは知らない人と話すのが苦手

  1. なので、はぐれて迷子になった

  2. なので、フェスの宣伝に「チラシ」という手段を選択した

これらが複合して「苦手だから起こった現象が繋がって出会えた
と少しスピリチュアルな、バタフライエフェクトの様な結論へ帰結する。

✔ 「全ては運命!」

ステキな先輩

このシナリオでは「苦手なことを克服する」ようでいて少し違う。

①ウサギコウモリが早く飛べる様になる話ではない
②リュウキュウイノシシの人見知りを根本的に治す話でもない

2.「フェス中の知らない観客をいかに意識から外せるか」に絞っている

広義での克服かもしれないが、あくまで考え方を変える対策に留めている。

✔ 意識高い系だと「マインドセットを変える」とか言われる

よって、テーマとしては「全ての物事は見方による」と言う方が近い。
※ 苦手やネガティブな要素を悲観するより、まだマシに思える視点を探す

ネガティブな要素は直に吐き出したくなるが、客観的には大抵面白くなく、
口に出さずとも、苦手な事を頭の中で自身を責めても面白くなる訳がない。

✔ なので「どう見方を変えても苦手」な物は、事実以上を考えない方が良い

ウサギコウモリも初めは飛ぶのが遅い故に迷子になった事に落ち込むが、
リュウキュウイノシシの「元気になる話をしましょう!」の一声から、
最終的に上の「不得意でなければ出会わなかった」という考え方へ繋がる。

✔ ポジティブシンキング

4.やってみなきゃ分からない

5話ではウサギコウモリとリュウキュウイノシシの話が実を結ぶ。
そこへもう一人の主人公、テングコウモリ視点での話が結ばれる。

それぞれがリウキウへ来た感想を述べる中、テングコウモリはこう答える。

※冒頭での引用部

少し複雑な感情の変遷はあったが、正直に「最初はダルかった」と述べる。

旅行当日の朝、急に行くのが面倒になる感覚と似ている

旅行のプランを練り、そこでの出来事を想像するのは楽しい。
しかしプランニングで現地の楽しさを推し量れる範囲は1%にも満たない。
期待通りだったとも、期待してたより面白かったとも、逆もあり得る。

※その不確実さから、実際に行動する当日朝は急に面倒の方が目につく

その中で今回の様な「期待より面白かった」は幸運なレアケースとなる。

もともと今回の旅行をテングコウモリ自身は

①最初は乗り気じゃ無かった
②他4人が楽しんでるのを見たい・一緒に居たいから来た
③旅行そのものに、具体的な楽しみや目的のイメージが無かった

そもそも旅行の目的と視点が他と違っていたからこそ、
より「旅行そのものが楽しい」と「期待以上だった」と彼女は感じた。

来て良かった」という感情は、繰り返されるジャパリパークのテーマ。

来て良かった」という感情は、期待以上だった時以外でも、
行程に何らかの「行きたいけど、行きたくない理由もある」と大きくなる。

※ 距離や日程や費用など、時に人は「行かない理由」を探し始めたりする

その理由をねじ伏せて来たからこそ「来て良かった」の感情は増幅する。
出で立ち前に自身が下した決行の判断を全肯定する、格別の感情だ。

✔ なので、大抵の事はやってから後悔する判断の方が常に何割か分がある

5.終わりに

ネクソン版の頃からメインストーリー以外のサブシナリオでは

①既存のグループで集まって何かをする
②全く違うグループのフレンズが初めて会ってゼロから友達になる

どちらかの、キャラクター数の暴力で広がり続ける関係性の物語。

その中で、今回は①と②が複合した珍しいシナリオ。
かつ「出会った理由」をシナリオで定義したのも珍しいなと思った。


あなたも、今の親友と出会った当時を思い出せるだろうか。

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