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ラップバトルも放映する米国ライブストリーミング「Caffeine」がシリーズDで1.13億ドル調達、評価額6億ドル以上に

米国発ライブストリーミング「Caffeine」がシリーズDで1.13億ドルを調達したと発表しました。

今回の資金調達ラウウンドはFoxとCox Enterprises、Sanabil Investmentsがリードし、既存投資家のAndreessen HorowitzとGreylock Partnersも参加しています。評価額は6億ドル以上に上昇したとのこと。

Caffeineの創業者はシリアルアントレプレナーのBen Keighran氏です。

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(Caffeine)

Keighran氏はオーストラリア生まれのエンジニア。2006年にシドニーからサンフランシスコへ渡ってメッセージアプリ「Bluepulse」を開発し、1社目の会社を設立します。

その後、ソーシャル検索サービス「Aardvark」(2010年にGoogleが5,000万ドルで買収)を経て、2009年にアプリ検索プラットフォーム「Chomp」を創業。ロン・コンウェイ氏等から出資を受け、11の特許を取得するなど高い技術力を武器にサービスを拡大した後、2012年にAppleに5,000万ドルで買収されることになります。

買収された後もKeighran氏はAppleに残り、Apple TVのデザイン・開発チームに参画。エミー賞獲得に貢献した後、2016年に退職してCaffeineを立ち上げました。

Caffeineではゲーム配信など一般的なジャンルに加え、ラップバトルを放映していることが大きな特徴。

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全米最大のラップリーグ「Ultimate Rap League」と提携し、HIPHOP好きを惹き付けています。CaffeineにおけるURLのフォロワー数は23万人以上。

2020年2月にはURLに参戦するDrakeと契約し、NFLスーパーボウルのストリーミングイベントも開催。ユーザー数は200万人を超えているといいます。

Caffeineは中国系サービスにならい、ユーザーが購入する投げ銭の手数料で収益化しているとのこと。ユーザー1人あたり平均購入額(3ヶ月)は78ドルで、ユーザー数増加に伴って売上も着々と伸ばしているようです。

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Twitch tracker

巣ごもりシフトによってストリーミングサービスの利用者は急増しており、米国最大のプラットフォームであるAmazon傘下Twitchは平均同時視聴ユーザー数約250万人、月間配信者数576万人に拡大しています。

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Twitch Revenue and Usage Statistics (2020)

AmazonはTwitchの詳細なデータを明かしていませんが、調査会社によるレポートでは視聴時間、ストリーミング時間ともにTwitchが6割以上のシェアを握っています。Microsoftが7月にMixerの閉鎖を決断し、ストリーミング・プラットフォーム市場はYouTube、Facebookを含めた三つ巴状態に。

GAFAが支配する市場にCaffeineが新たな勢力としてシェアを拡大できるのか、今後の成長に期待です。

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中国のゲームストリーミング市場も再編の様相を呈しており、HUYAとの合併報道を受けてDouYuの株価が上昇中。Tencentも米国でストリーミングサービスを立ち上げており、中国勢の動向も引き続きチェックしていこうと思います。

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