隣家(壁一枚)

今、タイムラインに「アパートの上の部屋からギターの音が聴こえてきて…」という例文があって、当然のように「苦情」の話につながるのを見て、ふと私自身の幼かった頃を思い出してしまう。
私の家は二階建なのに隣家と同じ家屋で壁一枚隔てただけ、という構造(元々は借家)だった。
隣家には私より10〜15歳ぐらい年上の「お兄ちゃんたち」がいて、私が幼児の頃には多分中高生ぐらいで、よくギターを弾いて歌ったりしているのが薄い壁一枚では完全に筒抜けで聞こえていた。
確かに「うるさいな」「怖いな」と思ったこともあったので、今風に言えば「苦情の対象になるのも当然」なんだろうけれど、そうやって壁越しに聞こえていた音楽に、結局のところそれなりに影響されていたような気がする。
ちなみに、うちの父が何故か「隣の息子たちとは付き合うな」と厳しい態度で命じていたので、私は直にその人たちと話したことは一度も無かった。
私が中高生の頃か…忘れてしまったけれど、隣の家族は引っ越してしまい、別の夫婦が引っ越してきた。
それまでに、私にとっては謎のままだった「お兄ちゃんたち」は、多分社会人になって家を出ていたのだろうけれど、それさえ私は知らなかった。
私の「家」は、隣近所との付き合いが極端に少なかったような気がする。
それも、今思えば「謎」だ…

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