「遅れました」をどう処罰するか


どうもおがわです。ブログのサーバー更新を忘れてて、更新期限3分前に更新しました。あぶなかった。


どうでもいいのですが、サーバー更新を忘れたらWordpressのデータとか全部吹っ飛ぶんですかね?絶対試したくないけど。



さて、今日は久々に数時間レベルの遅刻をかまされたので、漫画喫茶にこもって遅刻にまつわる実体験エピソードをつづります。





塾の講師をしてた頃、呼吸をするように遅刻する学生がいた。


毎授業毎授業、授業通りに来ることも、それ以上遅れることもなく、10分遅れてくる。


部活を理由にする彼に対して僕はいつも「そうか」と言って授業を始める。



遅刻に対するペナルティとして宿題を増やすことはしないし、居残り勉強もさせない。

というのも、ペナルティを与えてしまえば、「ペナルティをこなしたら遅刻は許す」という姿勢で受け取られる可能性がある。

極端な話、子供が「居残れば遅刻してもいい」などと思ってしまう可能性もあるのだ。


なので僕は、ペナルティを課さない。もしこれを見ている学生がいたら、心に刻め。僕が遅刻に対してノーペナルティである理由は、容認しているからではない。


ペナルティを与えないことで、遅刻を絶対に許さないという意志表示をしているのだ。

このスタンスを保護者会で説明したとき、残念ながら首を傾げられてしまった。


「何言ってるんですか、子供なんですから、ペナルティを与えて許しましょうよ。」


「5分遅れたら60分居残らせれば、子供も嫌な顔して遅刻を嫌いますよ。」


こんな声もあったし、


「そもそも成績が良くするのが学習塾の努めなんだから、遅刻なんてどうでもいいでしょ」


なんて声もあった。


当時19歳の、歯に衣着せぬ青い発言ばかりしていた僕は、特に最後の発言をした保護者に対して「頭おかしい」と、聞こえない程度にボヤいた。


今だったら絶対言えない。当時の僕を非難するけど尊敬もする。あまりにも過ぎた度胸を据えていた。


ともかく、今振り返ると当時の僕はいろいろと間違えていた。


・僕自身が遅刻を許せるかどうかはどうでもよく、子供に遅刻させないことを最優先すべきだった。
・なおかつ、日本においての時間に対する厳しさを、論理だたせて教えるべきだった。
・非常に残念ながら塾は道徳を教える場ではない。遅刻を許す許さないは、「鈴木先生」か東洋経済オンラインでやるべきだ。


ということで、塾全体のミーティングにおいて、晴れて「遅刻する生徒をどうするか?」という議題が上がった。


従来までの遅刻に対するアクションは


・保護者に通知が飛ぶ入退塾システム
・あまりにも遅刻がかさむ場合は、キツく指導する


というあいまいな境界線だった。(むしろ人間の心にマニュアルは存在しないのだから、あいまいな境界線こそ正解なのかもしれないが)


だからこそ、塾講師・塾長・会社役員数人が一室に会したミーティングでは、いろんなアイデアが上がった。


・遅刻した際のペナルティとして自習・もしくは課題を塾規則として設定する。
・家族への注意(遅刻は子供の責任である=家族の責任であるという発想)
・遅刻した場合は授業を受けさせない
・叱るというより、面談形式での注意
・etc(もう覚えてない)


遅刻をさせない、というのが議題であるのだから、遅刻はイヤだ、もしくは早く授業を受けさせてほしい、という状態に持ち込むのが理想である。


さて、上記のアイデアで真っ先にぶった切られたのは「遅刻した場合は授業を受けさせない」だ。
せっかく塾に来るモチベーションはあるのだから、それを叩き折ってはいけない、という理由で即刻却下された。


それと、家族への注意。

実際に塾に通わせている子供は、「保護者が忙しいから」という理由であることが多い。
なので、保護者に注意してもどうしようもないことが多い。
親のげんこつの代わりに塾のげんこつがある。その塾が親にげんこつを頼むなんてありえない。そんな遠回しな手を使うくらいなら、子供に直接言ったほうがいい。



面白かったのは、面談形式での注意だ。

遅刻をする子供はなんかしら塾に対する抵抗感を、意識無意識関わらず持っている可能性がある。
一方的に叱る形ではなく、面談によってそれをすり合わせることができれば、遅刻をせず通塾する可能性は高くなるだろう。誰もが納得した意見だった。

同時にこの意見は「早く授業を受けさせてほしい」という状態にさせる可能性がある、唯一ポジティブなアイディアだった。

これを出したのは、当時の僕より更に3歳も若い、16歳の高校生講師だった。その人とは7年たった今でもよろしくやっていて、1年半に1回くらい会っている。彼からは教わることがとても多い。


最終的に、2つのルールを設定した。


・遅刻したら遅刻した時間にかかわらず、30分の居残り勉強を指示。
・3回遅刻した生徒に関しては、その都度面談・塾に関するヒアリングを行う。


すぐに面談に移行しないのは「本当にうっかり」遅刻した生徒かどうかを見定めるためだ。



ちなみにググってみたところ、こんなことを行っている学習塾もある。


・遅刻・無断欠席を一定回数行ったら退塾勧告
・始末書原稿10枚


どちらも「遅刻が嫌だ」となる考えだ。


結果として遅刻が減ったかどうかは、数字的に確認していないので定かではない。


ただ、それまで遅刻をしていた生徒の顔が、少しだけ軽くなった気もした。


次は「遅刻を許せる人になるべきか?」というテーマをお届けします。

塾でこそ「どうでもいい」で投げましたが、社会人となった今、これを書きながら「どうでもよくないな」と思いました。お楽しみに。

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