GARNET CROW20周年企画で担当者さんが頑張ったお仕事の数々を勝手に推測する
はじめに
初noteになります、じゃっこと申します。
GARNET CROW(以下ガーネット)は、5周年のベスト盤を中1の時に初めてのCDとして親からクリスマスプレゼントしてもらった時からのファンです。
大学2年生の時にガーネット解散を迎え、新卒でベンチャー(大きめ)の新規事業で1年半ほど某コンテンツの企画職を務めた後、現在は別のベンチャー(中くらい)でデータアナリストとして働いています。
先日大阪で開催されたガーネット20周年のイベントには、東京から単身参加し、無事一人で号泣している女と相成りました。(そしてなんと一枚も写真を撮っていなかったのでサムネは下のツイートからお借りしました……)
涙の半分くらいはこの企画を最後までやり遂げてくださったGIZAの担当者の方への感謝でした。私自身、前職では音楽産業の端っこを齧るような仕事をしており、この企画にあたって担当者さんが苦労されたであろう部分を身を以て知っていたため、余計に勝手に一方的に共感していました。せっかくなので、担当者さんが成し遂げてくださったお仕事の難しさ凄さを、ガーネットファンの皆さまにも共有できたらなと思い、今回の記事を書くことにしました。
20周年企画で行われた施策一覧
Twitterの公式アカウントから発表順でリストアップしました、抜け漏れあればご指摘ください。
2020/03/29 20周年企画告知(URL)
2020/06/05 20周年企画公式サイト・Twitter開設(URL)
2020/06/05 20周年メッセージ募集(URL)
日テレプラスでの施策決定
2020/08/08 記念Tシャツ全20種類販売決定(URL)
~2021/3/29 「GARNET CROW Tシャツphoto投稿キャンペーン」( #gct着てみた)(URL)
2020/08/08 ミュージックフリークマガジンキャンペーン(URL)
2020/09/07 PREMIUM BOX Blu-ray 再販決定(URL)
2020/09/07 YouTube公式チャンネル開設決定・10月中旬(URL)
2020/11/9 MV44曲公開(URL)
2021/01/25 2021/03/24 Terminusライブ Blu-ray発売決定(URL)
2021/03/05 2021/03/10よりMusingでグッズキャンペーン開始(URL)
2021/03/20 2021/03/23 タワーレコード新宿店・特別展示決定(URL)
2021/06/30 20周年記念イヤホン販売開始(URL)
2021/06/30 GARNET CROW全楽曲のサブスク配信(URL)
付随したツイート企画を第4弾まで
2022/03/09 2022/4/29・30 映像上映会・写真展決定(URL)
2022/03/29 岡本仁志・SUPER LIGHT楽曲のサブスク配信(URL)
2022/03/29 写真集発売決定(URL)
めっちゃある……これに加えてまめに画像を投下してくださっていましたね。本当に感謝。
20周年企画の売上を推定してみる
まず企画者が何を目標に動いていたかを想像するために、何でどれくらい売上を立てていたかを推定してみます。いくら担当者さんがガーネット愛に溢れていても、GIZAも営利企業なので利益が出る見込みがないとそもそも企画が通らないはずで、プレゼンの前に一生懸命売上の試算をしたはずです。
上記の企画の中から売上が立つものをピックアップしてみます。
映像上映会・写真展(でのグッズ販売)
Terminusのブルーレイ発売
20周年企画グッズ
(楽曲のサブスク配信)
上から順に売上が大きいと思われます。
まずグッズはオンラインとオフラインでは売上の額が全然違うので、イベント開催が本企画の至上命題だったことは想定できます。家で冷静にパソコンの前にいるときよりも、イベント会場で周りも興奮冷めやらぬ空気の中流されて列に並んでいるときのほうが、財布の紐がガバガバになるのはご想像に難くないと思います。
またブルーレイも(映像さえあれば)少ないコストで高単価で売れるため、もう一つの軸になったでしょう。アニメ業界が円盤とグッズの売上で成り立っているという話を聞いたことがある方も多いと思います。
サブスクが一番下なの?と疑問の方もいらっしゃると思いますが、サブスクは実は単価がとても安い(1再生1円などと言われています(URL))ので、単体で収益を見込むというよりも、1・2の販促の一部として捉えた方がよいかと思います。
売上を雑に推定してみます。桁が合ってたらいいなくらいのガバさです。
まず映像上映会に参加するくらいの熱量のファンの人数を推定します。全4回のうち、私が参加した4/29の初回の参加者が(椅子の埋まり具合から目算して)200人強でした。この回が連休初日の、しかも早めの時間でしたので参加者も少なめだっであろうことなど諸々の事情を加味し、全体でざっくり合計1,000人くらいと想定します。
映像上映会・写真展(でのグッズ販売)
チケットが3,800円、私がグッズを1万くらい買ったので、客単価が1.5万くらいと雑置きします(もっと買った人と全く買ってない人をならしたらこれくらいかなと)。
1.5万 × 1000人 = 1,500万円
Terminusのブルーレイ発売
売上の目処が立たない(オリコンは枚数を開示してくれ〜)ので、映像上映会に参加するくらいの人数とします。
8,600円 × 1000人 = 860万円
20周年企画グッズ
5,000円/人とします。肌感ですが、オンラインはオフラインの大体半分くらいの客単価になるので。
5,000円 × 1000人 = 500万円
楽曲のサブスク配信
1再生1円として、1000人の人が平均してガーネット曲を10曲聞くとします
1円 × 10曲 × 1,000人 × 30日 = 30万円 / 月
というわけで、サブスクの占める比重が意外と少ないのがわかります。(ただサブスクは最初の設定さえしてしまえば半永続的に入ってくるので、短期的には少ないですが、1年で360万と数年経つと無視できない積み重ねにはなります。)
20周年企画の準備のために必要なことを推測してみる
上記の優先順位を念頭に置きつつ、施策のために必要なことを整理してみます。
グッズ制作やその素材となるロゴなどのデザイン整理
ライブやジャケット撮影の映像・写真の収集・整理
楽曲音源の収集・整理
映像上映会・写真展の準備
推測ですが、下に行くほど大変かつ重要度が高かったと思います。なぜなら下に行くほど権利者が多岐に渡っているためです。
特に下2つは担当者さんの想定を超えて難易度が高かったはずです。20周年企画開始が2020年で、サブスク解禁が2021年、映像上映会が2022年になったのは、元々2020年度内(Terminus円盤発売まで)+αに収める予定がずれこんだのではないかとゲスパーしています。
下記にそれぞれ難しい理由を詳述してみます。
楽曲音源の収集・整理
GARNET CROW周りの権利は全部Being GIZAが持っているんじゃないの?と思う方、多いと思います。が、楽曲の権利には著作権以外に原盤権というものがあります。著作権は著作者が「この曲を歌ってもいいよ/嫌だよ」という権利であり、概ねJASRACがまとめて管理してくれていますが、原盤権はCDなどの音源の利用についての権利で、アーティスト本人が持っていたりレコーディングスタジオが持っていたりします。
YouTubeなどで歌ってみたを上げるとき、アカペラや自作オケはOKで、CD音源のカラオケだとBANされるのは、著作権はクリア(YouTubeがJASRACと包括契約を結んでいるので)しているものの、後者はCD音源の原盤権に抵触するからになります。興味をお持ちの方はこちらのサイトがわかりやすいです。
映像上映会・写真展の準備
こちらは開催に2年かかったことからのゲスパーになります。
完全に推測ですが、当初はTerminusブルーレイ発売後、解散ライブの日付である2021年6月9日近辺あたりに実施する予定だったのではと仮定します。ちょうど新型コロナウイルスの第4波が猛威を奮っていた時期です。
特に会場そしてBeing GIZAの本社のある大阪は第4波の拡大スピードが凄まじく(URL)、メジャーデビュー日である3月29日あたりに発表予定だったところ既に感染拡大の兆しが見えていたため、直前で発表ごと取りやめたのではないかと思われます。
そこから再度開催するのに1年かかったということは、コロナの状況が読めなかったこともありますでしょうし、1年前に予約しないと取れない会場だったのかなとも思います。関西でそれなりの規模があり、かつGARNET CROWにゆかりのある会場となると、開催地である堂島リバーフォーラムかグランキューブ大阪くらいかなと思うので、やむなしでしょう。もっと小さな会場でも半年前から抑えるのが当たり前なので、この規模だと1年かかるのかな……という推測になります。
延期がなかったとしても、展示会で並べられていた写真はアナログのものもかなり多く、カメラマンさんの手元にあったものまで集めたとすると相当な労力だったでしょう。これは私の感想ですが、展示会で「ミュージックビデオはアーティストにとって歌とは別に世界観を表現できる数少ない手段だった」的な解説を見て、アーティストの発信手段はインスタ・Twitter・YouTubeなど、ほんの10年で一気に多彩化したんだな……としみじみとしていました。
とにかく感謝
以上が私が勝手に担当者さんのお仕事を想像し、勝手に感謝している内容になります。
これも本当に勝手な推測ですが、担当者さんは新卒社員などの音楽業界に不慣れな方だったのではないかと思います。コロナの影響のあった映像上映会はともかくとして、サブスク解禁が2020年度を大幅にオーバーしていることや、
こういったご指摘があったこと(私もライブの時のコールはガーネットだったな……と思っていました)からも、当時はファンでなかったかライブには行けなかったような若い方が、新卒で入社して初めて取り組んだ企画……みたいな妄想をしがちです。
私自身が新卒でイベントを開催した時、想定していたことが次々と実現できなくなり、ファンの方々に出さないほうがマシと言われたらどうしよう……という恐怖にずっと取り憑かれていたことがありました。
だからこそ担当者の方に強く申し上げたいです。
想定していたより時間がかかった、もしかしたらやりたいのにできなかったこともあるかもしれません、それでも今表に出ている部分だけでも、GARNET CROW20周年企画をやり遂げて下さって本当にありがとうございました。
上映会でファンの皆様と映像を見て、泣き笑いしながら初めて取り戻せた、当時の大切な気持ちや感覚が、確実にありました。
新卒の私のトラウマもついでに成仏させてもらった気もします。
そしてもし叶うのであれば、引き続きGARNET CROWを盛り上げる仕事を続けていただけると嬉しいです。課金するので……
ここまで全て妄想ベースで書いてあるので全然違ったら恥ずかしいなとか思いつつ、担当者さんが仕事を頑張って下さったことと、私の感謝は間違いなく本物です。一部でも皆さまに担当者さんの頑張りを伝えられていたら嬉しいです。
ここまで読んでくださった皆さま、そしてこの怪文書を添削してくださった中高の友人たち、本当にありがとうございました!
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