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JAEAの先輩職員をご紹介!(研究職)

佐藤 奈々
原子力科学研究所 先端基礎研究センター
スピンーエネルギー科学研究グループ

2019年度入社。東海村にある原子力科学研究所先端基礎研究センターで研究業務に従事。

JAEAに入社したきっかけ

私は学生時代から磁性物理の一つであるマグノニクスの分野で研究をしていました。大学院で博士号を取得した後、ポスドクとしてドイツの研究所で3年弱働いていました。ドイツでポスドクをしていた際に、JAEAから留学で来ていた研究員の方に、JAEAで研究職の公募が出ていることを教えていただきました。もともと、研究に専念できるという観点から、いつかは国立の研究所で研究員として働きたいと考えていましたので、大変良い機会だと思い、応募しました。

仕事風景

研究職の仕事について

私の専門分野は磁性物理・マグノニクスで、主に磁気の波であるスピン波について研究しています。試料作製には電子線描画装置やスパッタ装置を用い、磁性体をマイクロメートルからナノメートルオーダーに微細加工します。完成した試料にマイクロ波や電流を印加して、スピン波の特性を測定しています。現在は、直流電流によってスピン波を発振させる磁性素子の研究に取り組んでいます。また、タンデム加速器というJAEAの大型設備を利用して、試料の新しい加工方法にもチャレンジしています。

試料と実験装置                試料作製の装置

JAEAに入社してよかったこと、残念なこと

JAEAに入社してよかったことは、様々な働き方の制度があることです。研究職は裁量労働制やテレワークで働くことができますし、子育て世代には時短勤務の選択肢もあります。私自身、小さい子供を育てながら働いていますが、子供の病気や急なお迎えに対応しやすくて助かっています。
一方で残念な点は、歩いていける距離に飲食店が少ないことです(笑)車で行けばいろいろお店はあるので、少しずつ開拓していきたいと思います。

学生時代の専攻と今の業務との関わり

学生時代は物理学を専攻し、学部4年生の時からマグノニクスの研究を続けています。学生時代に培った試料作製技術や測定技術は現在の業務でも活かすことができています。自分がこれまでやってきたことと、JAEAでの所属グループの強みを組み合わせた新しいテーマに取り組んでいます。
ちなみにこれまで原子力に関わる研究をしたことはありません。原子力機構と聞くと、「原子力に関することをやっているんだろうな」と思われる方が多いと思うのですが(かつての私もそうでした)、原子力に直接関係のない研究も行われています。

研究職の就職活動

アカデミックでの就活となると、募集のあるタイミングもいろいろなので、早めに考えてアンテナを張っておく必要があるかと思います。私はJREC-INの公募情報メールや学会誌の募集欄をチェックしたり、研究所の公募情報を確認するなどしていました。そうした中で興味のある研究グループが見つかったら、直接、そのグループの研究員の方々とお話をして、自分の研究とそのグループの研究分野のマッチング具合、お互いの強みを活かして新しく始められそうなことなどを考えてみると良いかと思います。
原子力に関係のない分野の方でも、JAEAで続けられる研究があるかもしれません。ぜひ選択肢のひとつとして検討してみてください!