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JAEAの先輩職員をご紹介!(技術職)

齊藤 将大
安全研究・防災支援部門 原子力緊急時支援・研修センター
防災研究開発ディビジョン 緊急時対応研究グループ

2021年度入社。毎年、各地方公共団体が実施する原子力防災訓練に参加し、訓練の評価・助言を実施。
昨年度内閣府受託事業においては、原子力防災資機材のデータベース作成を担当。
現在、各地方公共団体の災害対応能力向上に向けて、原子力災害時に避難する住民に対して行われる汚染検査(避難退域時検査)を模擬するシミュレータを開発中。

原子力緊急時支援・研修センター(NEAT)の航空写真

入社の動機など

私は茨城県出身で、生まれてからずっと茨城で育ってきました。この土地と、この土地に住んでいる人たちに少しでも社会貢献したいと思いながら、就活に取り組んでいました。また、私は生物系の人間で、放射線の生物影響について研究していたこともあり、自分が培ってきた放射線等の知識を活かせるような場所に就職したいと思っていました。そんな中、JAEAの夏期休暇実習に参加し、原子力災害、原子力防災について知りました。福島第一原子力発電所事故により生じた震災関連死、風評被害、住民の不安等、様々な実情に触れて、「今後二度と同じようなことが起こらないように自分に何かできないか?」と感じるようになりました。そして、JAEAでは原子力発電に関連する研究開発だけでなく、原子力防災に資する技術研究開発にも取り組んでいることを知り、ぜひここで働きたいと思い、入社を志望しました。

今取り組んでいることなど

福島第一原子力発電所の事故を機に、日本の原子力防災の体制は大きく見直されました。今の体制では、原子力発電所から5㎞圏内の住民は原子力発電所から放射性物質が放出される前に30km圏外へ避難し、原子力発電所から30㎞圏内の住民は放射性物質が放出された後、国・自治体の指示に基づき30km圏外へ避難することになっています。このように計画的に避難することで、被ばくの恐れを低減させています。
私が今取り組んでいるのは、各地方公共団体が原子力災害時に展開する避難退域時検査の会場レイアウトを最適化させる業務です。避難退域時検査とは、放射性物質が放出されてから避難する住民に対して行われる放射性物質の汚染検査を指します。原子力災害時、住民は車で避難することが原則になっており、避難退域時検査では、まず、車の汚染検査をして、そこで高い汚染が確認されたら、住民に対して汚染検査が行われるようになっています。この検査を効率的に行うために、どのように会場を展開・設営すればよいか検討し、検討結果を評価できるようなシミュレータを開発しています。
シミュレータ開発にあたってはゲームエンジンを使うことになり、私はゲームが趣味であることもあって、「ゲームをする側から作る側になってしまった!」とワクワクしながら開発を進めているところです。

入社してよかったと思ったことや入社前と感じたギャップなど

夏期休暇実習に参加して、職場の雰囲気を何となく感じ取ってはいたのですが、非常に恵まれた環境で働くことができています。私は人見知りなところがあり、なかなか悩みや相談を打ち明けることができないところがあったのですが、職場の皆さんが親身になって丁寧に対応くださり、大変感謝しています。
また、入社前はひたすらゴリゴリ研究開発に取り組んでいくことになるのかなと思っていましたが、実際に入社すると、その他にも内閣府や規制庁からの受託事業や、防災訓練への参加・指導・助言など様々な業務がありました。受託事業や防災訓練を通して見えてくる研究課題も時折あるため、原子力防災の現状を肌で感じながらそれらの課題解決に向けて研究開発を打ち出したり、進めたりしていくことが大きな業務のサイクルになっているように思います。

原子力緊急時支援・研修センター(NEAT)の支援棟

学生時代に培ってきたことは業務に活かせるか?

原子力防災は1つの専門分野ではなく、様々な専門分野が集まった集合知のようなものです。そういうこともあり、学生時代に培ってきた知識をそのまま活かすことは難しいです。場合によっては、職場の方々さえ知らない分野をゼロベースで探求する必要が出てくることもあります。それでも、先輩職員や、上司が様々なアドバイスをくださるので、安心して、自信をもって業務に取り組むことができます。

就活はどんなふうに行ったか

私は修士卒で入社しましたが、学部生のうちにリクナビなどで情報を収集し、大まかにやりたい仕事を考えていたりしました。
また、インターンシップはぜひ活用してください。私はJAEAの夏期休暇実習が入社の大きなきっかけになりました。細かい職務内容や、職場の雰囲気を知るにはうってつけです。

それから、自分が一生かけて何をしたいのか真剣に考えてみるのも良いと思います。学生から社会人になるということは(転職などを考えないのであれば)、一生かけてその仕事をすることになるわけです。
ぜひ、自分って何をしたいんだろう?と考えてみて下さい。
学業と就活を両立するのは大変かと思いますが、引き続き頑張って下さい!