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JAEAの先輩職員をご紹介!(技術職)

江森 達也
原子力基礎工学研究センター 燃料・材料工学ディビジョン
燃料サイクル科学研究グループ

2019年度入社。燃料サイクル科学研究グループに所属。
核燃料物質の計量管理、溶媒抽出法・抽出クロマトグラフィー法を用いた高レベル放射性廃液中の元素分離技術の開発に従事。

入社のきっかけ

JAEAを知ったきっかけは大学入学直後に行われたJAEAの施設見学でした。施設見学で様々な分野の研究紹介を聴いていくうちに、それまであまり興味のなかった原子力分野の研究開発に従事してみたいという気持ちが高まり、JAEAへの入社を志望するようになりました。

再処理技術開発から宇宙開発まで

私が所属している燃料サイクル科学研究グループでは、放射性廃棄物の減容及び有害度低減を目指して、使用済燃料溶解液や高レベル放射性廃液からアクチノイドや核分裂生成物を分離する研究開発を行っています。
現在担当している業務は、核燃料物質の計量管理、溶媒抽出法を用いた核分裂生成物の分離技術開発及びRI(放射性同位体)電池に用いるAm-241の分離技術開発です。
ここでは、2022年度から取り組んでいるAm-241の分離技術開発の一部をご紹介します。太陽光による発電が期待できない木星以遠の深宇宙探査機用の電源として、Am-241等のRIの崩壊熱を利用した電池のニーズが高まっています。私の役割は、宇宙用RI電池の実用化に向けて、Pu-241の壊変で生成するAm-241を分離・回収し、RI発熱体の実験に供することです。Pu酸化物粉末の加熱硝酸への溶解、溶媒抽出法や抽出クロマトグラフィー法といった手法を駆使した元素分離、沈殿・固化による回収といった工程を一貫して行う必要があるため、溶解や分離に関する知識や実験装置のスムーズなハンドリング技術が求められます。核燃料物質及び放射性物質を取り扱うため困難な作業の連続ですが、原子力の技術を宇宙開発に応用する一端を担えるといった面は非常にやる気に繋がります。

入社して大変だったこと

頭脳労働と肉体労働が同じくらいの割合であることが、慣れるまではかなり大変でした。特に核燃料物質を用いた実験を行う際は、事前に綿密な計画を立てた上で絶対に事故を起こしてはいけない緊張感の下、他の作業者に指示を出しながら自分も手を動かすことになるため、実験終了後は疲労困憊です。その反面、大変な作業の中で自分の思い描いていた結果が出た時は、大きな達成感を得られ、この仕事をやっていて良かったと思える瞬間に立会えます。

学生時代の専攻と今の業務との関わり

大学在学中は、使用済燃料の乾式再処理に関する研究を行っていました。現在は湿式再処理に関する研究開発を行っているため、直接的に学生時代の経験が活かせるわけではありませんが、再処理についての研究開発に携わることが出来ている点でモチベーションが高く仕事が出来ていると思います。

就活について

学部生のときから再処理関係の研究開発に関する業務に従事したいという思いがあったため、就職説明会や夏期実習にコンスタントに参加し、就活に向けてのイメージ作りを行いました。最終的にはリクルーターの推薦制度を利用し、無事入社することが出来ましたが、一般公募による就活も経験しておきたい気持ちもあり、バックエンド関連の業務を実施している民間企業への応募もしました。