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JAEAの先輩職員をご紹介!(技術職)

立野 嵩陽
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター 能力構築国際支援室

2022年度採用。核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)能力構築国際支援室で、アジアを中心とした海外及び日本国内の関係者(電気事業者・セキュリティ関係会社・政府関係者)向けのトレーニング・コースにおける講師及び教材開発等の職務に従事。

アジア向けトレーニングコースにおいて講義を行っている様 子

ISCN/JAEAとの出会いは偶然に【入社に至った経緯】

当時原子力専攻の修士課程の学生であった私は、博士課程への進学を考えていました。就職はまだまだ先だと思っていましたが、大学の必修科目にインターンシップがあったため、とりあえず国内唯一の原子力の総合的な研究開発機関という理由で、JAEAの夏期休暇実習への応募を検討しました。JAEAの夏期休暇実習は100種類を超えるテーマが用意されており、その中で私は自身の研究テーマと最も近かった化学系の実習テーマに応募を考えていましたが定員が埋まってしまい、代わりとなるテーマを探していたところ、「核不拡散・核セキュリティ」や「政策研究」という文言が目に留まり、「原子力にそんな分野があるのか!?」という驚きと、未知への好奇心を抱いた私は、「核不拡散/核セキュリティ/非核化に関する政策研究」というテーマの夏期休暇実習に参加しました。予備知識が皆無の状態での参加でしたが、そこで私自身が「核不拡散・核セキュリティ」という分野に強い興味を持ち、この世界に飛び込んでみたいと思ったことが、JAEAへの志望を考えた最初の瞬間だったと記憶しています。

原子力の平和利用にとても重要な存在【核不拡散・核セキュリティ】

「核不拡散・核セキュリティ」は、私のような原子力を学んでいた学生であっても、学ぶ機会の多くない分野ですが、実は原子力を持続的かつ平和的に利用するために必要不可欠であり、我が国を含む原子力の恩恵を享受する各国にとり、「原子力安全」と並ぶ大変重要な分野です。私の所属する課室では、アジアを中心とした国々及び日本国内の関係者を対象に、核不拡散・核セキュリティ強化を目的とした人材育成支援事業を展開しています。具体的には、JAEAの施設や経験・知識を活用し、トレーニング・コース提供を通じた、良好事例等の知識・経験の共有などにより、国内計量管理制度及び核物質防護等に関する実践的な能力構築に資する取り組みを行っています。ISCN発足以来の約10年間で日本を含む100を超える国々より5,000名を超える方々にトレーニング・コースに参加いただき高い評価を得ています。
私は、まだ入構2年目の若手ですが、上司や同僚に指導を仰ぎながら、英語・日本語を問わず講義を担当させていただいております。自身が学んだことをもとに教え方を工夫したこと等が功を奏し、参加者から高い評価を得られた時が最も達成感を感じる瞬間です。今後は、コース運営や開発にも積極的に関わり、所属課室に新しい風を吹かせていきたいと思います。
ISCNの人材育成支援事業についてもっと知りたい方は以下のリンクをご参照ください。

核物質防護実習フィールドにおいて説明している様子

JAEAの休暇は年間27日間!?

仕事を進めていく上で上司を含む先輩職員には丁寧にサポートいただけるので、不自由を感じることはほぼありません。福利厚生や給与に関しても不便に思うことは少ないです。一方で驚いたことは、お休みが多いということです。JAEAは採用時点で既に年次有給休暇が付与され、夏期休暇と合わせると年間でなんと「27日間」もお休みが付与されます。私は学生時代に研究、バイト、部活動、習い事に明け暮れていたため、それまでお休みというお休みがほとんどありませんでした。社会人になって「お休み=何もしなくて良い」ということを身体が理解するのに少し時間がかかりましたが、今では休暇中に趣味のドライブをしたり、友人と食事に行ったり、見分を深めるために調べ物をしたりと、ある程度有意義な休日を過ごせています。また、最近では介護や育児に関するサポートが充実しつつあるのも、ポイントが高いのかなと感じています。

見頃を迎えた国営ひたち海浜公園のコキア(東海村は日帰り圏内に素敵な施設やレストランが多くあります)

自分が学んできたことは役に立つが、それよりも大切だと感じていること

私の大学院時代の専攻は原子力安全であり、研究分野は放射化学という分野でした。原子力という観点から言えば今の仕事とそこまでかけ離れたものではなく、間接的には役に立っているという印象です。「核不拡散・核セキュリティ」は、技術的側面、政策的側面等の非常に幅広い分野が複雑に絡み合って発展してきた分野故に、複合的に理解をしつつ業務を進めていかなければいけない場面に多々遭遇します。しかもこの分野は、世の中の情勢や技術の進歩等により日々刻々と変貌を遂げていくという難しさもあります。そのため仕事を始めてから勉強したことの方が多くあります。先輩職員も原子力・理系に限らず文系の方々も一緒に働いています。大切なのは、自身の過去の専門分野に捕らわれず、新しいこと、自分の知らないことに対してアレルギーを持たず、積極的に知識向上を図っていくことだと感じています。

私の就活は情報戦【自分のことを知ってもらう&できるだけ情報を集める】

冒頭にも申し上げましたが、私がJAEAを志望したきっかけは、夏期休暇実習に参加したことです。夏期休暇実習は私にとって「核不拡散・核セキュリティ」という分野を知るのに非常に良い機会でしたが、同時に企業側(JAEA)にとっても学生をよく知る機会だったのかなと思います。夏期休暇実習は、通常1週間から長いと1か月程度、各部課室毎に数名の学生を受入れて実習を提供しており、この間JAEA側は、学生の為人を見ることができますし、学生にとってもJAEAに自分を売り込む良い機会でもあったのではないかと思慮しますし、いろんな職員の方とも接することができるので、聞きにくいようなこと(給与や就活の極意等)を聞けるチャンスもありました。JAEAに少しでも興味がありましたら、夏期休暇実習にご参加いただくことを強くお勧めします。(JAEA夏期休暇実習は例年GW頃に情報が公開され、6月頃が応募締切です。「JAEA夏期休暇実習」で検索!!)
また、就職活動は誰にとっても不安なものかと思いますが、できるだけ情報を集めれば、それらの情報がきっと不安払拭のための強い味方となってくれるはずです。
JAEAには原子力という様々な分野が集結している特性上、原子力に限らず多岐にわたるバックグランドを持つ職員が在籍しています。皆さんの専門がどこかで活かせるかもしれません。JAEAに興味を持っていただけますと幸いです。皆さんの就活の成功をお祈り申し上げます。