2割vs6割

東京都議会選挙の世論調査が、地方新聞にも掲載されている。前回の都議会選挙の記憶など全くないが、今回の選挙の注目の高さが伺える。

その中で、毎回何気なく見聞きしている「世論調査」という数字にスポットを当てていこう。新聞発表の世論調査の細部を見ていくと「無作為に発生させた番号に電話するRDD式を採用」とある。 

RDD式を用いての世論調査という事は、固定電話という事になる。固定電話に出る家庭で主婦層などが自宅にいる時間帯の世論調査となると、基本的に30歳~20歳の回答は極めて少なく、40歳~70歳の主婦層などが主な回答者で、その都民のごく一部の回答者の意見が紙面のトップを飾っているという見方も出来る。 

その一部の回答を参考にすると、「政党を決めている有権者」という問に、都民ファーストの会が26.7%。自民党が25.9%。共産党が13.0%。公明党が12.3%。民進党が8.4%。などの数字が並び、

注目の回答として、「まだ支持政党を決めていない」が57.2%で、「支持する政党がない」が36.2%という結果になっている。  

あくまで一部の回答者の意見であり都民全体の声という訳ではないが、支持政党を決めている人の数は、42.8%もいるという事実も見て取れる。約4割の人は支持政党があり、6割の人は支持政党がなく政治的無関心の可能性が高い。その6割の中の半分でも投票にいけば上々ではないだろうか。 

無党派層、浮動票などと一括りにされるが、都民の声の大多数は無党派層になるはずなのだが、如何せん投票という権利公使を放棄している人も多数いるので、議会制民主主義の国では声を上げていないのと同じだ。

偏った意見である事は承知の上だが、今回も支持政党を持つ人の候補者が当選するのは確実だ。一人区以外の複数当選する選挙区などはさらに支持政党の支援がある候補者の当選確率が高くなる。 

このように注目の高い選挙でも、中々厳しいのが現状だ。意図的に政治的無関心を仕掛けている側の勝利が濃厚ではあるが、政治・選挙に興味を持つ、重要さが分かるきっかけは今回の選挙で作れる可能性はある。支持政党がある人々こそ今回のような注目の選挙が心底嫌いなのだ。 

争点は出来るだけ曖昧で、地味で興味が持てない選挙というのが1番の理想である。無党派層、浮動票は少ないに越したことはない。その分、組織票が物を言うからだ。

都議会選挙は国政にも影響を与える。今回、自民党は厳しい現状ではあるが、自民党は何度も風向きの悪い選挙で大敗しても、議会運営の肝を熟知しているので次の選挙ではしっかりと議席を確保して再度与党に復帰したりする。支持者25.9%という数字を軽く見ないほうがいい。 

この国は、この2割の人の結束と議会制民主主義というルールの中で、権力の源は何なのかしっかり熟知している人々が動かいているのだ。その2割にしっかり対抗していくには、

とにかく選挙に投票にいくしかない。

一人の1票では何も変わらないなんて大きな欺瞞だ。一人の1票は権力なのだ。

6割の力はとてつもない力を持っていると私は確信している。都民の皆様の英断を期待している。




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