20代で外車を買うということ④ 〜ディーラーでの洗礼〜

こんにちは、ツカサです。

金持ちでも高給取りでもない普通の大卒4年目の20代サラリーマンが思い立って高級外車『ジャガー』の中古車を買うまでのお話の4本目です。

前回初めてジャガーの正規ディーラーを訪ねて車を探しに行き、見た目と若さから「アナタにXJは無理です」と、なかなかにクールな対応を取られたりしつつ、初訪問を終えました。

その後そのディーラーより「別の車両が入った」と連絡があり、もう一度訪問することにしたのでした。


1.再びのディーラー

今回入庫したのは、当初から探していたXJではなく、そのワンランク下の『XF』という、BMWで言うところの5シリーズ、ベンツで言うところのEクラスに該当するクラスのセダンでした。

前回の訪問でセールスさんに色々な言い方でXJ以外を勧められた結果、その時XJ以外をあまり知らなかった自分は、「確かに最初から自分で選択肢を狭める必要は無いし、他の車両を見てみても良いかもな」とも思うようになりました。

ですが前回は在庫の関係で、XEとXJそれぞれ1モデル1台ずつしか見られなかったため、今回は前回見られなかったXFも含め他の車両を見てみることにしたのです。

前回このお店で見たXJは、実物を見ると仕様や状態などが条件と合わなかったため、候補からは外れていました。

ですので、今回はXJ以外を見に行く前提での訪問です。


ディーラーに着くと、前回のセールスさんが案内しに来てくれて、展示車を見て回りました。

前回の訪問後、自分でもXJ以外のジャガー車について色々調べていたので、気になるところを重点的に確認していきました。

どの車両も、車内の装備や外観も必要十分で、正直この段階ではとても迷っていました。

見積りや支払いシミュレーションも出してくださり、様々な面から検討に検討を重ねすぎて検討使になりかけるくらいでした。

そして最終的に出した結論は、

『やっぱりXJを探す!』

ということでした。


理由は色々あったのですが、実物を見たことが一番大きな理由でした。

どういうことかと言うと、実物を見る前、ネットで画像などを見てるだけの段階では、車格も申し分なく、スタイリングもカッコよく見え、何ならXJにも似ており、車内の装備もXJと遜色ないと感じていました。

そのうえ車両価格や維持費などお金の面でメリットがある、ということを説明されて魅力を感じていました。

友人たちにもXFを勧められていたし、それだったらXFの方が良いとまで思っていたほどです。

しかし、初めて実物のXFを見た時に、画像で見て感じていたスタイリングと違う車両に見えてしまったのです。

恐らくこれが実物を見る機会がなく、XJもXFもXEすべて画像でしか見られない状態で説明だけ受けて買わなきゃいけないような状況であれば、きっとXFを選んでいたとさえ思います。


この時初めて、傷や汚れなど状態を確認する意味以外で実物を確認することの大切さに気付きました。

やっぱりネットだけじゃ分からないことってたくさんあって、実物見ると良い意味でも悪い意味でも思ってたものと違うことが多々あるなぁ、とその時実感したのです。


その後セールスさんにも、ご連絡いただいたことへの感謝も伝えつつ、XFではなく改めてXJを探していただきたい方向で決めたことを伝えました。

するとこの後、事態が一変します…


2.恐怖の尋問タイム


僕がXFではなくXJを探すと決意したことを伝えると、セールスさんは少し間を開けてから「そうですか…」と言いました。

そして続けて「どうしてXFじゃダメなんですか?」と尋ねてきたので、僕は素直に「実物を確認して色々気付いたこともあり、車両自体や装備や金銭面などから総合的に判断して、XJに軍配が上がった」という旨の説明をしました。

それでも「具体的に何がダメだったんですか?」、「XJのどの部分が良いんですか?」などと、念押しのように質問をされ、すべて素直に答えました。

その上で再度XFの金銭的なメリット等を説明されましたが、一度聞いていた話なので特段僕の考えは変わりませんでした。

するとセールスさんは「少々お待ちください」と言い残し、どこかに行ってしまいました。


3.店長襲来

しばらく待っていると、今度は別の社員の方が僕のところに来ました。


「お待たせいたしました、店長の◯◯です。」


なんと突然店長さん降臨です。

店長が来るとは一切聞かされておらず、しかも先ほどまでのセールスさんの姿もなく、状況がイマイチ飲み込めないまま、店長さんが口を開きました。


「XFは買わないことにしたと担当者からお聞きしましたが、どうしてでしょうか?」


先ほどのセールスさんとほとんど同じ質問です。

僕はなぜ同じことをわざわざ店長が聞きに来るのか理解できず、かつ同じ質問をされたことに若干の苛立ちを覚えながらも、先ほどと同様の説明をしました。

すると店長さんは、


「でもこっちはXFを準備して待ってたんですよ。それでも買わないということですか?」


僕を見下すような、舐めたような態度が透けて見える口調で、意味不明なことを言い出しました。


確かに今回はXJではない別の車両の用意ができたということで連絡をもらい、こちらとしても前向きに検討する意図で訪問しています。


しかし前回も今回も「今回入庫したXFを買う」などとは一言も言っておらず、あくまで見てから決めるというスタンスであることをセールスさんにも伝えたうえで来ています。

それなのに「お前のために車両綺麗にして待ってたんだからそれ買えよ」としか受け取れない内容で捲し立てて来るのです。


「あなたにXJの購入は難しいと思いますよ」

「こちらはあなたがXJをやめてXFにしたと思っていたんですから、XFを買わないなんておかしいじゃないですか」

「XFの何がそんなにダメなんですか?」

「こちらとしてもあなたに従業員のリソースを割いてるんですよ」

などと、なぜか僕が「XJは買えないはず」、「XFを買うに決まっている」と勝手に決めつけて、一方的に脅迫めいた身勝手な理由を、とても客に対するものとは思えない口調で次々と言ってきます。

仮にも店長という立場にも関わらず、途中からはこちらに対しての敬語も崩壊し、半笑いの酷い態度で馴れ馴れしく話してくるため、怒りを通り越して唖然としてしまいました。

そもそも「セールスのリソースを割いてやったんだからその車を買え」に関しては本当に意味が分かりませんでした。

確かにセールスさんは1回目も2回目も、若干進め方に疑問はありましたが、展示車の確認や、在庫車の提示、そして今回の入庫の案内など、様々対応をしてくださったのは事実ですし、その点については感謝の気持ちも持っていました。

ですが、本来それがセールスの仕事であって、買う買わないを決めるのは客という本質すら、店長さんの話では崩壊しています。

この時点で完全に、
「客としては見られてないな」
「店長からして舐めてかかってるんだな」

と判断しました。

好き放題言わせておいたら、終いには、

「本当は最初からXJって決めてたのにわざと冷やかしで来たんでしょあなた。違うんですか?」

とまで言い出す始末。

あまりに嘘のような出来事で、僕自身もこれが現実に起きていることなのか疑いたくなるほどでした。

ですが、さすがに僕もそこまでバカでも小心者でもありませんので、怒りの感情を抑えきれなくなってきました。

「セールスさんとは対応状況のご連携はされていないんですか?店長さんと話してても話の内容に齟齬があるようで埒が開かないので、セールスさんもこちらに呼んでいただけますか?」

内心腑が煮え繰り返っていましたが、あえて冷静さを全面に出すよう心がけて応対したものの、こちらからの都合の悪い問いかけには、店長さんはダンマリを決め込む始末。

「そこまで言うならセールスさんも呼んでもらって擦り合わせした方が良い」と何度伝えても、自分の立場が悪くなるからか、完全に無視を決め込んで話を逸らしてきます。

挙げ句の果てには、

「分かりました、私は忙しいんでもう行きますね」

と、なぜか話の途中で勝手に席を立ってしまいました。

最後に呼び止めて、

「録音もしてるので、ジャガーの日本法人に不服の申し立てをさせていただきます。」

とだけ伝えましたが、無視して行ってしまいました。


店長ともあろう人物がこの体たらくとなれば、仮にどんなに良い在庫がこの会社にあったとしても、絶対にここでは買わないと決心しました。



またしばらくすると、先ほどまでは絶対に出てこなかった最初のセールスさんがやってきて、僕の顔を見るや否や、

「すみません、◯◯(店長)が不快な応対してしまいましたか…?」

と聞いてくるので、カチンと来てしまい、

「不快なんてもんじゃありませんよ。もう結構です。御社では絶対に買わないと心に決めましたので。失礼します。」

と言ってそのまま店を後にしました。

4.闘いの後

自分でもこの話を書きながら、「これ本当のこと?嘘じゃない?」と思ってしまうほどですが、悲しいことに本当に起こった出来事なのです。

恐らく一般的な客層の年齢層の方々であれば、一切見たことも経験したこともないかと思いますので、到底信じられないかとは思いますが、これが若者が外車ディーラーに行った時の事実なのです。


僕も今まで何度も国産車ディーラーには足を運んでいますが、当然ながらこのような経験はしたことがありません。

ですので、あまりの応対の差に「これが高級外車の正規ディーラーなのか」と非常に落胆しました。

人を見た目で判断したうえに、「コイツは脅して押せば買う」と思われたのか、ただ舐められてて「何でもいいからさっさと在庫車買えよ」と思われてたのか、はたまた「本当にただの冷やかし」と思われてたのかは定かではありませんが、あそこまで明確にぞんざいな扱いを受けると、若干ジャガーというブランドそのものに対しても不信感を抱かずにはいられませんでした。


ですが、まだこの店舗しか訪問していませんから、決めつけるのは早いと考え、他の会社で良い候補車が出てきたらまた行ってみようと思いました。


するとその後、今度はまた違った経験をすることになるのでした…


ちなみに、ジャガーの日本法人からは後日丁重にお詫びを頂きました。笑


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