君が邪魔だったから映画の内容を覚えていない 感想

2020/2/1(土)
Conva(田野・警備員・吉原)のコントライブ「君が邪魔だったから映画の内容を覚えていない」を見に行ってきました。
なぜ見に行ったかと言えば、吉原さんとは面識がないんですけど、田野さん警備員さんとはよくお話しさせてもらってて、
言ってしまえば「知り合いがやるから」となってしまうんですけど、
じゃあ見に行った感想として「知り合いがやっていたから面白かった」と言うかと言われれば、一切そんなことは無くて、
贔屓目を抜きにしても凄かったと思います。
と、いいながらも完全に贔屓目を抜きに出来るもんなのかわかんないんですけど、いや、あれは贔屓目を抜きにしても凄かったはずです。
1つずつ感想を書きます。

いちいち偉そうです。
ちょっとネタバレになってしまう部分もあると思うので、お気をつけて。

コント1 「空港」
僕はこのコントが一番好きでした。
まず、導入の吉原さんと警備員さんの演技が圧倒的に凄かった。
あそこでまず演技力を見せられたからこそ、この公演全体が、本気であることが伺えたというか。
これは若干身内的な見方にもなってしまうんですけど、
あのシリアスさを見ながら、コント的には恐らくそれを壊しに来るのが田野さんなわけじゃないですか。
それの期待感も凄かったなって。
で、その田野さんが凄かった。地元の友達感というか、その温度感での会話がただただ気持ちよかった。
「やっぱあれやね、方言出ちゃうね」の一言で僕はもう完全につかまれてしまった。
掴まれてしまって以降は、もう一挙手一投足、全発言に心を揺さぶられて、ずっと笑ってたように思います。
大仕掛けのコントというよりは、それぞれの能力と人間性で魅せる、最高のコントだったと思います。

コント2 「サークル」
僕はコントが好きだし、自分でもやりたいんですけど、あんまりやらずに来たのは
キャラに憑依したりというのが苦手だからと言うのが大きくて、
だからこそ、このコントで、あらゆるキャラに自在に憑依したり抜けたりする2人に、
ただただ圧倒されてしまった。
内容的な部分に触れると、色んな人格が表れた後に出てきた「軸の吉原です」
がとにかく面白かった。多重人格であんなにしっかりした軸がいるの見たことない。
警備員さんの一言一言がちゃんとオタクなのに、ちゃんとツッコミとしても機能してて、
そんなちょうどいいところでずっと演技できるの?なんで?と思ってしまった。凄すぎる。
「吉原?」の一言のニュアンスで笑い取れるのって、相当な演技力ないと無理だと思う。

コント3 「待合室」
このコントはもうとにかく「田野さんの存在感」を感じるコントだった。
最初座ってるだけで、めちゃくちゃ変な人なのが一瞬でわかる異質さというか。
あの衣装選びがたまらないですよね、風俗の待合室とは思えないくらいの、カッターシャツ。
僕は「変な人が変な理論を持ってて、変な理論を語る」という状態が好きすぎるので、
「あの子が志田未来だとしたら、じゃあテレビに出ているあの子は…?」
ってなった瞬間にヤバすぎて度肝を抜かれてしまった。
まずそもそも、風俗の待合室で「14歳の母」見て泣いているのが異常すぎる。
その先にもっとイカれた想像力があって、ずっと変なこと言ってる。たまらんですよね。
ずっと呆れたような、邪魔くさそうな警備員さんのツッコミが完璧だった。

コント4 「16時45分」
ザ・コントという感じで最高でした。
相変わらずやはり導入の演技がシッカリしてるからこそ後半が映えまくるわけで。
「人殺し!」までめっちゃシリアスなのに、そのあとボロクソいわれる田野さんも面白すぎるし、
そこで一気にコントになるし、「医療ミス」の時だけブチぎれる田野さんも面白いし、
院長先生にめっちゃ怒られてるのも最高だし、「植物」のくだりヤバすぎるし、
あとこれは気のせいかもしれないんですけど「水とかちゃんとあげます」って言ってたような気がして
これが「植物」に掛かってるとしたら、相当怖い発言だと思うんですよね。
僕はコントにおいて「怖すぎる発言」が出る瞬間が大好きなので、ちょっと勘繰りすぎたかもしれませんが。

コント5 「ラストダンジョン」
今までのコントは警備員さん、吉原さんの上手さと多彩さを存分に味わってきたんですけど、
このコントは特に田野さんの凄さが際立ったコントだったと思う。
この公演全体的に田野さんは全編「ボケ」の立ち位置にいると思ってたんですけど、
ツッコミの位置に変わったこのコントでその凄さを感じた。
「ファーラ」「なんでだよ」
の田野さんの「なんでだよ」が妙に面白かったんですけど、あれなんなんだろう。
僕はネタの終わり方に関しては「面白さ」より「気持ちよさ」を優先しがちなんですけど、
今回の公演の全コントの中で、このコントが一番終わり方が気持ちよかったです。

コント6 「朱雀」
一転、めちゃくちゃバカなコントというか、一番脳みそ空っぽにして笑えるコントでした。
ここは特に吉原さんが凄かった、セリフ回しがひたすらに流暢で力強くて、
あの能力が無いと「朱雀!」のバカさ加減も出ないし、そこへの信頼感と、答えられる能力が
ただただ凄かった。
途中まで「オカマ」って言葉一回も言ってないのに、田野さんがちゃんとオカマに見えたのも凄かった。
そこも信頼感と言うか、そこを不安に感じたらもっと早めにセリフにいれちゃうと思うので、凄いなというのが。

コント7 「月のしずく」
コントの感想で「頭おかしいよ」と言ってしまうのも安っぽくて本当は嫌なんですけど、いや、でも頭おかしいよ。
単純に「笑った」という意味ではここが一番かもしれない。
サビで何かをする、というのはなんとなく誰もが分かったように思うけど、
そんな想像はるかに超えられたというか、それまでの真面目な演技なんだったのよというくらい、
ただただフルパワーで面白さをぶつけられて、笑いまくってたら、最後田野さんの決めポーズで
面白すぎる、これはヤバい、と思ってたら、吉原さんが「ビシッ」と敬礼決めて、
そのまま暗転していって、スピード感にただただ笑うことしかできなかった。

コント8 「遺品整理」
1本目のコントで本気度を見せて、最後でキッチリ演技で締めるというのは、
読後感というか、満足感みたいなのが凄かった。
それまでのコントが、大体誰か「主役」がいたのに対して、ここでは
全員が均等に主役だったというか、それぞれの見せ場を順番に作っていて、
本当に終わり方として完璧だった。

映像1,2 「田野&警備員の おさんぽGood day!」
田野さんの友人がやってるというのを聞いていたので、すぐに気づいたんですけど
編集がめちゃくちゃオモコロチャンネルだった。
それはさておき。
マジでこういう映像コント好きなんだよな~という感じ。
警備員さんの言うイベントが「結婚式」で、田野さんの言うイベントが「葬式」だったの
めちゃくちゃ面白かった。
あと、警備員さんマジで何でもできるのか?と思ったくらい、ロケの喋り方が上手かった。

映像3「CM」
映像めちゃくちゃかっこよく無かったですか?
オシャレな映像に映える3人だし、
編集の本気度とか含めて、熱を感じた。
あと、企業のチョイスめちゃくちゃ笑った。

映像4「カラオケ」(正式タイトルがうろ覚えだったのでこう書きました)
映像1,2のさわやかさに対して、ここで急にアングラなことしてくるの、たまんないですよね。
田野さんが「聞く!」っていうだけであんなに面白いの、なんなんだろう。
めちゃくちゃ笑っちゃった。

映像5 「ASMR」
これは映像と言うより、音声だけだったんですけど、
会場暗くなって音声だけ流れるから、マジで凄い悪いことしてる気分になりました。
めちゃくちゃ笑いながら、かつ「どんな顔すればいいのよこれ」と思いながら、
感じたことのない笑い方をずっとし続けました。
なんとなく全員共犯だったような気持ち。不思議な時間。

映像6 「会議」
警備員さんのビートたけし、最高。
もの凄いリアルな愛想笑いをしている吉原さん、最高。
段々足を崩していく田野さん、最高。
最後小走りで変えるビートたけしが面白すぎる。

映像7「田野&警備員の おさんぽGood day!(副音声ありバージョン)」
別れ話とタピオカを嫌そうに飲む田野さんの映像が同時に出てきたとき、
マジでおかしくなっちゃうんじゃないかと思うくらい笑った。
もはやどっちで笑ってるのかもよくわからないし、今自分がどういう感情なのかもわからないし、
めちゃくちゃ良かった。

それぞれのコント、映像の感想としてはこんな感じです。
皆言ってるけど、良すぎて凹んでしまった。
いや、これは本当に悪い意味じゃないんですけどね、当然。
本当に、これが映像として残ってないのがもったいなさすぎる~。
もしDVDがあったら買うし、定期的に見ては、凹んで、やる気を出してたと思う。
これを見て「何かやりたい」と突き動かされた人は多いと思うし、
そのうえで、それを実現できそうにないもどかしさを感じた人も多いような気がする。
それだけ、人の感情を揺れ動かした、ということでもあって、
それだけ素晴らしかったなと。
つまりは僕も何かやりたいわけですが、目の前に結構タスクが残ってたりもするので、
それを完遂しきったころに何かやれたらなと思います。

第2回があるならまた見に行きます。
見に行かないとまたこんな気持ちになれないので。

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