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大学のWi-Fiが遅い?快適に使えるかもしれない方法!

つい最近まで鍵なしなSSIDしかなかったり、運用ポリシーがないためどこまで利用データ、接続端末情報を大学側に取得されてるかもわからなく恐怖でしかない我が大学のWi-Fi。

そんな我が大学Wi-Fi、遅い、などという呟きをたまに見かけるので、解決できる"かもしれない"解決方法をご紹介します。あくまでも"かもしれない"です。改善する保証はないです。
「なんだこの程度か」って思われる内容ですが…このくらいしかクライアント側で対処できることはないので…。

結論から先にいうと、
「快適に通信したいなら速度が速い5GHz帯に固定してやりゃいんじゃね?」
個人的な低速化の考察は後述します。

Windows機の場合
(Microsoft Surface Book 2(内蔵Marvell製無線LANカード)、Windows 10 Pro Ver.1809の場合。無線LANカードのベンダによってはこの方法で設定できない場合があります。)
設定→ネットワークとインターネット→Wi-Fi
の順にたどり、画面右側の「アダプターのオプションを変更する」を選択します。

「ネットワーク接続」という画面が表示されるので、Wi-Fiのアダプタを右クリック。「プロパティ」を選択します(管理者権限を求められる場合があります)。

「Wi-Fiのプロパティ」という画面が出てくるので「構成」をクリック。

詳細設定のBandの値を「5GHz Only」に変更しOKをクリック。

これで変更され、5GHz帯のAP(アクセスポイント)にしか接続されなくなります。(設定戻さないと2.4GHz帯のAPに繋がらないのでご注意ください)。

Macの場合
お待たせしましたTerminalタイムです。
まずは

/System/Library/PrivateFrameworks/Apple80211.framework/Versions/A/Resources/airport

のパスを通します。
その後Terminalを起動し、

$ airport -s

を実行。周囲のアクセスポイント一覧が表示されるので、36チャネル以降の最も近そうなAPのチャネル数を確認しておきます。
その後

$ sudo airport -cチャネル数

を叩けばそのチャネル数のAPに接続される…はず。ただ手元のMacBook Airで試したんですがなんかうまく固定されないんですよね。なんでだろう。

Windowsマシンのタスクマネージャからリンク速度を確認してみると、
2.4GHz帯はIEEE802.11n(HT20、2*2 MIMO)

5GHz帯はIEEE802.11ac(HT20、2*2MIMO)。

※教室によっては5GHz帯でもIEEE802.11nになります。詳細は後述

でリンクされているのが確認できます。

スピードテストをするとこんな感じに。
2.4GHz帯だと

こんな感じだったのが、5GHz帯だと

こんな感じに。

そこそこ人がいる状態のホール(しかもスクショ日は2019年1月9日とWindows Update実施日でもありトラフィック的にはかなり増えている…はず)で検証したのですが、かなりの差を実感できます。APへのアクセスが集中していないこともありPingが速いことも確認できます。ご覧の通り測定サーバは固定しています。

今回の対処法の注意点として、トイレや大学ホールからライブラリの方へ抜ける廊下等ビル共用部、及びカフェテリアへ登る階段のあるあたりは周囲にAPが少なく電波強度がかなり下がります。また、廊下も全体的に決して強いとは言えないイメージです。
電波特性的に周波数が低いほうが直進性が低くなり障害物に強くなる都合上、Wi-Fiに接続し通信しながら学内を移動する際は電波強度が下がり切断される可能性があるため5GHz帯に固定することは推奨しません。
また、設定を戻すのを忘れると手持ちのモバイルルータやテザリングに繋がらなくなったりと厄介なことになりがちです。必ず元に戻すことを忘れずに。

…………………………………………

…ということで以下個人的考察。

我が大学のWi-Fiが低速化する、ということで、現状個人的に把握している問題として

・AP数が多すぎる
・Cisco Aironet 1142N、同1702iが混在
・ローミングがコケる
・<s>(講義中にPC、スマホ、Switch等でオンラインゲームやってるゴミクズが多すぎる)</s>

以上3(4?)つが挙げられます。

1つ目のAP数が多すぎる、についてはご覧の通り。
各教室に最低1個ずつ、ラウンジに至っては2個もあるではありませんか。ラウンジのあの面積にAP2個もいらないです。
AP数が増えれば互いに干渉を起こす未来は見えています。

おそらく干渉対策で各APの電波送信出力はコントローラ側で調整され抑えられているものと推測しますが、それが故に後述する3つ目の問題に直面しています。

2つ目の複数の種類のAPが混在している問題。
これ、天井をよく見ていると気がつくと思うんですが、うちの大学のAP、2種類あるんです。
おそらく旧校舎から持ってきたと思われるCisco Aironet 1142Nと現校舎に移行してから導入したと思われるCisco Aironet 1702i(型番はうろ覚えなんで間違ってたらごめんなさい)が混在しています。

ホールにあるCisco Aironet 1702i

キャリアセンターにあるCisco Aironet 1142N


Aironet 1142Nは11a/nまで対応、同1702iは11acまで対応と対応規格に差があります。きちんとすべての機器が同一規格で設定されていればAP間のローミングに問題はないはずなのですが、なぜか我が大学は1141Nは11a/n、1702iは11ac(HT20)で設定されています。おかげで3つ目の問題点であるローミングにコケます。

※Wi-Fiにおけるローミングとは
移動中に電波が弱くなった際、より電波強度の強い同一名のSSIDを吹いているAPを探し通信を切断することなくAPをつなぎ替えること。携帯でいうハンドオーバ的な感じ。

3つ目の問題、ローミングがコケる。
2つ目の時点でかなりガッツリ触れてしまっているのですが…追加で。
1つ目の問題で、電波送信出力は抑えられてるものと推測する、と記載しました。これも問題の1つです。
Wi-Fiのローミングにおいては各メーカごとに基準値を設けており、一定の電波強度を下回った場合に接続先を切り替える挙動に移ります。
例えばMacにおいてはAppleがデータを公表しており、

macOS クライアントは、現在の BSSID の接続状況を監視し、RSSI がしきい値 -75 dBm を下回るまでその接続を維持します。RSSI がしきい値を下回ったら、macOS は現在の ESSID でローミング先の候補となる BSSID をスキャンします。
ワイヤレスセル間で想定される信号のオーバーラップ範囲を考慮して、このしきい値を検討してください。macOS は、しきい値である -75 dBm を下回るまで接続を維持しますが、5 GHz のセル間のオーバーラップは -67 dBm になるように設計されています。この場合、クライアントは現在の BSSID に想定よりも長く接続し続けることになります。

macOS のワイヤレスローミング (法人のお客様向け) - Apple サポート
https://support.apple.com/ja-jp/HT206207

という記載があります。
要は電波出力が低いために電波環境が良いはずであるAP直下にいたとしてもRSSIが低下、結果としてローミングの挙動に入る回数が増えコケやすくなっているのです。
また、5GHz帯のしきい値がより厳しくなっていることから、条件を満たした5GHz帯のAPをすぐに見つけられずに低速な2.4GHz帯に落ちがちです。これが原因で2.4GHz帯のトラフィックが増加、速度低下を感じる原因になっているものと考えられます。
そのため、一見大学Wi-Fiが混んでいるように見えても5GHz帯は割と空いていることが多々あります(まあそもそも2.4GHz帯でHT20を干渉しないように設定すると3チャンネル分しか取れないしBluetooth等もモロにそこ使うので2.4GHz帯の干渉ひどい説もあるけど。Wi-Fi Analyzerで見るとなかなか素晴らしい事になってる)。

4つ目に関してですが、括弧書きにしてあるものの実はこういった公衆Wi-Fiから見るとオンラインゲームは結構痛いのです。
オンラインゲーム、ゲーム中に通信するパケット量自体はそこまで多くないものの、基本的に常時何かしらの通信を行っています。
Wi-Fiは基本的に親機と子機は1対1でしか通信ができません。よって1つのAPに複数台端末が接続され通信している場合、複数台と同時に通信することはできないため、通信する相手を高速で切り替え順次データの送受信を行っています。トランプを配ってるのと同じような感覚ですね。
そのため、トランプを配っているとき同様に自分に配られていない時間が発生します。また、親機側も通信する相手(子機)を切り替える際、相手先を探す等の挙動をするため一瞬誰とも通信していない無通信状態が発生します。
つまり、オンラインゲームのようなダラダラとパケットを流し続ける通信をされてしまうとそれだけでWi-Fiのキャパを奪ってしまうのです。<s>そもそもWi-Fiでゲームするとか不安定だし遅延も増えるしあり得ないでしょ…ゲーマーとしてどうなの?</s>

所感
こんな事書いといてアレですが、最初に述べたとおり運用ポリシーがないので、 我が大学のWi-Fiを使用することはおすすめできません。接続したデバイスの情報(MACアドレス等)、通信しているパケット等どんなデータを取られているかもわからない恐怖を味わうくらいだったら素直にWiMAX等のモバイルルータを持ったほうが良いのではないかと感じています。大学に来なくてもどこでもサッと作業できますしね。
<s>とりあえず講義中ゲームやってるゴミクズどもはチカチカして目障りだしマウスやキーボード、コントローラの操作がカチカチうるさくて耳障りだし回線食い潰すしの迷惑3コンボキメててド顰蹙極まりないのでさっさとおうちに帰って、どうぞ。</s>

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