"USB"を理解しよう! -番外編 Thunderboltとは?-

第4回でちらつかせた"Thunderbolt"。Macに昔から搭載されており、疑問に思った方も少なくないだろう。
ここでは、Thunderbolt規格について解説していく。

Thunderboltとは、AppleとIntelが制定したデータ転送規格であり、PCI ExpressとDisplayPortを元としている。現行のThunderbolt 3ではPCI ExpressとDisplayPortに加えUSB3.1 Gen 2も元としている。PCI Expressを使用することで帯域幅を広げ、高速なデータ転送が可能となっている。
利用端子は初代Thunderbolt、Thunderbolt 2はMini DisplayPortを、Thunderbolt 3にはUSB Type-C。
初代と2はDisplayPortのAlternate Mode、3にはUSB Type-CのAlternate Modeが使用されている。

ここでThunderboltの詳細を世代別に見ていこう。

・Thunderbolt(初代)
対応プロトコル→PCI Express 2.0、DisplayPort 1.1a
最大転送速度→10Gbps*2レーン(最大10Gbps)
最大電力→10W
端子形状→mini DisplayPort

・Thunderbolt 2
対応プロトコル→PCI Express 2.0、DisplayPort 1.2
最大転送速度→20Gbps*1レーン(最大20Gbps)
最大電力→10W
端子形状→mini DisplayPort

・Thunderbolt 3
対応プロトコル→PCI Express 3.0、DisplayPort 1.2 or 1.4(1.4対応はTitan Ridge搭載機のみ)、USB3.1 Gen 2
最大転送速度→40 or 20Gbps*1レーン(Thunderbolt 3)※、10Gbps(USB3.1 Gen 2)(最大40Gbps)
最大電力→15W(USB3.1 Gen 2)、100W(USB PD)
端子形状→USB Type-C

※一部の機器(2016年モデル以降のTouch Barを搭載したMacBook Pro 13-inchの右側2ポート等)ではPCI Expressのレーン数不足によりThunderbolt 3ポートの最大転送速度が20Gbpsとなっている。

Thunderbolt 3から端子がUSB Type-Cに変更になっており、通常のUSB3.1 Gen 2対応USB Type-Cポートとして利用可能となっている。
また、DisplayPortの出力も兼ねていることから、第4回で説明したAlternate ModeのDisplayPort出力にも対応している。
第1回で書いたとおり、USB Type-C端子はあくまでも形状の名称。Thunderbolt 3端子、及びThunderbolt 3対応ケーブルはThunderboltとして利用しなくとも、USB Type-Cとして上記2つには確実に対応しているという強みがある。
ケーブルや拡張カードを選択する際、値は張ってしまうが迷ったらThunderbolt 3対応製品を買っておけば確実、と頭の片隅に置いておくと良いだろう。
また、勘違いされがちだが、Thunderbolt 3はUSB PDについてはオプションであり、必ずしも対応しているわけではない点には注意が必要。

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