"USB"を理解しよう! -第6回 ここにも規格外!?USB Type-Cの変換アダプタ-

第4回から紹介してきているUSB Type-C。最新規格のUSB端子のため、既存の機器、PC等からスムーズに移行するためにアダプタが用意されている。
しかし最近、規格外のアダプタも主に通販等で販売されており、場合によっては機器を壊したり、最悪の場合火災等にも繋がりかねない。
ここでは規格として認定されているUSB端子の変換アダプタの種類、そして認定されていないアダプタとその危険について迫っていく。

まずは認定されているアダプタについて。

USB Type-Cにおいては

・USB Type-C to Micro-Bメス(USB2.0)
・USB Type-C to USB Standard-A(USB3.1)

この2種類の変換アダプタのみ認定されている。

例えばこういうやつ↓
・USB Type-C to USB Standard-A(USB3.1)

Belkin製もだいぶ手頃に。

・USB Type-C to Micro-Bメス(USB2.0)

逆に言えば、それ以外のアダプタは認定されていない。
特にUSB Type-Cレセクタプル(メス)を搭載したアダプタは絶対に作ってはいけない、とUSBIFの仕様書に明記されている。
規格違反のアダプタの代表例がこういったUSB Standard-A to Type-Cアダプタだろう。

サンワサプライのような大手ですらも規格違反アダプタを作ってしまっている(割とサンワサプライのType-C製品は規格に準拠していないことが多く、避けるのがベター)。

このStandard-A to Cアダプタ、一見最新のUSB Type-C機器を従来のPCや充電器等で利用できて便利なのでは、と思ってしまうかもしれない。しかし、このアダプタは危険である。一体どこが危険なのだろうか。
まず第一に、このアダプタを使うことで、USB Standard-A to Aケーブルという存在し得ないケーブルを作ることができてしまう。
このケーブルの両端にUSB充電器をつなぎ、両方のUSB充電器をコンセントにさしたらどうなるだろうか。もれなく燃える。
片側がPCのUSB端子であっても同様だ。USB Standard-A端子は接続した瞬間に電気が流れてしまうため、同様に故障、火災の原因となりかねない。
また、第4回で紹介した通り、USB Type-Cでは"USB Type-C Current"という電源供給規格があるため、電源供給量が従来に比べて大きくなっている。
このアダプタにUSB Type-C to Type-Cケーブルを接続してUSB Type-C端子を搭載したスマートフォン等をPCや充電器へ接続した場合、スマートフォン等側が正しくUSBケーブルの種別を認識できず、いきなり3A等の大電流を求めかねない。
この場合、PCやUSB充電器側に過電流保護回路が搭載されていない限り、PCや充電器側が無理してスマートフォン等に電源供給を行ってしまい、これまた故障や火災の原因になりかねない。

このような理由から、規格違反のアダプタを利用することは非常に危険である。
一応Amazon Marketplaceの出店規約にUSBIFの定めていないUSB Type-C製品は出品してはいけないという記載はあるのだが…守られていないのが現状。
くれぐれも認定されている2種類のアダプタ以外は購入、使用しないよう、気をつけていただきたい。

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