国内NFT普及の変遷1️⃣個人クリエイターの活躍(2021年下半期〜2022年上半期)
デジタルアートが売れている!と話題に
米国人アーティストのビープル(Beeple)のNFTアート“EVERYDAYS: THE
FIRST 5000 DAYS”が約75億円で落札されたのが2021年3月。
その他にも、海外NFT市場では、CryptoPunksやBored Ape Yacht Club(BAYC)のような巨額のNFTアートの取引が増え、2021年は「NFT元年」と呼ばれるほどの盛り上がりを見せた1年となりました。
僕がNFTに興味を持ち始めた2021年後半。日本国内のNFT界隈でニュースになっていたのは、Zombie Zoo Keeperさん(草野絵美さんの長男・当時小学3年生)でした。
日本国内においては、海外市場から少し遅れた2022年上半期にかけて、個人クリエイターの活躍により、日本国内のNFT市場は盛り上がりを見せました。
今回の記事では、2021年から2022年上半期にかけて、個人的に体験してきた国内NFT界隈の動向について、まとめてみます。
(2022年下半期以降にかけては別記事にて紹介をする予定です。)
世界的なNFT取引高の増加
下グラフは、2021年6月〜2022年12月までのOpenSeaの月間取引高をまとめました。(※OpenSea取引高は、https://dune.com/ よりデータ抜粋。単位はETHです。)
このグラフの通り、2021年6月の取引高60,000ETHから、2022年上半期は平均1,000,000ETHまで拡大、2021年から爆発的にNFT市場が拡大したことが読み取れます。
しかし、このグラフはあくまで海外市場が中心のデータとなっていて、日本国内の市場規模(売買高)は、世界の数百分の1程度しかないと、言われています。
続いて、下グラフは、2021年6月〜2022年12月までのイーサリアムの価格推移とOpenSeaの月間取引高を重ねたグラフです。(※OpenSea取引高は、https://dune.com/ よりデータ抜粋。左メモリ:OpenSea取引量、単位はETH。右メモリ:ETH価格、単位は円)
暗号資産(ETH)の価格下落によって、NFTブームの加熱感を低下させた、とも言われていて、2022年1月にピークを付けたOpenSea月間取引高も減少傾向となりました。(2022年6月からの取引高減少については、別記事にて触れたいと思います。)
2022年上半期まで 国内NFT界隈の動向
国内NFTアート市場の急拡大
世界的な盛り上がりを見せるNFT市場の中で、2022年上半期までに国内NFT市場で盛り上がったのは、個人クリエイターが制作した作品で、発行が1枚しかない「1点ものNFTアート」でした。
(特に、かわいい女の子が描かれた作品が多かったと感じています)
下のカレンダーは、僕が運営する「new NFT JAPAN TIMES」という個人クリエイターの新作販売スケジュールをまとめたものです。
2022年3月、4月頃は登録作品数が多く、平日で20件〜30件、金土日で30〜40件のNFTアートの販売が登録されていました。
もちろん登録されていないクリエイターも数多くいましたので、それだけ2022年上半期は、毎日多くのNFTアート作品が販売されていた、という時期でした。
相互応援が基本の温かい世界
「購入すること=お迎え」という言葉が出始めたのは、2022年初期だったと記憶しています。
NFTが購入されると、「お迎え、ありがとうございます!」「お迎え、おめでとうございます!」とtwitterでは、頻繁に投稿されていました。
これは、販売したクリエイターから購入したコレクターへのお礼だけでなく、購入したコレクターに対して、別のコレクターから「おめでとう」という投稿、別のクリエイターから販売したクリエイターへの「おめでとう」という、界隈全体でのお祝い・応援投稿が飛び交っていました。
このようなやり取りが多くなるにつれて、クリエイターとコレクター、コレクターとコレクターとがtwitterを介して親密になり、また、クリエイター同士も互いを応援し合う、とても温かい世界が出来上がっていきました。
今でも残る、とても素晴らしい「文化」や「風習」であると感じています。
2次創作の活性化
NINJA DAOのキャラクターであるCrypto Ninjaは、CC0(無料で商用利用が可能な著作権フリー)にしているため、2次創作が活性化していました。
NFTクリエイターによるオリジナルキャラクターが増えるのと同時に、その2次創作が多数描かれ、クリエイター同士でキャラクター認知を促進させる動きも活発でした。
「NFT投資」と2次流通の活性
NFTでは、2次流通(※コレクターが別のコレクターに作品を転売する)でも、クリエイターに対して、取引高×●%のロイヤリティが入る仕組みとなっています。
また、コレクターから高い価格を付けてもらえる(それを購入してもらえる)ことは、クリエイターとして高く評価されたと意味するので、クリエイター側も2次流通を歓迎していた傾向にありました。
クリック競争が起こるクリエイターのマーケティング施策
これまでお伝えした通り、2022年上半期は、個人クリエイターが活躍した時期でした。
しかし、当時のNFT界隈では、超有名な絵描きさんは少なかったと思います。
逆に、「(絵は小さな頃から好きだったけど)本格的に絵を描き始めて◯年です」「本業は、イラストやデザインとは全く別な仕事をしています」というようなクリエイターが多く、売れているNFTクリエイターでも、世間一般にはほぼ無名、という人ばかりでした。
もちろん、個人クリエイターも知ってもらわなければ作品を買ってもらうことができず、個人クリエイターは作品を作りながら、マーケティングに苦戦する、という状況でした。(この状況は、現在も続いているかもしれませんね)
そのようななかで、出せば売れる、クリック競争になるクリエイターには、いくつかの特徴があったように思います。
それは、絵が極端に上手くなくても、twitterでコミュニケーションを取っていること。twitterで顔を出さないまでも、コミュニケーションのなかから人となりがわかり、ファン層を獲得しているクリエイターさんは多くいました。
当時のNFTマーケティングの鉄則は、twitterを使った関係性の構築によるファンの獲得でした。
具体的に頻繁に行われていたNFTマーケティング施策をいくつか抜粋して紹介します。
NFT Giveaway
2022年初期、NFTをGiveaway(無料プレゼント)する企画が流行りました。
アカウントをフォローし、投稿をリツイートするなどの条件達成すると、抽選でNFT作品をプレゼントする、という企画です。
僕もたくさん応募しましたし、たくさん当選させてもらいました。
NFT買います企画
「NFTアートを買ってみたいけど、クリエイターをもっと知りたい」というようなコレクターが発信するtweet企画がありました。
個人クリエイターは、tweetに対して返信をする形で、自分自身の作品を紹介していました。
しかし、なかには、walletをみると残高がない、購入した形跡が見られない、といったweb3ならではのバレ方をした、フォロワー増やしだけを目的としたコレクターも多くいました。
NFT宣伝枠
買います企画と似たようなtweetで、自分の投稿に対して、宣伝を許可する宣伝枠投稿も目立つようになりました。
昨今は、たまに見かける程度まで減っていますが、当時は、宣伝枠投稿が数多くあり、同じ人がいろいろな宣伝枠に投稿をしている様子を見かけました。
NFT界隈に参入したきっかけ(体験記)
おまけとして、僕自身の体験記をまとめてみます。
僕は、仕事柄、新しい商品やサービス、ビジネスモデルの情報収集を心がけていて、2021年に暗号資産やNFT、VRなどを知り、触り始めたことがきっかけです。
仮想通貨(ビットコイン)を購入し始めたのは、2021年3月。
NFTを購入したのは2021年11月でした。
当時は、NFT関連情報がどこに落ちているのかわからず、世界最大のNFTマーケットプレイス「OpenSea」をただひたすら眺め、適当に売買をされている、変なうさぎを購入。NFT本体は0ETH(0円)でしたが、ガス代が0.0185ETH、当時のレートで9071円でした。。。
まずは買ってみる、という体験をするための目的だったので、高い手数料も致し方なし、でした。
ちなみに、同時期に、VRも触っておこうと考え、VRゴーグル「Oculus Quest2」(現在のMeta Quest2)を購入しましたが、ゴーグルを付ける手間と、付け続けると重いという不便さ・不快さから、1週間も経たずに飽きてしまい、1年後にメルカリで売ってしまいました。
「次はちゃんとした(?)NFT作品を買いたい」とネットで情報を探っていたところに出会ったのが、おにぎりまんさん。
関口メンディさんがおにぎりまんさんの作品を購入した!というニュースを見かけ、ミーハーな僕もおにぎりまんさんの作品をOpenSeaで眺める日々。。。
そして、2021年12月に購入した作品です。
あとでわかったことですが、関口メンディさんもオファーしていた作品でした!購入だけでなく、オファーの履歴もブロックチェーンに残っているのが、Web3のいいところですね。
NFTアート売買の実績
僕自身は、2022年上半期までに、約200のアート作品の購入をしています。ほぼ毎日、作品をお迎えしていたペースです。
また、同時期に、約120作品のNFTの売却(=2次流通)が成立しており、2次流通が活発であったことを、身をもって体験しています。
そして、売却した約8割の取引は購入金額より高値で売却、かつ、ほとんどが購入金額の◯倍で売却しており、「NFT投資」という観点でも儲けさせてもらった時期でした。
お気に入りのクリエイターと保有作品10選
最後に、僕の保有するお気に入り作品、お気に入りクリエイターさんを紹介します。もし、気になるクリエイターさんがいたら、リンクを辿ってもらえたら嬉しいです。
ジェネラティブ(PFPプロジェクト)の時代へ
海外では2021年頃から、Crypto Punksを筆頭に、BAYC(Bored Ape Yacht Club)、CLONE Xのようなジェネラティブ(自動生成)NFTが飛ぶように売れていました。
日本国内では、2022年になって国内NFTプロジェクト、特に、PFP(profile pictureの略)が増えていきました。
NFTを所有し、twitterなどのアイコン画像を、そのNFTにする、という行動が、所有欲を満たす1つとなっていました。
国内で、大きな流れを作ったのは、Neo Tokyo Punks(2022年3月)、Crypto Ninja Partners(2022年5月)、Neo Samurai Monkeys(2022年5月)、MEGAMI(2022年7月)あたりでしょうか。
NFTへの関わり方が大きく変わってきたと感じた時期が2022年中盤くらいからでした。
このあたりは、次のnoteで書きました ↓
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