見出し画像

北欧神話関連のおすすめ書籍

ギリシア神話ほどではありませんが、北欧神話の本も日本でたくさん出版されています。

新しい本は殆ど読んでいないので、発行年は古いのですが、私のお勧めはこの2冊。

① 谷口幸男訳 『エッダ ―古代北欧歌謡集』 新潮社 1973年
② 菅原邦城著 『北欧神話』 東京書籍 1984年


①は日本における北欧古典紹介の第一人者である谷口幸男先生による北欧神話の原典『エッダ』の翻訳書。
韻文の古エッダの全訳と解説、散文のエッダ(スノッリのエッダ)から「ギュルヴィたぶらかし」を収録。

訳注と解説が素晴らしいので、入門者向けの北欧神話の本を読んだ後に挑戦してみてもよいかと思います。

※ 散文のエッダ、第2部の「詩語法」(経験の浅いスカルド詩人のために書かれたテクスト)は収録されていませんが、国立国会図書館に谷口先生の翻訳が保存されているのでコピー依頼することが可能です。


②は北欧神話の世界をわかりやすく解説した書籍。
世界の始まりから諸族、神々について、それぞれの項目ごとに『エッダ』からの引用を交えながら紹介されています。
解説もわかりやすく、北欧神話の世界観を掴むのにオススメ。
絶版になっているので、図書館で借りるか、古書店で探してみてください。


どれを手に取っていいかわからない入門者の最初の1冊として
③ 谷口幸男著 『エッダとサガ 北欧古典への案内』新潮選書がおすすめ。
エッダの基本的な解説と、よく知られているサガのあらすじがそれぞれ簡潔に説明されています。

北欧神話を物語風に楽しみたいなら
④ クロスリィ・ホランド著(山室静・米原まり子訳)『北欧神話物語』青土社が良いと思います。私が最初に手に取った本はこれでした。翻訳ものですが、訳文がとても読みやすく、初心者向けです。

③、④は写真がなくてすみません。
私が持っている本は装丁が古いので……。
(どちらも新装版が出ています)


最近出た新しい本の中にも読みやすいものがあると思うので、気になったら書店で試し読みしてみるのもいいですね。


私はヴァイキング時代を舞台にした歴史物語を書くので、どちらかといえば神話よりも実際にその時代を生きた人々の物語であるサガに惹かれました。また、中世初期北欧の社会史や地理、考古学の分野に関心があります。
とはいえ当時の北欧人の思考を推察したり、スカルド詩に用いられるケニング(特徴的な比喩表現)を読み解くには北欧神話の素養が必要不可欠なので、上記の本たちは非常に役立ってくれています。

社会史関連のお勧め書籍は、別の機会に。


※この記事は今後も必要に応じて更新します

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?