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臆病者が何かを始めた試しはなく弱者は生き絶え残ったのは私たちだけだ。

SHOE DOG 靴に全てを

本書はナイキの創始者フィルナイトの自伝である。彼が大学をでてからオニツカタイガーの輸入業者ブルーリボンを立ち上げてからナイキを立ち上げるなど、彼の人生の捧げた靴の話がなんと400ページ超も書かれている。

勝利への飽くなき欲求

本書400ページ超もある中で、著者のフィルナイトが一貫して伝えたいメッセージが存在する。それが勝利だ。どのページにおいても勝つこととは何か、勝つことがいかに重要かが書かれており、著者の勝利への飽くなき欲求がひしひしと伝わってくる。それは彼が負け犬だったからに他ならない。

大学生時代の陸上部で彼は優秀ではなく、かといって目立って下手というわけでもない。学業の成績も普通、そして仕事として一般的に勝ち組とされていた銀行員や会計士、ビジネスマンにならず靴を訪問販売する仕事を選んだ。これが彼が自分を負け犬と比喩する所以である。だからこそ彼は勝利に貪欲なのだ。

「臆病者は何かを始めた試しはなく弱者は生き絶え残ったのは私たちだけだ。」というフレーズは著者が本書で頻繁に使う言葉だ。この言葉に彼の人生の全てが詰まっているといえよう。生き残るためには勝利以外の道はない。

負け犬が真の勝者へ

著者はナイキを維持、成長させて行く上で、ありとあらゆる困難や敵と戦ってきた。それは資金面であったりライバル企業であったり、仲間であったりする。しかしどんな苦境に追い込まれても常に勝利をもぎ取り、ナイキをアディダスをも抜くウルトラ企業にしたフィルナイト氏は真の勝者と言えるだろう。負け犬になることこそが勝者になるための一番の条件なのかもしれない。そして何より誰よりも靴を愛していただろう。

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