愛着バグ

1994年生まれ。好きな食べ物は家系ラーメン。

愛着バグ

1994年生まれ。好きな食べ物は家系ラーメン。

最近の記事

暗号の話をちょっとだけ①

こんにちは、愛着バグです。いつもぼんやりしています。 映画『イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密』を見て、暗号とは、チューリング先生とはなんぞやと思い図書館に行って何冊かの本を読みました。 その後に映画を見たら、セリフや画面に映っているものがよりくっきりとして、ストーリーの流れや好きなシーンも初見のときより増えて楽しかったので、今回は暗号について、後から知ってよかったなあと思ったものを書きますね。 画面には映画を、手元には紙とペンを用意して見ていただけ

    • 雪の心象風景

      年末にコンサートに誘ってもらった。 披露された曲はどれも聖歌のようで、祈りや宇宙の言葉にたっぷりと音楽が編み込まれていた。 ステージには満点の星空が映されていた。ピアノの前に座る彼の故郷の空だという。偶然にも私の故郷の空でもあった。 反響する音の余韻が残る帰り道、誘ってくれた彼は先ほどまで目の前にいたアーティストと青森出身のロックバンドの名を並べてつぶやいた。 「2組の音楽のテイストは全然違うんだけど、通じるところはある気がするんだよね」 この2組に限って言えば、表現は

      • タイガーリリーを思い出した

        ののかさんのnote「五体満足なのに、不自由な身体」を読んで、ヘルタースケルターのタイガーリリーみたいだと思った。 岡崎京子先生のヘルタースケルターをご存知だろうか。美への執着と破滅についての、現代の寓話のような話である。 タイガーリリーはそもそも登場人物の名前ではない。作中で全身手術や薬などの大きなリスクを冒して美や賞賛に執着する主人公を「タイガーリリー」と呼ぶ場面があった。本来はピーターパンに出てくる部族の族長の娘の名前だが、果敢な女冒険者の意味で使っていたと思う。

        • 座椅子①

           昨日と今日で引越しをした。大学入学とともにずっとそこに住んでいたので、6年弱住んでいたことになる。学生時代からずっと過ごしていた部屋から離れるのはすごく寂しい。  昨日はおとといまでに全然終わらなかった荷造りをトラックが来るまでものすごい勢いで行っていた。さまざまな理由で今まで捨てられなかったたくさんのものを捨てた。いくつかの家具も新居までもっていかずに捨てることに決めた。  捨てることに決めたもののなかに茶色い座椅子があった。この座椅子は大学に入学してわりとすぐに買っ

        暗号の話をちょっとだけ①

          ラッキーな星の下

          私は農業を営む父方の祖父母と漁業を営む母方の祖父母に溺愛されて育ったため、テレビのリポーター並みの労力で旬の美味しい食材にありついて生きてきた。テレビのリポーター並みとはどの程度かと言うと、畑の横のビニールハウスにひょこひょこと入りトマトやナスを家に持って帰れるぶんだけもぐだとか、祖父が取ってきた魚を祖父がさばくところを祖父の解説を聞きながら見る、とかその程度である。リポーターより視聴者に近い。 土にもまみれず、磯臭くもならず、いわば本当に美味しいところだけを頂いてきた

          ラッキーな星の下