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英語のやり直しを始めたときに知っておきたかった省エネ単語学習

私の親しい先生たちに聞くと30代~50代の生徒さんてけっこう多いそうです。どんな理由で学んでいるのか聞いてみると、TOEICで高得点を取って昇進や昇給をつかみ取りたいとか、ビジネス英会話をマスターして転職したいという訳では無いようで、ほとんどの方は単純に英会話をマスターして旅行に行きたいとか外国人と英語で話してみたいとかのようですね。

でも、英会話をマスターしたいのにTOEICの勉強してるとか、一生懸命単語の暗記をしているという方も意外に多いようです。

さて、ここで質問です。

30代~50代のみなさんが自由に取れる時間てどれくらいあるでしょうか。学生時代と違い、昼間は仕事ですし、夜も帰りは遅いときもあるでしょう。仕事で疲れたまには酒でも飲みたい日だってあると思います。朝早く起きて英語学習するにしても何時間確保できますか? また、夜に自宅に帰宅してから何時間できますか?

冷静になって考えてみるとそれほど多くの時間は割けていないと思います。英会話のレッスン受けなきゃ、リーディングもしなきゃ、リスニングもしなきゃ、単語も覚えなきゃといろいろな物に手をだしてけっきょくどれも中途半端。

ええ、昔はわたしもそうでした(笑)


そんなに時間がたくさんあるわけないんですよ。ちゃんと働いている大人なら。ましてや、英語学習は時間のかかるもの。年齢を重ねていけば、夜は疲れちゃって眠いし、朝だってもっと寝てたいって思うことが年々増えていきます。

つまり、1日1時間とか2時間とかの限られた学習時間しかない訳なので、英会話を覚えたいだけなのであれば、余計なことに手を出してはいけないんです。

例えば、TOEICにも英検にも留学にもなんかのテストや試験にも興味が無くて、ただただ英会話のスキルを手にいれたいだけなのであれば、いくらの単語を覚えれば良いのかご存知ですか?


1000?
2000?
3000?
4000?
5000?


いいえ、たったの721単語なんですよ。


2013年に明治学院大学の英語教育学のチャールズ・ブラウン教授が同僚と最新のコーパスと手法を用いて第2言語習得者のために基本英単語リストを作成しました。ブラウン教授によると721単語で台本の無い話し言葉の約90%をカバーしていると言っています。

ブラウン教授が講演した動画がユーチューブにありますので、貼っておきます。


で、実際に本当に721単語で台本の無い会話を約90%カバーできているのか調べてみました。台本の無い普通の日常会話の文字起こしがすぐに見つけられなかったので、ここではアメリカの超有名トーク番組「エレンの部屋」に「モダン・ファミリー」で有名なソフィア・ベルガラさんが出演したときの文字起こしで検証してみました。

その動画がこれです。


そして、結果がこちら。

赤丸の部分が721単語でカバー出来たパーセンテージです。87%カバーしてるんですね。じゃぁ残りのカバーできていない単語って?と思われるでしょう。次の画像の単語が721単語から外れた英単語です。


なんかけっこう見たことや聞いたことある単語がありませんか? 

続いてはこちら。モーガン・フリーマンのインタビュー動画

そして結果がこちら。


87%カバーしています。

つまり、英語のやり直しを始めたときってなんだかたくさんの英単語を覚えないとこういう日本語訳がない動画を理解することなんて遠い夢の世界だと思っていたわけです。

しかし実際のところは721単語という重要単語が会話のほとんどを形成していて、知らない単語を単語アプリなんかで一生懸命覚えるより、この基本重要単語をしっかり自分の中に取り込んで運用できるようにすることのほうがより早く求める目標に到達できるわけなんですね。

例えば、takeやmakeやgetなんかは誰でも知っていて意味も分かると思います。しかし、語順やそれと組み合わさる前置詞などによってこれらの基本重要単語の意味は大きく意味は変わります。それをしっかり把握していないとよく見慣れている簡単なtakeやmakeやgetでも間違った意味で捉えてしまいます。

もちろん、たった721単語で本当に十分なの?と思われるでしょう。

このことを実感させてくれるのが「英語は3語で伝わります」の著者 中山裕木子さんの講演動画です。むずかしい単語や構文はほとんど使わず14分間喋っています。

中山先生の動画を見ると、改めて気づかせてくれるのがいつ使うか分からない単語を一生懸命暗記するのではなくて、いつも常に会話で使われる基本単語をより深く理解し、身につけることなんですね。そうすることで無駄な学習時間を減らすことができますし、またその単語暗記の学習時間を減らしたぶん、オンラインレッスンなどに費やすことができます。

721単語覚えたら、あとは勉強しながら語彙を増やしていけばいいだけです。

721単語のリストはチャールズ・ブラウン教授の下記ウェブサイトで公開されています。

しかし、これらのリストには日本語訳がついていないうえに発音記号も無ければ品詞も書かれていません。発音記号は大事です。英語初心者のうちは聞こえた音をそのまま発音する方が多いようですが、それだと先生に聞き取ってもらえないことも多いです。せっかく覚えたのに発音が悪いばかりに会話にならないのでは意味がありません。

また、品詞も英語の語順を決める上でとても大事です。英語は日本語のように主語や動詞を好きな場所に配置していいということは絶対にないからです。

なので、上記のリストに私が発音記号と定義を書き加え、さらに品詞別に分けました。これを無料で公開します。下記からDLできます。

さらに、私が自分の学習用にMemriseで作成した暗記用アプリも無料にて公開します。

https://app.memrise.com/community/course/6446296/ngsl-700-core-spoken-english-to-english/

ただ、こちらに関しては日本語訳はいれておらず定義も英語で書かれています。英英にした理由は英語学習者が学習を続けていくと遅かれ早かれ日本語脳から脱出したくなるときが来るからです。早めに慣れるに越したことは無いので英英で作成しました。

私が英語を勉強しはじめたときは、このリストの存在を知らずやみくもにiknow!で単語を詰め込んでいたのですが、もし初期にこれを知っていたらたぶんこれしかやらなかったです(笑)

だって、単語の暗記なんてできるだけしたくないじゃないですか。フィリピン人の先生たちに聞いても一生懸命がむしゃらに単語の暗記をやったとかほとんど聞いたこともないですし。

たぶん英検1級もってる日本人とフィリピン人の先生で単語テストやらせたら日本人が勝つと思います。でも、会話能力は?というとフィリピン人の先生のほうが間違いなく上だと思います。

ということで、今回は英会話のスキルを手に入れたい人に必要な単語数はたったの721ということをお届けました。じゃぁ、洋書よんだり洋画みたりもしたい人は何単語必要なの?と思う方もおられると思うますが、それについてはまた次回お話します。

それでは良い1日を!

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