Janguard: ジャーナリズム最前線レポート

アメリカの大学で報道を学ぶ大学生2人が報告する、ジャーナリズムの最前線 = journ…

Janguard: ジャーナリズム最前線レポート

アメリカの大学で報道を学ぶ大学生2人が報告する、ジャーナリズムの最前線 = journalism + vanguard。by 小宮貫太郎&ダンエディ 自己紹介は→https://note.com/janguard/n/n9ea8059eb7fb

最近の記事

中国メディアは新型コロナをどう報道してきたか(翻訳解説)

新型コロナウイルス危機の始まりの地、中国の報道機関は今回のパンデミックをどう報じてきたのか。ジャーナリズムを学ぶ大学生が、英語報告書を元に翻訳・解説します。トップ画像は国営テレビ・中国中央電視台の北京本部ビル。【この記事は計7322文字・約14分で読めます】 インサイト: ■武漢の地元紙は比較的初期段階に報じたが、保健当局の抑制的発表を受けて主要メディアも含め報道は一度下火になった。 ■ 中国のニュースメディアでは「2W(WeChat & Weibo)+1A(App)モデル

    • 米メディアの新型コロナ報道は、何が間違っていたのか(翻訳解説)

      インサイト: ■ 専門家でさえ確実なことが分からない新型ウイルスの報道においては「何が分かっているのか」に加え「何が分かっていないのか」「分かっていることでも変わる可能性があること」を伝えることが重要。 ■ ニュースにおいて早い段階から的確にリスクを伝えるのは難しく、こうするべきという正解はないが「パンデミックのニュースはそれが実際に起こる前は常に過剰報道に見える」ということは認識しておくべきかもしれない。 こんにちは、アメリカの大学で経済学とジャーナリズムを学んでいる大学

      • 新型ウイルスへの警鐘は読者に届かなかった。浮き彫りになったメディア不信とその対策(翻訳解説)

        ■「アメリカ国民の多くが当初、新型コロナ報道を他人事のようにスルーしていた。その原因はずばりメディアへの信頼が低かったから」と語る研究者の記事を、アメリカの大学でジャーナリズムを学ぶ大学生、小宮貫太郎( @KantaroKomiyaJP)が翻訳・解説します。 ■ 「アメリカではニュースメディアへの信頼度が1970年代をピークに低下し続けているが、メディア側にもその責任の一端がある」と説き、報道機関の多様性・透明性を高めるなどの対策を実例とともに紹介する記事。 ■ 日本において

        • アメリカ海外特派員クラブでスピーチしてきました

          上の画像の人物は、先月28日、Overseas Press Club of America(アメリカ海外特派員クラブ)財団学生賞の授賞式で壇上に立つ僕、小宮貫太郎です。 海外特派員クラブとは、AP・Reuters・New York Timesといった米国メディアの国際ジャーナリストらによって構成される業界団体です。このクラブの関連財団が運営する学生報道賞に日本人として初めて選ばれ、先月末、ニューヨークでの授賞式に参加してきました。 久々の投稿となる今回は、そこでの体験と僕

        中国メディアは新型コロナをどう報道してきたか(翻訳解説)

          2020年版、自己紹介

          「Janguard: ジャーナリズム最前線レポート」執筆者=小宮貫太郎・ダンエディの自己紹介です。 はてなブログからの移転に伴い、2020年3月時点の情報に更新しました。 小宮貫太郎 Kantaro Komiya 「ビジネスジャーナリズムとジャーナリズムのビジネスの二兎を追う」がビジョンの21歳。関心分野はアジア経済やテクノロジー、移民など。2020年度アメリカ海外特派員クラブ学生賞受賞者。 ジャーナリストとしては、これまでブルームバーグ東京支局やジャパンタイムズにて英文

          中国の”フェイクニュース対策”

           ご無沙汰しております。今年も夏は暑かったですね。私は今年9月から大学2年生になりましたが、夏の間はPrinceton in Beijingという北京で中国語を約2ヶ月学ぶプログラムに参加していました。幼い頃に何度か中国へは行きましたが、やはり中国社会の変容は凄まじく、数えきれぬほどの異文化体験ができました。  ジャーナリズム専攻を目指す者としては、アメリカや日本とは全く異なる中国メディアの体制に最も興味を惹かれました。そこで、アメリカへ帰国した後にリサーチをしていた所、アメ

          中国の”フェイクニュース対策”

          ニュースメディア生存のための6つの戦略(翻訳解説)

          メディア開発投資ファンド(MDIF)のスタッフによって書かれた一連の記事「Media Viability: 6 strategies for success」の翻訳です。MDIFはニューヨークとプラハに本部をおく非営利のジャーナリズム支援組織で、しばしば政府が「報道の自由」に対して敵対的な新興国で活動する組織を中心に、40カ国100以上のメディアに資金・業務面での支援を行っています。 が、この文章は、報道の自由のレベルに関わらず、また営利非営利を問わず、今や全世界の全ての(

          ニュースメディア生存のための6つの戦略(翻訳解説)

          米国メディアで吹き荒れる大量解雇の嵐

          7月1日、2019年下半期を迎えたこの日、Bloombergによるこんな記事がアメリカの報道業界を駆け巡りました: 報道業界の雇用状況、リーマンショック以降最悪に 今年5月末までにニュース業界でレイオフ(一時解雇)された、または早期退職を促された従業員の数が3,000名を超え[訳注:アメリカ国内での数字]、このペースで行くと2019年は直近10年で最悪の人員削減が業界を襲った年になりそうだ。(Bloomberg: Journalism Job Cuts Haven’t B

          米国メディアで吹き荒れる大量解雇の嵐

          ブロックチェーン in ジャーナリズム(翻訳解説)

          今年6月18日、世界最大のプラットフォーマーであるFacebookが、既に1ヶ月半前にリークされていた仮想通貨プロジェクト「Libra」を公式発表しました。 僕はこの報を目にして、冬に読んだある記事が頭をよぎりました。その名も "Blockchain in Journalism" というタイトルのレポートです。それは、ジャーナリズム業界向けの技術の解説に加え、去年注目が高まり10月にICOを行ったものの目標額の資金調達に失敗し、とりあえずニュースプラットフォームとしてスター

          ブロックチェーン in ジャーナリズム(翻訳解説)

          CivilのCEOに東京で会いました【ブロックチェーン×ジャーナリズム】

          “We think it's a beginning of the new paradigm for journalism, and we think it has an opportunity to activate people from around the world in the service of our mission.” (これはジャーナリズムのための新たなパラダイムの始まりであり、我々のミッションのもと世界中の人々を活気づける機会である) — Matthe

          CivilのCEOに東京で会いました【ブロックチェーン×ジャーナリズム】

          「ブロックチェーンでジャーナリズムを救う」Civil ホワイトペーパー全訳

          ※この記事は、2018年6月にはてなブログに投稿したエントリーの再投稿です。 「ブロックェーンでジャーナリズムを救う」というビジョンを掲げ、アメリカの報道業界で大きく注目を集めているスタートアップ、Civil。そのホワイトペーパーより、末尾の開発メンバー紹介を除いた全訳です。Medium上で2018年5月11日に発表されたものです。 独自トークン「CVL」の発行を含め、本格的なプロダクトは未だリリースされていませんが、2018年6月下旬現在、「第一船団」と名付けられたいく

          「ブロックチェーンでジャーナリズムを救う」Civil ホワイトペーパー全訳

          はじめに・僕たちのミッション

          Journalism ジャーナリズムの + Vanguard 最前線 = Janguard.これは、世界のジャーナリズムの最新技術を、日本語で紹介するブログ。 僕らが生まれる少し前、20世紀の終わりごろ、世界はインターネットとの取り返しのつかない出会いを果たした。 この「情報革命」といわれた一連の技術革新に乗っかり、有形無形の規格・サービス・事業者が社会の色々な側面をつなぎ合わせて、あるものは淘汰されたり、あるものは寡占状態を形成したりしてきたわけだが、中でもそれが大きな

          はじめに・僕たちのミッション