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井上未来

2010年にプロとしてのキャリアをスタートさせ、2014年度にJAPAN LADIESへ参戦。最近ではLADIES8に2度入賞するなど着実にステップを踏んでいる。

チャーミングな笑顔と初音ミクがモチーフのユニフォームが印象的な井上プロは、京都生まれ東京育ちの24歳。高校時代までの11年間はフィギュアスケートの選手として世界選手権に出場するほどの活躍を見せ、高校卒業後はアニメ、バンド、コスプレと一転してサブカルチャーの世界にどっぷり。そんな彼女がダーツに出会いプロへと駆け上がった経緯とは一体何だったのだろう。

センスがないと痛感してから1年半投げ続けプロに

高校卒業後、声優を目指して通っていた専門学校でアニソンバンドを結成(担当はボーカル)。そのバンドメンバーに誘われたのがダーツとの出会いだ。ダーツの第一印象は意外にも「まったくセンスがない」と自分自身で痛感するほどだったとか。

「初めてダーツを投げたのは20歳のときです。その日は1本もダーツボードに当たらなかった(苦笑)。的に刺さらないことがとても悔しくて、その日のうちにマイダーツを購入して、毎日ダーツを投げるようになりました。ちゃんとダーツボードに当たるようになるまでは半年くらいかかりましたね…」

ダーツの魅力にハマったわけではなく“ダーツが的に当たらない悔しさ”から、ダーツをはじめたという井上プロ。そこから執念にも似た根性をみせることとなる。

「いやいや、根性はたいしてないですよ(笑)。でも、私には自慢できる部分がひとつあって、20歳のダーツをはじめた日からプロ資格を取得するまでの1年半、毎日欠かさずダーツを投げ続けています。プロになったいまでも、インターバルは取りつつも基本的に毎日投げる習慣は変わっていません。負けず嫌いで、ひとつのことにハマったら行き着くところまで行かないと気がすまいないんです」

実は、高校3年生までの11年間はフィギュアスケートの選手として活躍。16人で滑走するシンクロナイズドスケーティングという団体種目で世界選手権への出場経験がある。

「フィギュアスケートをはじめたときに、世界選手権で日本代表の選手として出場するというのを目標にしたんです。高校2年生のときにその目標が叶いました」

スケートの世界で目標を達成してダーツの世界へと足を踏み入れた井上プロ。いまの目標はダーツの世界でトップを目指すことだ。

試合に勝ちたいと開き直れたことが自分にとって転機に

的にさえ当たらず毎日ダーツを投げる日々を過ごしたものの、並外れた向上心と日々の練習で実力はメキメキと上がり、1年経った頃にはAフライトをキープするまでに。

「プロになれるなら、なるべく早くプロとして戦いたいと考えていたんです。プロテストには受かる自信があったので、テストを受け合格した後はすぐにプロの試合に出場して、経験を積みたいと考えていました」

しかし、プロのフィールドは決して甘くない。プロデビューを飾るも、しばらくの間は予選敗退の常連として辛酸を舐める日々を過ごす。そんな彼女が、ここ最近では4戦連続入替戦を戦うなど目覚ましい活躍を見せている。そのきっかけはどこにあったのだろうか。

「今季からJAPAN LADIESに移籍したことで、全戦に集中して参加できる環境が整ったことが大きな要因だと思います。試合の雰囲気に慣れることで“ただ純粋に勝ちたい”と開き直れたことが、自分にとってプラスになっていると思います」

試合へ集中できる環境は、メンタル面にも良い影響を与えている。

「もともとメンタルは強い方ではなかったのですが、最近は自分の心の状態をより深く考えられるようになりました。経験を重ねたことで、たとえばスローラインに立ったときに過去に自分が調子よく投げたイメージを思い浮かべながら投げられるようになったんです。メンタルの調整が以前より安定してできるようになっています」

ダーツの勝敗は自分のダーツが打てるかどうかにかかっている、そう割り切って試合に臨めるようになったことが自分の強みとして出てきた、とも。

「試合でお互いが完璧に射ち合って、それで負けたら本当に悔しいんですが、その悔しさこそが私にとっては一番のバネ。だから対戦相手が素晴らしいダーツを魅せたときには心から讃えたいですね。たとえ負けても自分が強くなるための糧になると心から思えるので、悔しさを引きずることはありません」

目標はベスト4! まず目の前の目標をクリアできるように頑張りたいです

ユニフォームに初音ミクのコスチュームを取り入れるなど、ファッションでも注目を集める井上プロ。そのルーツはどこにあるのだろう。

「専門学校時代にアニメやゲームにハマって1年間ほどコスプレイヤーをしていたことがあって。アニメ『けいおん』グッズも買うほどハマりました! コスプレの経験でダーツに活きている部分といえば対戦するときに自分の世界観を作れることでしょうか。決して相手の邪魔はしないですが、濃いキャラになりきることで緊張感を払拭しています」

アニメとのコラボも楽しみなDARTSLIVEに対しても「『けいおん』や『ラブライブ!』とコラボなんかしたら、ヤバいですね。ぜひお願いします!」という井上プロ。フィールドは違えど、自分の好きなモノや経験をすべて糧にしてダーツに活かすのが強みでもあるようだ。ますますの活躍が期待されるが今後の目標を聞くと「まずはベスト4」という答えがかえってきた。

「これまで経験から、最高位を目指すとそこへ行くまでにダメになってしまうので(笑)。まずは、目の前の目標をしっかりとクリアできるように頑張りたいと思います」

2014年12月20日には出身の京都で大会が開催される。

「京都ではスポンサードして頂いている事業者のテンフィールズファクトリーさんもいらっしゃると思うので頑張りたいです! 同じ世代ながら私にとってはすごい先輩たちである川上真奈さんや横山公美さんのようにすばらしい結果が残したいという思いが強いですね」

アニメの話には目をキラキラさせながら、しかしダーツの話になると一転、厳しいプレイヤーの視線を見せる井上プロ。そんなギャップさえも武器にトッププロへの道を駆け上がる姿に期待したい。

-Profile-
井上未来(東京都)
2014年間ランキング:24位(STAGE 14 終了時点)
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JAPAN STAGE 15 京都
12月20日(土)13:30よりLIVE中継スタート
http://dartslive.tv/

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