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【ライドシェアの解禁論浮上】タクシー業界の行方を顧客視点で考えてみた

一般のドライバーが自家用車を使い、有償で客を目的地に運ぶライドシェアの解禁論が、政府・与党内から出始めています

デジタル相などとの兼任でデジタル行財政改革担当相や規制改革担当相を務める河野太郎氏は2023年9月22日の会見において、デジタル行財政改革会議などの場で議論していきたいとの意向を明らかにしました。

与党内では菅義偉前首相や小泉進次郎元環境相も前向きな姿勢を表明していますが、自民党のタクシー・ハイヤー議員連盟が2023年8月に開いた会合では慎重論が相次ぐなど、必ずしも与党内が導入一辺倒なわけではありません

一方、アメリカでは“その先”のタクシーがすでに解禁されています。それが、運転席に誰も乗っていない無人のロボットタクシー。8月10日、米カリフォルニア州当局がサンフランシスコ市内での24時間営業を認めました。

このロボタクシーにもさまざまな問題が生じていて、緊急車両の走行を妨害したり、事故や渋滞を起こしたり、無人タクシー内で性行為を楽しむカップルも出てきている始末です。

サービス利用者からは「どんな人が運転しているかわからないライドシェアは怖い」という声があります。これに対しては、個人タクシーだって一緒だろうとか、ライドシェア会社による規制があるから大丈夫だという意見もあります。ここでは、あくまでサービス利用者の無意識の本音ベースでそう思われてしまっているという現実があるということです。

タクシーの利用シーンを考えてみると、旅行帰りで空港から自宅までゆったり帰りたい老夫婦、病院までタクシーを利用したい妊婦さん、急な降雨で自宅までタクシーを利用したい会社員など、様々です。

それらの利用者が、タクシーに求める便益もそれぞれ違うはずであり、安心安全という便益はライドシェアではすぐには提供しづらいでしょう。だからこそ、ライドシェアは、より安くより早くという便益を求める利用者がターゲットになってくると思います。

一方で、タクシー業者は顧客視点で自社が提供できる独自の便益を再認識しなければ、ライドシェアに顧客を奪われるか、自社ドライバーが自家用車を使ってライドシェアに乗り出すことになってしまうかもしれません。

タクシー業界そのものが消滅するとは思いませんが、いままでの既得権益で市場を独占していた以上、奪われるポジションが出てきて業界自体が縮小することは不可避だろうと思います

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