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デンマークの電子決済サービス<モバイルペイ>

赤 賀映 / 安岡美佳
2017年7月

モバイルペイ(MobilePay)は、デンマークで今最もマーケットシェアを取得している電子決済サービスである。携帯電話番号に連結された銀行口座から、対個人や店舗などでの電子的な支払いができる仕組みを提供するもので、利用には、スマートフォンアプリのダウンロード、そして携帯電話番号と銀行口座が必要となる。
デンマークの ダンスケ銀行(Danske Bank)が、2013年にスマートフォンアプリとして提供し始めたモバイルペイは、デンマークにおける利用は瞬く間に広がった。2013年5月6日のアプリ公開初日に25,000人がダウンロードし、ユーザー数は4ヶ月で500,000人に到達した。当初、ダンスケ銀行に口座を保有する個人ユーザーの利用者向けとして始まったが、現在は、ユーザーの70%がダンスケ銀行以外の顧客で、ビジネス、店舗や寄付などにも活用可能な枠組みが提供されている。
2017年3月現在、340万人以上がアプリをダウンロード、40,000店舗以上がモバイルペイを導入、そしてダンスケ銀行発表によると、年間1.8億回、モバイルペイによる支払いが行われている。

使い方は簡単。まず、自分のスマートフォンにアプリをダウンロードする。初期設定で、自分の携帯電話番号と銀行口座をリンクし、あとは、支払いの際に相手の電話番号宛に、金額を指定し「送金」ボタンを押すだけ。モバイルペイアプリを持っている人同士で、金銭授受が可能だ。

デンマークにおける電子決済の歴史

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