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マイクラブの評価をしてみよう

今回は、高名なクラブフィッター、鹿又芳典氏の著書「誰でもスコアアップできる! クラブ選び&セッティング術」(ISBN978-4-408-33966-5)について紹介したい。

この本、あくまで私の想像だが、鹿又さんへのインタビューを書き起こしたものかもしれない。鹿又さんが、あのいつもの穏やかな語り口で、ゴルフクラブの選び方を隣で語ってくれいるような気分になる。この本のターゲット読者層は、ゴルフをこれから始めたいがクラブ選びを失敗したくないと考えるゴルフ未経験者から、ゴルフが面白くなってきて、クラブを買い換えてもっと良いプレーをしたいと思い始める初~中級者向けにかかれている本である。

従って、この本ではクラブ選びに小難しい数値や難しい理論は説明されていない。ゴルフクラブの用語についても、ベーシックなレベルから必ず鹿又さんが自分の言葉で解説を入れるように構成されているので、とてもわかりやすい。先ほど、対象読者層はゴルフ歴浅めといっておいて何だが、不治の病「自分に合うクラブ探求症候群」を患ってしまった上級者にも、ベテランゴルファーで最近のクラブの進化について知識をアップデートしたい方にも、お勧めである。

鹿又さんのクラブ選びについての基本的なアプローチは「セッティング」である。14本のクラブを、コースで直面する様々な状況に対して、どのように分担させればうまく対応でき、ひいては自身のスコアアップにつながるのかを考えるのが、セッティングである。当然、個人の能力によってベストのスコアを出すセッティングは変わってくる。問題は、どのようにそのベストセッティングを見いだすか、である。

もちろん、鹿又さんのようにクラブフィッターへ相談するのが一番なのだろうが、病院に行くときにも自分の症状が適切に伝えられないと、治療方法が合わない可能性があるのと同様、クラブについてもまず自分の症状をきちんと伝えられるようになっておきたいものであるが、この本はまさにそのために書かれている。

この本では、まずクラブの種類と機能がカテゴリー別に詳しく書いてある。また、アマチュアゴルファーとしては、一般的にそれぞれのクラブどのような役割を持たせるとよいのかも、ちゃんと書いてある。まずは素直にそれに従ってセッティングして見るのがいいだろう。そうしてプレーをしていくと、そのうち自分の能力/個性はどのようなものなのか、自分はどのようにプレーをしたいのかがわかってくる。となれば、後はクラブフィッターの方に相談したり、ゴルフショップに行って試打したり、または自分自身で情報を集めて、自身に最適なセッティングを作って行くことができるようになるだろう。

また、鹿又さんは、セッティングは時間をかけて耕し続け、そして自分の成長に応じて変化しつづけるものである、と説く。懐具合を考えると、どうしても一発で完璧なセッティングを求めてしまいたくなるだろうが、セッティングとはそういうものではないようだ。ただ、この本を読むでおけば直感や宣伝に踊らされて闇雲に買い換えることから、冷静に自分のニーズに応じて少しづつクラブを変えていくことができるようになるので、最終的にはより効率的に'現時点で'ベストなセッティングに巡り会えることが出来るように思う。

この本巻頭には、自分の能力や個性を自己採点するための入力テンプレートも掲載されているので、その項目を参考にしつつマイクラブの評価をしてみるのも楽しいし、あらためて自分のプレーを見直すことにもつながるので、お勧めの一冊である。

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