感染成立に必要なウイルス粒子数は1000

<科学論文> 下畑享良教授(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 )ブログより転載許可を得て掲載
※2020年11月23日時点での見解です。引用の際は最新情報にあたってください。

Sci Transl Med. Nov 23, 2020(doi.org/10.1126/scitranslmed.abe2555)

 オーストリアでは疫学的サーベイランスシステムが発達している.実際に第一波での主要なクラスターを同定し,かつ500以上のウイルスサンプルの全ゲノムシークエンスを実施している.

 この結果,感染者の個体内でのウイルス変異の動態が明らかになり,さらに疫学的に確認された感染者と次の感染者のペアの検討により,1000個のウイルス粒子により感染が成立することが示された.

 これはHIVやノロウイルスなどの他のウイルスよりも多い粒子が必要であることを意味する.感染成立には300~2000個の粒子を要するというプレプリント報告もある.1000個は平均であって,より少数でも感染が成立しうるとも記載されている.

(下畑先生の所見)
 感染者に接触しても,暴露するウイルス粒子量を減らせば感染リスクを減らすことができる!やはりマスク,社会的距離,長時間の接触回避,室内換気が重要.

現在、ボランティアでやっております。継続のためには人手が必要ですので、ぜひ資金サポートをお願いいたしますm(_ _)m