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ジロリンタン備忘録211114

年刊ベスト・ミステリー・アンソロジーが2冊

 11月にはいって、急に寒くなってきたね。ブルブルブル〜 カーテンを開けると、窓ガラスに結露がついている。もうすぐ、おれの嫌いな季節がやって来る。

 前回は、スー・グラフトンの未発表短編 "If You Want Something Done Right..." が2020年刊のMWA (Mystery Writers of America) に初めて載ったという話をしたんだっけ。そして、今回は、オットー・ペンズラーのシリーズ編纂、リー・チャイルドのゲスト編纂による The Best Mystery Stories of the Year (Mysterious Press, 2021) にも収録されたという話をすることになってたんだっけね。
 ちょっと待ってくれ、と言う人はいないのかい? ペンズラーがシリーズ編纂をしていた年刊ベスト・ミステリー・アンソロジーのタイトルは The Best American Mystery Stories (BAMS) (おれは「バムズ」と勝手に略して呼ぶ)というんじゃなかったかい? それの版元は Houghton Mifflin Harcourt のペイパーバック部門版元 Mariner Books ではなかったかい? そのとおりだ。1997年版をロバート・B・パーカーがゲスト編纂して2020年版をC・J・ボックスがゲスト編纂するまでの24冊をシリーズ編纂していた。そう、「していた」という過去形なのだ。
 この交替撃は2020年夏に始まる。HMHの新しいトレード・ハードカヴァー部門の責任者が突然、2021年版からBAMSのシリーズ編纂者を変えて、内容に多様性を加えようと考えたのだ。それに、タイトルの名前を  The Best American Mystery and Suspense (BAMAS)(おれは「バマズ」と勝手に略して呼ぶ)に変えるという。新しいシリーズ編纂者は『復讐の家』(集英社文庫)を書いた韓国系作家で、LA在の韓国系私立探偵ジュニパー・ソングを主人公にしたPI小説も発表している。多様性ということは、女性と人種・民族的なマイノリティーの作品を積極的に採用するというものらしい。2021年版の1人目のゲスト編纂者はアラフェア・バーク
 そういうことを相談もなく勝手に決められたので、ペンズラーはそれならおれの出版社(ミステリアス・プレス)から今までどおりの年刊ベスト・ミステリー・アンソロジーを出すと言って、2021年から The Best Mystery Stories of the Year (BeMSY)(おれは「ベムジー」と勝手に略して呼ぶ)を出すことになった。ゲスト編纂はBAMS 2010年版もゲスト編纂したリー・チャイルド。BeMSYにAmerican という単語がないということは、前年に発表された作品はアメリカ人作家だけではなく、カナダ人(北米人)やイギリス人のほか、英語で発表された全世界の作品を対象にしているということだ。BAMSと同じく、20編が収録されている。作家の顔ぶれは、ダグ・アリン、ジム・アリン(ダグの弟)、ジェイムズ・リー・バーグ(前出のアラフェアの父親)、マーティン・エドワーズ(イギリス人)、アリスン・ゲイリン、スー・グラフトン、スティーヴン・キング、デイヴィッド・マレル、ジョイス・キャロル・オーツ、サラ・パレツキーなど20人。グラフトンとパレツキーの競演!
[たった今、大変なことが起こったのだ。キーボードを叩いていると、ちょっと長くなった爪があるキーを引っ掛けたので、このウィンドウが急に消えて、前のウィンドウに変わり、消息不明になったのだ。履歴を調べたり、前ページを捜して、ウィンドウが重なっていることに気づき、やっと見つけたのだ。冷や汗ものだね。本当に消えていたら、これ以上書く気を失っていたかもしれない。ヒュー!]
 一方、BAMASのほうは、リサ・アンガー、ローラ・リップマン、アリスン・ゲイリン(BeMSY収録作品とは別)という女性作家ぐらいしか知らないなあ。
 おれは短編を選ぶ仕事をしなくなったから、最近はめったにアンソロジーを購入しなくなったが、この2冊のうちBeMSYのほうしか購入していない。知っている作家が多いからだ。でも、資金に余裕のある人は両方買って、未来の有名作家の作品に馴染んでくれ。

 11月7日にディーン・ストックウェルが老衰で亡くなったらしい。85歳だった。1990年前後にTVシリーズ番組<タイムマシーンにお願い>で有名らしいが、おれは見たことがない。このSF系の番組には<NCIS:ニューオーリンズ>のスコット・バクラが共演していたらしい。へええ。1936年生まれで、子役として1945年の<錨を上げて>とか、1948年の<緑の髪の少年>に出演してたとは知らなかったなあ。それよりも、驚いたのは、1947年の<影なき男の息子>で、ニック・チャールズ・ジュニアに扮したのだ。これは、マルタの鷹協会報ファイヤーの死亡記事に書くべきかな。

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おっと、もう2000字以上も書いちゃったよ。今週はこれくらいの「美貌六」でいいだろう。お休み。//

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