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ジロリンタン備忘録220124

エドガー賞候補作が発表されたけど……

 タイトルの話をする前に、1月23日にNHK-BSで観た『刑事コロンボ』で、ヴェラ・マイルズ扮する化粧品会社の社長が、「どくずたにかぶれた」とか何とか言ったのだが、「どくずた」って何なのかと考えていると、「毒づた」だとわかった。「す」に点々じゃなくて、「つ」に点々のほうだ。日本語の発音ではいちおう一緒とされているけど、英語では違うんだよね。「ず」は摩擦音(z)だけど、「づ」は破裂音と摩擦音が一緒になって「破擦音」(dz)という。
 でも、「毒づた」って何だろうと考えると、そのまま英語にすると、「ポイズン・アイヴィー」のことだと推測できた。なあんだ、poison ivy のことか。これなら、わかる。それの日本語訳は「つたうるし」というんだって。それならわかるけど、「どくづた」ではわからないよ。アメリカのつたうるしの毒は、日本のそれよりも強いらしい。50年ほど前にニューヨーク・シティーの郊外にあるパトナム郡でキャンプ・カウンセラーをしていたとき、ポイズン・アイヴィーが草の茂みにあるから気をつけろと言われた。でも、幸か不幸か(幸いにも?)おれは少しもかぶれなかったので、その症状は実感していない。
 まあ、それだけの話。ということで、エドガー賞候補作発表の話題に移ろうか。

 Mystery Writers of America(早川書房ではなぜか「アメリカ探偵作家クラブ」と翻訳している)では、毎年、守護神エドガー・アラン・ポーの誕生日(1月19日)あたりにエドガー賞候補作を発表している。
 今年はちょうど1月19日に発表された。おれたち会員にはpdfファイルがメールで添付されてきた。おれはほとんどそのままコピーして、自分の「ガムシュー・サイト」で告示した。おれが編集した箇所は、短編部門で短編作品のアンソロジー編纂者と雑誌掲載号を明記したことぐらいだ。そして、業界の知人たちにおれの編集版を送信した。
 ところが、「翻訳ミステリー大賞」サイトの編集担当者が訂正箇所を指摘してきた。TVエピソード脚本部門で、"The Men Are Wretched Things" は間違いで、正しくは "We Men Are Wretched Things" だという。The North Water 『北氷洋』は原作がイアン・マグワイアで、新潮文庫で日本語版が出ているらしい。これをAXMミステリー・チャンネルで日本でも放映していたらしいが、おれは知らなかった。
 もう一つ、エラリー・クイーン賞受賞者ジュリエット・グレイムズは、Soho Books ではなく、Soho Press の上級副社長だという。それはMWAのウェブサイトでも書いてあるということだ。この2箇所を指摘されたのだが、おれは確認してして、翻ミス大賞サイトの担当者が正しいことに納得した。
 でも、おれはただ最初の候補作リストをそのままコピーして、知り合いたちに広めただけだ。ジュリエット・グレイムズはSoho Press で、Soho Crime というミステリー路線を立ち上げた人として有名だとは知っていた(このあいだ亡くなった編集者も関わっていたんじゃなかったっけ?)。まあ、ちゃんと確認しないで拡散したおれも悪かったけど、あとで訂正した箇所をMWAのほうからも知らせて欲しかったねえ。
 ということで、おれが最初に拡散したリストには間違いがあるので、MWAのウェブサイトか、訂正済みの「ガムシュー・サイト」で確認してくだされば幸いです。
 ある比較的新顔の長編作品が注目されているが、James Kestrel というのは、正体不明の作家で、Five Decembers はかなり評判がよい。版元のチャールズ・アーダイが言うのだから、本当だろう……かな? もしケストレルが受賞したら、本人がもらいに来るのかな? それとも、アーダイが代理で受け取るのかな?
 コーネル・ウールリッチの短編は、ウールリッチ研究家のフランシス・マイク・ネヴィンズ(通称マイク)が発掘した作品である。ええっと、亡くなった作家が受賞したことは前にもあったから、これが取るかもしれない。6頁の作品なので読んでみるか。
 そうそう、もう一つ。MWAの会報<サード・ディグリー>の最後に、この授賞式の模様は、ツイッターやフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・メディア)でも実況すると記してある。日本時間では、4月29日(昭和の日?)の午前9時頃から始まるから、誰でも実況を観ることは可能である。

 ということで、この「ジロリンタン備忘録」を書き始めて、もう6ヶ月経ったらしい。この中で一番アクセスがあったのは、「松坂健氏の追悼エッセイ?」だった。最近では、「ロン・グーラートの追悼エッセイ?」だった。
 おっと、もうすぐ2000字になるらしいから、今日(今週)はこのへんで、休憩するかな。
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